ナッシュビル
1975年/アメリカ
カントリーミュージック批判
総合 100点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
同じアメリカのカントリーミュージックを扱ってはいても、『ナッシュビル』には、例えばウィリー・ネルソン主演の『忍冬の花のように』(ジェリー・シャッツバーグ監督 1980年)やジェフ・ブリッジス主演の『クレイジー・ハート』(スコット・クーパー監督 2009年)のような‘懐古趣味’は見受けられない。そもそも‘Replacement Party(交替党?)’という謎の政党からアメリカ大統領候補になっているハル・フィリップ・ウォーカーのキャンペーン・カーから始まるところからただならぬ空気を醸し出す。
ベテランのカントリー歌手らしいヘヴン・ハミルトンは新曲の録音をしているのであるが、部外者のオパールに出て行くように命じ、下手なピアノ演奏者のフロッグに苛立ち、完璧なものを追求するためにとにかく厳しく、そのような彼の生真面目さは、カントリーミュージックと同じように取り上げられているゴスペルソングと共振し、最後になってその真意が分かる。
パルテノン神殿のコンサート会場はバーネットが求めていたものと異なり、完全にハル・フィリップ・ウォーカーの演説会場と化していたのであるが、仕方が無くバーバラ・ジーンに歌わせることにする。その時、ケニー・フレイザーがヴァイオリンのケースから銃を取り出し、バーバラ・ジーンを撃ち、周囲の人々たちに運ばれて行く。ヘヴン・ハミルトンも負傷し、ステージを後にし、彼らの代わりにマイクを持つのがウィニフレッドであり、彼女はゴスペル・コーラスと共に「It Don't Worry Me」を歌い続ける。それは作品が終わり、スタッフロールが流れ終わって、真っ暗な映画館の中でも流れ続ける。「It Don't Worry Me」とは「それは私を不安にさせない」という意味になると思うが、「それ」とはバーバラ・ジーンが撃たれた事件を意味し、「It Don't Worry Me」がゴスペル・コーラスに歌われるということは、カントリーソングとゴスペルソングの親和性を意味する。このような‘テロ’に対して、人々の気持ちを鼓舞するカントリーソングが政治に利用された結果の例として、「9.11」後のアメリカが思い出される。その時、決して姿を見せず、いつも安全な場所を陣取っている有力者のハル・フィリップ・ウォーカーが演説で語っていた「石油会社と戦い、農民への助成金を撤廃し、教会に課税し、間接選挙を廃止し、さらに国歌を変え、議会から弁護士を排除します」というかなりいい加減な公約が実現してしまう危険性を仄めかすのである。
加護亜依が号泣、自殺未遂騒動後初テレビ(サンケイスポーツ) - goo ニュース
2012年4月8日に放送されたフジテレビの特番「木村藤子スペシャル 気づいてほしい
明日のゆくえ」をたまたま見ていた。私は加護亜依よりも“霊能者”と呼ばれている木村藤子
が、自身の“霊能力”が疑われないように、なるべく相手から情報を受け取らないようにして
いたことが興味深かった。評論家の中森明夫は「なんで加護ちゃんがあんなインチキばばあ
に説教くらわなきゃいけないわけ オセロ中島を洗脳したという自称・霊能者をあれほど
叩いたのに、なんだこの番組は」と番組の作りを批判していたが、残念ながら今の加護に
来る仕事は、「世界に名を残したい」という本人の思いとは裏腹にプライベートを切り売り
するくらいしかないのが現状であり、木村のアドバイスは的確だったのだから仕方がない。