MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『十一人の侍』 100点

2012-04-18 23:20:39 | goo映画レビュー

十一人の侍

1967年/日本

ネタバレ

仙石隼人の‘見通し’の甘さ

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 館林藩主である松平斉厚が狩りの最中に自身が乗っている馬の前にいた農民を殺してしまうのであるが、そこは館林藩領内ではなく、忍藩領内であったためにたまたまその様子を目撃していた藩主の阿部正由が注意したところ斉厚が矢を射り、その矢が正由の右目に刺さり、まもなくして藩主は絶命する。
 主君の仇を討つために仙石隼人を中心に暗殺部隊が結成されて、松平斉厚の命を狙うのであるが、何故かこの仙石隼人の‘見通し’が甘いのである。例えば、隼人の義理の弟である伊奈喬之助が詳しい事情も知らずに脱藩した隼人を詰り、遊郭にいた斉厚を単独で襲い、返り討ちにあってしまう。当然のことながら喬之助の‘暴走’を隼人は見通していなければならないと思うのであるが、事後に自分の認識の甘さを恥じるだけである。同様に、隼人の妻である仙石織江が、弟の不祥事の責任をとって自害することも隼人は見通せずに事前に止めることが出来ず、さらには水野越前守との話し合いで忍藩の存続が決まったことによる榊原帯刀の、斉厚の暗殺計画の中止の要請を隼人は最終的に受け入れてしまう見通しの甘さを露呈してしまう。
 もちろん見通しが甘いのは仙石隼人だけではなく、微細に隼人たちの行動を敏感に察知しており、嫌がる斉厚を早馬に乗せて館林に向かっておきながら、最後になって豪雨のためであるとはいえ房川で焚火をして休憩をとってしまった、館林藩家老の秋吉刑部にも見通しの甘さはあり、斉厚を仕留める時には刀で突くように部下に言っておきながら、いざラストで自分自身が斉厚と対面した時には、斉厚を切り殺し、まだ生き残っていた刑部に対してはお互いに刀で突くことによる相討ちで、皮肉にもこの見通しの甘かった2人が死んでしまう。彼らの見通しの甘さが個人的な資質によるものなのか、あるいは天下泰平の享保という時代によるものなのかは分からないが、グループに属さない浪人の井戸大十郎だけが生き残り斉厚の首を持って帰るというイメージはグループをまとめるリーダーが(本作が制作された1960年代後半には?)機能しなくなりつつある証明となるであろう。


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緊急情報システムの違い

2012-04-18 00:11:50 | Weblog

北ミサイル発射 公表遅れ検証 藤村・田中両氏が混乱原因(産経新聞) - goo ニュース

 今回の北朝鮮のミサイル発射は、13日の午前7時40分に、防衛省がミサイル発射の

熱源をとらえた米軍の早期警戒衛星情報(SEW)を受信し、7時50分に、統合幕僚長が

田中直紀防衛相に「米軍が飛翔(ひしょう)体を探知したが、ロスト(失探)」と報告し、8時

0分には再び統幕副長が「7時40分、何らかの飛翔体が発射。洋上に落下したもよう」と

報告していたようだが、正式報告後の8時3分に内閣官房の緊急情報システム・エムネット

が「我が国は発射を確認していない」と関係自治体や報道機関に速報していた。不思議な

ことに緊急地震速報はかなり予想をはずしておきながら、結構テレビを通して何度も

流して国民を大騒ぎさせているのに、何故今回のたった一度のミサイル発射の有無に

これほど逡巡したあげく、とりあえずの避難を呼びかけることもないまま、ほとんど意味の

ない事後報告と化してしまったのか 国防の自信の無さを世界に証明してしまった。


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