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「先生!どうやって死んだらいいですか?」山折哲雄/伊藤比呂美

2014年11月28日 22時34分19秒 | 読書(介護/終活)


「先生!どうやって死んだらいいですか?」山折哲雄/伊藤比呂美

山折哲雄さんと伊藤比呂美さんの対談。
性、老、病、死・・・この4つのテーマに分けて語られる。(「生」でなく「性」、ってのがミソ)
先生役の山折哲雄さんに、伊藤比呂美さんが、いろいろ質問する。
伊藤比呂美さんが、あまりに激しくつっこむので、山折哲雄さんもたじたじなシーンが。
でも、おおむね博覧強記な山折哲雄さんが、ずばずば答えていく。
読んでいて、目から鱗の数々。
これは、お薦めである。

P17-18
山折:性欲をコントロールするために何が一番必要か?到達した結論は、食欲を制すれば抑えられるということだったんです。女色を避けるための基本路線だったんだね。
伊藤:食欲と性欲ってつながってるんですか。
山折:食欲と性欲は切っても切れません。釈迦やキリストが修業時代、悟りを開くとか真理を突きとめるとかいう前に、断食や精進ということを非常に重視して行うわけですね。

P22
伊藤:「女の体は汚いから仏になれない」という箇所がありますね。
山折:はい、あります。ですから、女性は一度男に生まれ変わった上で、あらためて仏になる。これが釈迦滅後に出てきた「変成男子(へんじょうなんし)」という考え方なんですね。

P25
山折:たとえば、西洋近代の絵で、男女が草原で食事をする場面がよくあるでしょう。あれは、食後に性的饗宴の世界が待っていることを前提にして描いているわけですよ。


P49
山折:アメリカにE・H・エリクソンという精神科医・心理学者がいますね。「アイデンティティ」という言葉を発明した人。彼が、成熟した人間は若い異性をそばに置いておくと、人生最後に生命の輝きが表れる、と言う意味のことを言っているんですよ。
伊藤:最後の生命の輝きが?
山折:その実例として『旧約聖書』のダビデ王の話を引き合いに出すんです。晩年になって枯木のように衰えた王を近臣たちが心配して、全国に美しい若い少女を求めた結果、シュナミ族のアビシャグという女性を見つけてきた。そして、彼女を湯たんぽ代わりにダビデに侍らせたところ、ダビデ王は見事に甦ったというんですね。
伊藤:湯たんぽ代わりですか。
山折:そこでエリクソンは、このようなケースに「シュナイズム」という、新造の心理学用語を与えているんです。シュナイズムというのは、男というのは年を取ると湯たんぽを欲しがると。
(例として、一休と森女、良寛と貞信尼が挙げられている・・・そう言えばパール・バックの「大地」でも、シュナイズムのシーンが出てきて印象に残っている)

P94-95
山折:日本では比叡山で修行するときに重要な四つの課題があると、伝統的に言われてきた。それが「論湿寒貧」です。日本の宗教にとって重要な時代、思想的に深まった時代というのは十三世紀です。法然・親鸞・道元・日蓮が出てくる。この四人は全員、その四つの課題にとりくんで、比叡山で修行したり勉強したりしていた。
伊藤:ろん・しつ・かん・ぴん?

P101
山折:センチメンタルということで言えば、敗戦と同時に、五七五の詩歌のリズムは「奴隷の韻律」だとして、短歌や俳句の叙情性が全面否定されたんですね。その先頭に立ったのが大阪の詩人の小野十三郎。
(このあと、全共闘の話につながっていく)
山折:あの演説は心に届かないんです。なぜなら、彼らの演説のすべてが五五調だから。
伊藤:「われわれはー、革命の-、なんとかでー、米帝とー、戦うぞ-」っていう調子ですね。

