ありきたりの映画
1972年/フランス=イタリア
‘パレーシア’の確立
総合
0点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
『たのしい知識』と同じ1968年5月頃に撮られたと思われる作品が、本作『ありきたりの映画』である。主にナンテールの3人の学生とルノー社フラン工場の2人の労働者の議論を中心に、学生運動などのシーンが間に挿入されている。
『たのしい知識』において映画の可能性を突き詰めたジャン=リュック・ゴダール監督の‘答え’は、議論を繰り広げている登場人物たちが草に覆われてよく見えずカット割も使わないままただだらだらと撮られているというものだった。それは皮肉めいたタイトル「その他多数と同じような映画作品」に相応しく、時々挟まれる白黒フィルムで撮影されたアーカイヴ映像以外は、ラストで‘青’という文字で埋められた左側と‘赤’という文字で埋められた右側の‘攻防’くらいが唯一演出らしい演出である。5人の議論のテーマは虐げられている学生と労働者が協力してブルジョワジーと戦えるのかどうかなのであり、いわゆるミシェル・フーコーが唱える「力弱き者がその弱さにもかかわらず強き者の犯す不正義を批判する言説」である‘パレーシア’の確立なのであるが、多くの学生は卒業すればブルジョワジーに組み込まれるため、労働者と協調しにくい。要するに最後で言われるように美学と経済学次第なのである。
『たのしい知識』からの悪意のこもった極端な‘振幅’は素晴らしいのであるが、この作品そのものは全く面白くない。
時速50キロで走行か 無免許運転繰り返す? 亀岡・暴走事故(産経新聞) - goo ニュース
「心からおわび」無免許18歳容疑者の父親(朝日新聞) - goo ニュース
京都府亀岡市の府道で集団登校中の小学生らの列に軽乗用車で突っ込み、10人を死傷
させた事故を起こしておきながら、この亀岡市の無職少年は自動車運転過失致死傷と
道路交通法違反(無免許運転)だけが問われて、危険運転致死傷罪にはあたらないため、
どのように見積もっても懲役10年にも満たずに出所できるらしい。無免許ということで
故意の危険運転行為になるのかと思いきや、途中で亀岡市内のファストフード店に立ち
寄った以外は休憩をほとんどとらず、あてもなく一晩中ドライブをしていた事が“幸い”して
高度な運転技術を持っていることが証明されてしまうために、刑が軽くなるという倒錯が
生じてしまう理由は、クルマそのものが凶器になりうるから取り締まろうという根本的な
発想を日本経済を支えているクルマの利便性を理由に避けているからである。
ところで最初にインタビューを受けていた時に容疑者の父親が着ていたTシャツには
「FRUSTRATED」と書かれていたのであるが、まさか狙ったということはないと思うけれど。