十三人の刺客
2010年/日本
衣鉢を継ぐ者
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
まずは工藤栄一監督により制作され、1963年に公開されたオリジナルの『十三人の刺客』に関するレビューをいくつか書き記しておきたい。
「それまでの東映チャンバラが様式美で来たのに、リアリズムでやった。集団で、みんなくたくたになるまで戦って、最後はどっちが正しいのか分かんなくなってしまう。つまり、チャンバラに一種の政治性みたいなものを含ませたところが、あの頃の時代的雰囲気に合致していました。」(長部日出雄氏)
「この映画の封切は、1963年12月7日。当時小学生だった私は、見終わって興奮のあまり、天満宮から買ってきた御守刀をふりまわした思い出がある。ところが、この映画を見た人間は少なかったのか、その年の『キネ旬』のベストテン選出でも、たったニ名があげているにすぎない。その真価がようやく認められたのは、’60年代後半、学生運動華やかなりし頃、名画座でくり返し上映されてからである。その意味では“早すぎた傑作”といっていいかもしれない。」「それにしても、この頃、’63年前後に作られた時代劇のパワーは凄かった。六十年安保後の挫折の時代に時代劇は変革を余儀なくされ、各社とも試行錯誤をくり返し、“時代劇ルネサンス”とでも呼びたいほどの傑作、佳作群を続出させていた。『十三人の刺客』を見るにつけ、あの頃の活動屋のすさまじいばかりの気迫と裂帛(れっぱく)の気合いは、いま一体どこへ行ったのだろうと改めて思う。」(西村雄一郎氏)
共に『洋・邦名画ベスト150 中・上級篇』(文春文庫 1992.11.10)からの引用である。本書で『十三人の刺客』は1位に選ばれている。このようなエポックメイキング的な作品をまさかあの三池崇史監督が正統にリメイクするわけがないと予想はしていたが、前半部分のエログロと、後半部分の過剰に出没する明石藩の武士群と完全に刺されたはずなのに死なずに元気に山へ戻っていく木賀小弥太のふざけた演出を観た時、この作品が今という時代を反映しているのかも、最近になって尋常ではない数の時代劇映画が作られている理由もよく分らないために、‘あの頃の活動屋のすさまじいばかりの気迫と裂帛の気合い’の行方はいまだに分らないままでありながら、時代劇の興業成績が悪くないことを不思議に思ったのではあるが、ここに石井輝男監督の後継者がいるということだけは確信した次第である。時代劇として真剣に観なければ如何にもクエンティン・タランティーノが好みそうな、十分に楽しめるものに仕上がっていると思う。
「2位じゃだめなのか」蓮舫氏発言を痛烈批判 ノーベル化学賞の鈴木氏(産経新聞) - goo ニュース
ノーベル科学賞を受賞した鈴木章北海道大学名誉教授が蓮舫行政刷新担当相の
“2位じゃだめなんでしょうか発言”に関して「研究は1番でないといけない。“2位では
どうか”などというのは愚問。このような事を言う人は科学や技術を全く知らない人」
「もっと心配すべきは日本の質を高める事。それなのに2番目で良いなどというのは
論外だ」と厳しく批判している。蓮舫の真意は措くとしても鈴木教授の言葉を字義
通りに受け止めるならば、トップではなくて2位を目指す事など現実的には不可能で
あるし、トップ以外の成果は認められないのであるならば、そんな厳しい競争など
誰も参加しなくなるだろう。世界で2位というのもかなりの努力を要するはずだけど。