P125
山折:気配を感じる、気配で察する。煎じ詰めれば「察する」ということですね。それに対して西洋的なコミュニケーションでは、言葉で知らせる。それを告知と呼んでいるでしょう。だけどね、マリアの無原罪の身ごもりを告知する「受胎告知」にしても、告知する主体は神だったんです。それが現代は神殺しの時代になってしまったから、神に代わる代理人として医師が出てきて告知する。

P128-129
山折:『ヨハネ福音書』の冒頭に、「はじめに言葉ありき」と書かれているでしょう。この翻訳がほんとに正しいのかどうかに異議を唱える人はあまりいないけれど、山浦玄嗣(はるつぐ)さんという方がまったく新しい問題提起をされました。
伊藤:(前略)今、山折先生がおっしゃったところは、こんなふうになります。「初めに在ったのァ神様の思いだった。思いが神様の胸に在った。その思いごそァ神様そのもの。初めの初めに神様の胸の内に在ったもの」(『初めの言葉』ケセン語新約聖書)

P136
座禅の際、山折先生は、お茶を飲みながら線香を立ててするそうだ
山折:だいたい一本燃え尽きるのに五十分から一時間。私は毎日、東京の「毎日香」という線香を使っています。その話をしたら京都の人から、そんな安い線香を使わないで、京都にはたくさんいい線香がありますよって言われた(笑)。

【ネット上の紹介】
生きることを真正面から見つめ、格闘してきた詩人・伊藤比呂美が、宗教学者・山折哲雄に問いかける、「老いを生きる知恵」。

[目次]
1 性をこころえる(食欲と性欲の切っても切れない関係
欲望を満たしつつ、快く死んでいきたい
「翁」の表情は日本の老人の理想 ほか)
2 老によりそう(木石のように生きる
乾いた仏教、湿った仏教
国を誤らせた五七調 ほか)
3 病とむきあう(創造的な病
「気配の文化」と「告知の文化」
「思いやり」のあいまいさ ほか)
4 死のむこうに(骨を噛む
ひと握り散骨のすすめ
儀式抜きで生きていけない ほか)


「みをつくし料理帖」シリーズ

2014年11月26日 21時23分40秒 | 読書(エッセイ&コラム)

人気作品「みをつくし料理帖」シリーズ。
作品のテーマのひとつが、澪と野江の友情。
その元ネタについて書かれているので、掲載しておく。(2014.11.26朝日新聞より)
(自筆のイラストもいい感じ)


美禰子のモデルは?

2014年11月26日 21時17分25秒 | 読書(エッセイ&コラム)

三四郎がひと目ぼれした女性。
美禰子のモデルは平塚らいてう、と言う。
興味深い記事なので、掲載しておく。(2014.11.26朝日新聞より)


「南国港町おばちゃん信金 「支援」って何?“おまけ組”共生コミュニティの創り方」原康子

2014年11月25日 21時41分51秒 | 読書(エッセイ&コラム)


「南国港町おばちゃん信金 「支援」って何?“おまけ組”共生コミュニティの創り方」原康子

図書館に入荷しそうにないので、取り寄せ購入で読んだ。
NGOの活動ってこんなことをしてるのか、と勉強になる。
南インドの港町、ビシャカパトナムでの活動――「信用金庫」を立ち上げる話。

P181
日本人の私が今、手に入れているモノを、その村の人が持っていないから貧しい、だから不幸せだと思い込み、日本人と同じモノを持てるようにすることが「援助」であると言うなら、それは大きな間違いだ。彼/彼女らを「貧しい」と決めつけるのは、いつも私のような外部の者だ。「あれがない、これがない。だから不幸です」と村人に言わせてきたのは、私たち「援助する側」だ。

偏見かもしれないが、NGO活動をされる方は、真面目な方が多い、と思う。
文章を読んでいて、少なくともこの著者はとても真面目だし、頭が良い、と感じた。
現地の方の言葉を岐阜弁にしたり、面白くリアルに再現されている。

