ガール
2012年/日本
‘落ちる’というアイデンティティー
総合 90点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
深川栄洋監督の去年公開された作品を振り返ってみるならば、『白夜行』は良かったものの、続く『洋菓子店コアンドル』と『神様のカルテ』はすっきりしなかったことは既に書いた通りで、今回の『ガール』の出来の良さを見るならば、深川監督は強い女性を撮ることに演出の冴えを見せるように思う。ここでは本作のクライマックスのモンタージュの素晴らしさを記しておきたい。
『ガール』のクライマックスは2つのシーンが交錯する。滝川由紀子たちが主催する読者モデル参加型のファッションショーにおいて一人のモデルにドタキャンされてしまうシーンと、我慢の限界に達した武田聖子が今井哲夫に‘ゲーム’を吹っかけるシーンである。
由紀子たちは代役として全くファッションに興味がなさそうな安西博子をモデルとして起用し、全身を隈なくコーディネートされた博子が、大勢の観客が待ち受けている会場に通じる下りエスカレーターに乗ったまでは良かったものの、途中で急に怖くなってエスカレーターを逆走し始める。由紀子たちの励ましで、ようやく観念した博子はやがてモデルとしての快感に浸ることになる。ここには‘落ちる’ことで‘ガール’としての自信を得ることが描かれているのであるが、‘ガール’としての立場を断固として守ろうとする武田聖子は今井哲夫にコイントスでどちらが仕事を辞めるか決めようと提案する。しかし男の今井は‘落ちる’コインにただ怯えるばかりで、最終的に上司と共に聖子に謝罪する。聖子が空中に放ったコインが落ちるシーンと博子がエスカレーターで‘落ちる’シーンが交互に現れるモンタージュは、何よりも‘落ちる’ことを恐れる男たちの社会の中で敢えて気取らずに‘落ちる’ことで‘ガール’の存在証明を試みる彼女たちの志を感じさせる素晴らしい演出だと思う。
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名古屋市在住の韓国人写真家である安世鴻が新宿二コンサロンで6月26日から7月9日
に予定していた写真展「重重 中国に残された朝鮮人元日本軍『慰安婦』の女性たち」が、
会場を運営する二コンの判断で中止されることになったらしい。二コンは「中止の理由は
『諸般の事情』以上でも以下でもない」としているが、10倍を超える競争率の中から写真家
や評論家ら5人によって正式に選ばれているものを、理由を明確にしないまま中止にして
しまっては落選させられた写真家も納得できないであろう。どうやらこの展覧会に関して、
インターネット上で、「反日捏造写真展は中止を」などと、二コン製品の不買や抗議を
呼びかける書き込みに屈して中止してしまったようであるが、まだ開催されてもいないものは
評価のしようがないのであるから、二コンは自ら表現の自由を放棄したと見做されても仕方
が無く、表現に対する強い意志が無い会社がカメラの新製品を作っても意味がないだろう。