ただし、思ったほど面白くなかった。
せっかく、おいしい「題材」なのに残念。
現地の方が多数登場するのに、十把一絡げで個性が無い。
スタッフも同様。
(プライバシーを考慮して、つっこんで描けなかったのかもしれない)
せっかくローカルのインドが舞台なのに、風俗が匂い立ってこない。
そこも残念なポイント。
努力の痕を感じるが、全体として地方新聞のコラムの域を出ない。
まぁ、真面目で頭も人柄も良い方の文章って、こんな感じなのかもしれない。

色んな意味で、「もったいない」作品だ。
せっかく良い素材なのに・・・。
(自分でお金を出して買っただけに、久しぶりにネガティブな文章になった・・・申し訳ない)
辛口となったのは、私の要求するレベルが高すぎるからである。
決して、つまらない内容、という訳ではない。
ただ、海外を舞台にしたレポート・・・石井光太、星野博美作品と比べると、あまりに見劣りしてしまうから。

【おまけ】
本人は自ら「おばちゃん」と言いながら、吹っ切れていない。
つまり、おばちゃんになりきっていない。
著者は、あと20年ほどしたら、面白味のある文章が書けるかもしれない。

【ネット上の紹介】
経済第一主義が作り出す、ほんの一握りの「勝ち組」と大多数の「負け組」―超格差社会。しかしここに、勝ち組でも、負け組でもない、“おまけ組”とも呼ぶべきもう一つの道を選んだおばちゃんたちがいる。南国のある港町。彼女らの小さな取り組みが私たちに教えてくれるものとは。国際協力NGOの一員として活動を共にした著者が、自らの「思い出すのも恥ずかしい」数々の失敗話を俎上にのせて、共生、支え合い、支援のありうべき姿を、ユーモア溢れる筆致で鋭く描き出す。

[目次]
第1幕 南国港町おばちゃん信金(鵜匠さんとインドのおばちゃんと赤味噌と―誰かが誰かを援助できる?
給与はインドルピーです―「援助」の仕事はさっぱり…
途上国「援助」における職人技とは?―親方の技を、現場で盗みたい ほか)
第2幕 印度草双紙(インド暮らしスタート
テレビCMとお手伝いさん
大工、電気・水道・電話の修理屋さん ほか)
第3幕 日本のおばちゃんとして―途上国で働く三つの理由(途上国で身につけた「援助しない技術」
勝ち組・負け組・おまけ組
日本国憲法とおばちゃん) 


ポンポン山▲679m

2014年11月24日 20時25分42秒 | 登山&アウトドア(関西)

ポンポン山▲679mに登ってきた。
紅葉が見頃。
但し、駐車場が混雑していた。
8時頃、神峰山寺第二駐車場に駐めた時は、他に車が1台も無かった。
ところが、正午に戻ってみると順番待ち状態。
狭い場所で入れ替えたり、すれ違ったりで大変。
神峰山寺に紅葉だけを見に来た方が大勢おられて、アクセス道路も混み混み。
来年は、この時期を避けるか、バスで来るか・・・。

本山寺の紅葉

▲679mなのに雲海が見られた

こちらも本山寺

これはお土産


長モノグレード表

2014年11月22日 22時35分52秒 | ジム練習

石井君が、高槻店・長モノグレード表を作ってくれた。
手数も書いてくれているので便利。

赤スラッシュ=6C+(29手)
ピンクスラッシュ=6C(46手)
・・・この違いは微妙である。(石井君も悩んでいた)
私は、ほぼ同じくらいの難しさに感じるが、どだい比較するのが無理な話。
ボルダー系と持久力系の違いがあるから。

グレードの差というのは体感なので、人それぞれ。
ムーブの得手、不得手もある。
例えばルーフの得意な方は、グレードより易しく感じてしまう。
・・・感覚を数字に表すのは、ホント難しい。
あくまで『参考』、ということだ。
グレードを云々するより、色んな課題をトライして、練習に励むことが重要。


「ふたつのしるし」宮下奈都

2014年11月20日 12時06分51秒 | 読書(小説/日本)


「ふたつのしるし」宮下奈都

宮下奈都さんの恋愛小説。
最近、もろ「恋愛小説」っていうジャンルは読んでいない。(もともとあまり読まないけど)
私の興味が、「家族」「友情」、あるいは、「人間関係」そのものにシフトしているから。
でも、宮下奈都作品、である。
気になってしまう。
どんな作品を書かれたのだろう、と。

やはり、面白かった。
周囲に気を遣い、空気を読んで、目立たないように生きてきた「優等生」な女性。
そして、その真逆な生き方をしてきた男性。
その「生き方」の描き方が巧い。
2人が出会った時、どんな「化学反応」が起きるのか?
核心部は、東日本大震災にからめて、物語が進行する。

表現そのものに「こってり」感はない。
そう、恋愛小説なのに、淡泊な表現なのだ。
これは、珍しいというか、稀有と言える。
(濃厚な濡れ場シーンを期待してはいけない・・・宮下奈都作品なんだから)

あっさりしているのに、作品として深みがある。
よかったら、読んでみて。

【ネット上の紹介】
「勉強ができて何が悪い。生まれつき頭がよくて何が悪い」そう思いながらも、目立たぬよう眠鏡をかけ、つくり笑いで中学生活をやり過ごそうとする遙名。高校に行けば、東京の大学に入れば、社会に出れば、きっと―。「まだ、まだだ」と居心地悪く日々を過ごす遙名は、“あの日”ひとりの青年と出会い…。息をひそめるように過ごす“優等生”遙名と周囲を困らせてばかりの“落ちこぼれ”ハル。「しるし」を見つけたふたりの希望の物語。 


「たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く」石村博子

2014年11月18日 21時44分33秒 | 読書(戦争/引き揚げ/ 抑留)


「たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く」石村博子

サンボという格闘技がある。
関節技を多用する、柔道に似た格闘技である。
41連勝無敗、すべて1本勝の伝説の男、それがビクトル古賀、である。
ところが、「俺が人生でいちばん輝いていたのは10歳だった」と言う。
たった1人で、満州の北の果てから引き揚げてきたのである。

この本は、「流れる星は生きている」「竹林はるか遠く」を読んだ方にお薦め。
ただし、異なる点もある。
普通、引き揚げ記録というと、悲壮感漂う。
ところが、この作品は明るい。(と言うか、脳天気?)
少年・ビクトル古賀の陽気な性格からくるものだろう。
それに、サバイバル能力が桁違いに高い。
すばらしい生命力である。

コサックの血を引く少年なので、コサックの歴史も詳しく書かれている。
貴重な引き揚げの記録であり、昭和史でもある。
著者の石村博子さんは、非常に丁寧な仕事をされている。
感心した。
読んでソンはない。 

【ネット上の紹介】
1945年、満州。少年はたった独りで死と隣り合わせの曠野へ踏み出した。41連戦すべて一本勝ち。格闘技で生ける伝説となり、日本柔道界・アマレス界にも大きな影響を与えた男・ビクトル古賀。コサックの血を引く男は「俺が人生でいちばん輝いていたのは10歳だった」と言う。彼は1000キロを独りで踏破し引き揚げたのだ。個人史と昭和史、そしてコサックの時代史が重なる最後の男が命がけで運んだ、満州の失われた物語。
[目次]序章
第1章 ハイラル最後の日
第2章 コサック最後の少年
第3章 ハルビンの孤独な日々
第4章 追い払われて
第5章 満州一〇〇〇キロ、独り歩き
終章 「古賀正一」から「ビクトル古賀」へ
番外編 コサックの流転、ラーパルジン一族の物語 


老後の費用

2014年11月16日 21時39分38秒 | 読書(介護/終活)

この頃よく考えるのが、(自分自身の)『老後の費用』。
やりたいことがあっても、先立つものが無いと、身動きがとれない。
いったい、いくらあったら安心なのか?
一番不明なのが介護費用。
朝日新聞のコラム『続・お金のミカタ』の特集で、
『老後の費用を考える』①②を読むと、具体的な例をだして、費用を概算している。

施設の入居費     1,877万円
介護保険自己負担  308万円
医療保険自己負担  124万円
家政婦代金     1,335万円
その他費用        91万円
合計          3,735万円

・・・なお、これは約8年間に使った介護関連の費用、である。
介護を受ける期間が長ければ、それだけ費用もかさむ。
施設はピンキリだけど、この方は、1年で235万くらいの施設を利用されている。

関西だともう少し安い。
例えば年200万の施設に20年間入居したとする。
200万×20年=4000万円。
これに、医療・介護費の自己負担+諸雑費がプラスされる。

私は自分自身の老後に対して、三つのことを願っている。
①インフレで、施設入居費用が値上がりしないこと
②年金制度が破綻しないこと
③「適度な年齢」で、(惜しまれつつ)ぽっくり逝くこと(・・・これが一番難しい!)
そのためにも、家の中を整理しておきたい。
(もっとも、その前に、親の「介護・看取り」があるけど)

『老後の費用を考える』①朝日新聞2014.10.18


『老後の費用を考える』②朝日新聞2014.11.8

【参考図書】
週刊朝日mook<br> 高齢者ホーム 〈2015〉 「入居費用」と「医療・介護」で選ぶ 過去最大5264ホーム独 

高齢者ホーム 2015
「入居費用」と「医療・介護」で選ぶ
[出版社商品紹介]
新しい高齢者の住まいとして注目される「サービス付き高齢者向け住宅」の実態を初調査。危ないホームの見分け方、ほか。


「総員玉砕せよ」水木しげる

2014年11月12日 22時23分01秒 | 読書(マンガ/アニメ)


「総員玉砕せよ」水木しげる

南太平洋・ニューブリテン島の玉砕を描く。
極限状態を描きながらも、ユーモアも漂う。
水木漫画の真骨頂、である。


ピー屋の風景
「皆さんもう五時ですからおしまいですよ」
「ねえちゃんあと七十人位だがまんしてけれ」

「爆弾の穴にな青いバナナを入れておくとな」
「うむ」
「あくる日には真黄色なバナナになるぜ」
「ほーかあ」

P356
将校、下士官、馬、兵隊といわれる順位の軍隊で兵隊というのは“人間”ではなく馬以下の生物と思われていたから、ぼくは、玉砕で生き残るというのは卑怯ではなく“人間”として最後の抵抗ではなかったかと思う。

言葉を失うシーンが満載・・・である。

【おまけ】
体験を元に書かれている。
昔、「お父さんの戦記」を読んでいるので、エピソードがかぶる。
でも、文章で読むのと、画として漫画で読む違いがあるので、どちらも捨てがたい味がある。


【ネット上の紹介】
昭和20年3月3日、南太平洋・ニューブリテン島のバイエンを死守する、日本軍将兵に残された道は何か。アメリカ軍の上陸を迎えて、500人の運命は玉砕しかないのか。聖ジョージ岬の悲劇を、自らの戦争体験に重ねて活写する。戦争の無意味さ、悲惨さを迫真のタッチで、生々しく訴える感動の長篇コミック。


freefan70号

2014年11月10日 22時14分07秒 | 読書(山関係)

70号表紙
freefan70号

今回は読むべき箇所が多かった。(ロクスノより多いか?)
いくつかチェックポイントを書いておく。

P18-30
懸垂下降の注意点。
フリーだと、懸垂することがあまりない。
ほとんど、ロワーダウンばかり。
だからこそ、きっちりと基本を押さえておきたい。
慣れてない方は要チェック。
懸垂での重大事故は多いから。
P30には、下降器を失くしたときのカラビナを使った下降方法が書かれている。
マルチで、万一落とした場合、役に立つ。(まず、落とさないよう工夫が一番大切だけど)


P42-43
三崎海岸のグランド事故について
ステンレスボルトが破断している。
ステンレスでも安心できない。

P46-47
『柏木再開に向けて』
これは嬉しい知らせ、だ。
長い間、事故により閉鎖されてきた。
それが、再開される可能性が出てきた、と言う。
再開に向けて、何年も努力されている、その労力には頭が下がる。
何の協力もせず、申し訳ない。

P52-53
備中の清掃草刈り活動
下帝釈清掃草刈り活動
・・・ご苦労様です。
(いつか、外出できる余裕ができたら、訪問したい)

P54-56
【強強クライマー列伝】・・・『岡山編』
数々の伝説を持つ石原先生へのインタビュー
クライマーは個性的な方が多いが、このインタビューは、
吉田和正氏に匹敵するか、それ以上、と思われる。
私は、今まで、インタビュー記事で、これほど笑えたはない。
文・柳瀬となってるので、柳瀬君が相手をした、と思われる。
・・・その情景が目に浮かぶ。
それにしても、インタビュー中に、居眠りをしたクライマーがいるだろうか!?
それを叱りもせず「寝ないでくださいよ」とやさしくいたわる柳瀬君。
備中クライマー必読必笑のインタビューである。




P69
JFA2013年度会員数が載っている。
①関東701人
②中部219人
③近畿203人
④東北189人
⑤中国181人
⑥九州・沖縄123人
⑦北海道53人
⑧四国19人
・・・合計1615人、である。(2014年2月現在)

【おまけ】
誤植をみつけた。
P22
郷土が高く→強度が高く

    • [連載] 新・日本の岩場を斬る
      ニューエリアOPEN 岐阜・笠置山
       [文:新田龍海 写真・構成:森山憲一]
    • [クライミングの技術]
      フリークライマーのための懸垂下降講座
       [文と写真:freefan編集部  監修:今井健司]
    • 連載] MADE IN JAPAN
      「UNDER BLUE HOLD」代表 安田雅輝
      [聞き手・写真:藤枝隆介]
    • [ローカルレポート] 2014年4月~2014年9月

      [構成:北岡和義、宮脇岳雄、井上大助、小川郁代]

      • from北海道
         洞爺湖畔 義経岩リボルト研修会
         宮赤岩青厳峡 清掃活動
      • from東北
         三崎海岸ボルト破断事故報告(秋田、山形)
         大倉ボルダー・アプローチ整備と清掃活動(宮城)
      • from東海
         鳳来・駐在所から指定地以外で車中泊とキャンプ自粛のお願い(愛知)
      • from関西
         柏木・再開に向けての活動。中間報告(奈良)
         清掃活動~こうもり谷(兵庫)
      • from中国
         王子が岳・ボルダリング安全実演会と清掃報告(岡山)
         清掃活動~帝釈峡(広島)・備中(岡山)
    • [連載]ローカル強強クライマー列伝2 -岡山編-
        石原 謙 [聞き手:柳瀬昭史 写真:中原 栄]
    • [The Competition]
      JFAユース強化選手名鑑2014
      2014年度上半期 コンペレポート [文と写真:伊東秀和]
    • [メディア]
      ムービーレビュー「クライマー~パタゴニアの彼方へ」
       [文:榎戸雄一]
     

「浮浪児1945- 戦争が生んだ子供たち」石井光太

2014年11月07日 22時48分15秒 | 読書(昭和史/平成史)


「浮浪児1945- 戦争が生んだ子供たち」石井光太

「戦災孤児」がいつから「浮浪児」と言われるようになったのか?
どのように集まって、いなくなったのか?
時代背景とともに語られる。
5年の歳月をかけた労作、である。
(当時の生き証人たちが歳をとっているので、本作がリミット・・・ぎりぎり間に合った、と思われる)

P44
闇市について
当時、日本人が禁制品を売買すれば逮捕されたが、在日外国人は例外だった。彼らは日本の敗戦によって「解放国民」と定められ、警察から取り締まりを受けずに済む立場だったため、違法行為をしても見逃されたのである。在日朝鮮人たちがこの法の抜け道をうまく利用したことで露天がひしめく闇市が駅前に堂々と姿を現したのだ。

P107
RAAについて
内務省が募集のためにつくった看板には次のように書かれていた。
「新日本女性に次ぐ!戦後処理の国家的緊急施設の一端として進駐軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先協力を求む!」
金銭に困っている女性には給与の前借を認め、地方から来る女性には旅費を支給するという好待遇だった。
内務省は集まってきた女たちの身体検査を行った後、終戦からわずか12日後の8月27日に、東京の大森に第一号店「小町園」を設置した。そして日本各地に慰安所を設けて女を送り込み、最盛期には約7万人の女性が進駐軍専門の娼婦として働くことになった。
だが、GHQは突然内務省に対してRAAの解散を要求する。ルーズベルト前大統領の妻が反対の意を表明したり、RAAの日本人娼婦の9割が性病に侵されているという調査結果が出たりしたことから、方針が変更されたのだ。
(中略)
「ただいまから慰安所はオフ・リミットになったから、みなさんは適当に職を捜して立ち退いてもらいたい」
(中略)
「仕方がないねェ。もう堅気にはなれないし、体で稼ぐよりしょうがないね・・・・・・」と言い放ち、それぞれ繁華街に散らばっていって街娼となったのだが、その一部が上野に雪崩れ込んできたことによって、急激にパンパンが増えたのである。

私の思うに、従軍慰安婦とかで、日本人の慰安に努めていた女性たちが、こんどはGHQ慰安婦になったのではないか?
普通のおっちゃん、おばちゃんが軍国主義から民主主義に180度転換したように、彼女たちも相手を180度転換したのではないだろうか?
ただし、普通の女性の多くもパンパンになった、という調査結果もある。

1947年4月10日、NHKラジオは『街頭録音』という番組のなかで、パンパンへのインタビューを試みた。その結果、「東京には千名程度のパンパンがいる」「だいたい中流家庭以上の娘が多い。本当に生活に困ってやっているのは少ない」という統計を発表している。また「中年の街娼は生活苦からせっぱつまって商売を始めるものが多い。若い娘は外人相手を面白がって始めたものもいる」と、当時パンパンの性病患者を引き受けた吉原病院の医師の証言を紹介している。
(「大山倍達正伝」P157より・・・小島一志/塚本佳子)
・・・実際のところ、どうなんだろう?
結局、昔も現在も、風俗関係の女性は、少なからずいる、と。
クラスに1人くらいの割合で売春婦がいる、という話もある。
逆に、それだけ需要があり、買う男性もいる、と。
(別に批判しているわけじゃない、現実の話をしているだけ)

【巻末資料】



【おまけ】
私は、著者・石井光太さんの作品を、けっこう読んできた。

「レンタルチャイルド 神に弄ばれる貧しき子供たち」石井光太
「地を這う祈り」石井光太
「感染宣言」石井光太
「飢餓浄土」石井光太
「ルポ餓死現場で生きる」石井光太
「遺体 震災、津波の果てに」石井光太
「ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死」石井光太
「アジアにこぼれた涙」石井光太
「戦場の都市伝説」石井光太
「ノンフィクション新世紀」石井光太/責任編集

最近の作品は日本を題材にしたものが多い。
でも、初期の海外ルポ作品が(いまだに)一番好きである。
(知らずに読んで、インパクトが大きかったせいもあるだろう)

やはり、この2冊がベスト!

【参考リンク】
『浮浪児1945-』出版の経緯


【ネット上の紹介】
終戦直後、12万人以上の戦災孤児が生まれた日本。その中心、焼け跡の東京に生きた子供たちは、どこへ“消えた”のか?本書は、五年の歳月をかけて元浮浪児の方々の証言を集め、あの時代から現在までを結ぶ歴史に光を当てたものです。

[目次]
序章 遺書
第1章 上野と飢餓
第2章 弱肉強食
第3章 上野の浄化作戦
第4章 孤児院
第5章 六十余年の後


ポンポン山▲679m

2014年11月06日 21時24分54秒 | 登山&アウトドア(関西)

久しぶりにポンポン山に登ってきた。
(山登り自体、ご無沙汰だった)
歩くのは、運動の基本なので、できるだけ続けたい。

もみじは一部紅葉していた。

天気が良かったので気持ちが良い

杉の古木


練習について

2014年11月05日 20時55分58秒 | ジム練習

いったい登っているのか、と言われそう。
クライミング・ブログなのに、読書感想ばかり、と。
このところ、急に寒くなってきた。
そのせいか、腰が痛い。
年に一度はシリアスな腰痛となるので、要注意だ。
ベッドから起きるだけで、何分もかかったりするから、困ったものだ。

先日、高槻ジムに行った。
内容は次のとおり。
①ウォームアップ(黄色サーキット)・・・腰が痛いけど、せっかく来たから登ることにする
②正田マンの75手課題(金色テープ)・・・RP
③ルーフから始まる赤テープ(長もの30手)・・・失敗
④ルーフから始まる赤テープ(長もの30手)・・・やはり失敗したが、身体が軽いので、もう一度やってみよう
⑤ルーフから始まる赤テープ(長もの30手)・・・RP (よかった)
⑥前傾から始まる黄色テープ(長もの35手)・・・RP (これにて、金、赤、黄、ハットトリック成功・・・嬉しいので、記録しておく)
⑦今日、石井君が完成させたばかりの黒テープ(31手)前傾~ルーフ+這い上がり・・・RP(第2登)
以上、これにて終了。
ボルダー練習が出来なかったのが残念。(時間切れ)

*週末は3時間くらいの練習・・・350手くらい
*平日は30分くらいの練習・・・340手くらい
*時間があっても、無くても、結局この程度。

【言い訳】
週末は少し難しめの内容なので、どうしてもレスト&インターバルが長くなってしまう。
つまり、平日は簡単な課題を繰り返しているだけ・・・と。


「エヴリシング・フロウズ」津村記久子

2014年11月04日 21時40分30秒 | 読書(小説/日本)

エヴリシング・フロウズ 
「エヴリシング・フロウズ」津村記久子

面白かった。
予想以上に楽しめた。
中学3年のヒロシが主人公。(母子家庭)
周囲の人間関係・・・同級生、先生、大人たちも丁寧に描かれている。
日々の生活、将来への不安、受験への鬱屈。
何者にもなっていないけど、夢も失っていない年齢。
読んでいてリアルな感覚。
両親の離婚、いじめ、虐待・・・様々な問題が提起されている。

津村記久子さんと言えば、「ポトスライムの舟」が有名。
これで、第140回芥川賞を受賞された。
本作品を読むと、芥川賞というより、直木賞でもおかしくない。
また、普通に大人向けの小説としても面白いし、児童文学としても読める。
いろんな意味で、境界線上の作品と思う。
それにしても、このような作品を書かれるとは思わなかった。
嬉しい驚きだ。
「八月の青い蝶」(周防柳)とともに、今年度トップクラスの面白さであった。

PS
クラスメートのヤザワ君がひょうひょうとしていい味を出している。
中学生トップの自転車アスリート、って設定が良い。
女子生徒たちも個性が充実している。
絵のうまい増田。
ソフトボール部の野末と大土居。
他校の女子校に通っているフルノ。
会話が関西弁で進行するのも、ポイントが高い。

【ネット上の紹介】
クラス替えは、新しい人間関係の始まり。絵の好きな中学3年生のヒロシは、背が高くいつも一人でいる矢澤、ソフトボール部の野末と大土居の女子2人組、決して顔を上げないが抜群に絵のうまい増田らと、少しずつ仲良くなっていく。母親に反発し、学校と塾を往復する毎日にうんざりしながら、将来の夢もおぼろげなままに迫りくる受験。そして、ある時ついに事件が…。大阪を舞台に、人生の入り口に立った少年少女のたゆたい、揺れる心を、繊細な筆致で描いた青春群像小説。