ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン
2011年/アメリカ
‘男性’の影
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
本作の邦題はもちろん『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(トッド・フィリップス監督 2011年)を意識したもので、内容も男女の違いはあれ、婚前パーティがメインに描かれており、下品なギャグも織り込まれているのであるが、『ハングオーバー』のように笑ってばかりはいられないものだった。
主人公のアニー・ウォーカーは恋人と一緒に「CAKE BABY」という手作りケーキ店を開業したものの、潰れてしまった上に恋人とも別れてしまい、今は宝石店に勤めている。アニーにはセックスフレンドはいるが、一人で家を借りることも出来ないほどにお金に困窮しており、縁もゆかりも無い兄と妹の奇妙な兄弟とルームシェアをしている。アニーの母親は既に夫を亡くしており、アルコール依存症者たちのミーティングに出席している。
アニーの親友であるリリアン・ドノヴァンが結婚することになり、ブライズメイド(=花嫁介添人)を依頼されたアニーはリリアンの従姉妹のリタと、新婚のベッカと、花婿の太めの妹のメーガン・プライスと花婿の上司の妻のヘレン・ハリスと共に引き受けることにするのであるが、美人で金持ちのヘレンとは反りが合わない。リリアンのウエディング・ドレスを選ぶ日に、アニーは良かれと思って安めのブラジル料理店にみんなを連れていくのであるが、料理を食べなかったヘレンを除いて食中毒に見舞われてしまい、ヘレンの馴染みの超高級ブライダル・ショップ内で‘発症’してしまう。ヘレンの提案で独身最後のパーティーをラスベガスで行なうことになり、ヘレンの計らいでみんながファーストクラスを選ぶ中、金欠や飛行機嫌いの他にヘレンに対する対抗心も手伝ってアニーはエコノミー席を選んだものの、気持ちを落ち着けようと飲んだアルコールが却って災いして飛行機の窓の外に幻覚を見てパニックを起こしてしまう。
ブライズメイドを降ろされたアニーはさらに情緒が不安定になり宝石店も解雇されてしまう。ルームシェアしていた兄の提案でアパートからも追い出されて、母と一緒に住むようになる。ヘレンの豪邸で行われる花嫁に贈り物をするブライダル・シャワーでアニーはリリアンとの思い出の品を贈るのであるが、ヘレンはパリ旅行をプレゼントし、アニーとリリアンは大喧嘩してしまう。
結局、ヘレンのせいで自分自身の結婚式をまとめきれなくなったリリアンは逃げ出してしまい、ヘレンに助けを求められたアニーがリリアンを見つけ出して無事に結婚式は執り行われるのである。
このように筋をたどっていくならば普通のコメディなのであるが、彼女たちが苦しむ要因が何なのかを考えてみる必要があるだろう。
一見、貧乏人のアニーと金持ちのヘレンの諍いという典型的なストーリー展開なのであるが、そのお金の出所はどこなのか推測するならば、恋人と別れてケーキ店の経営に失敗したアニーと旦那が金持ちのヘレンという‘男’に行き着く。この女性同士の喧嘩の背後には男が絡んでいるのである。ただ男が絡んでいるだけではない。‘兄’からアパートを追い出されたアニーが助けを求める相手は結局、セックスフレンドのテッドではなく、ネイサン・ローデスという警官であり、ラストカットでメーガン・プライスの旦那が海洋保安官であることが明かされるように、彼女たちの言動は全て男によって‘管理’されているところが本作が暴露する真実なのである。
だから週刊新潮2012年6月7日号に掲載された文芸評論家の福田和也氏の連載「世間の値打ち」で、男性である福田氏はのんきに「下品だけれども『ブライズメイズ』に大爆笑!」していられるのである。
さらに福田氏は奇妙な理屈を展開している。独身パーティをテーマとした映画、ニール&ボブのイズラエル兄弟の『バチェラー・パーティー』(1984年)を名作とし、主役の花婿のリック・ガスコーを演じたトム・ハンクスの名前を挙げて、彼の出演作品の中で一番好きであることを明かしている。それは好みの問題だからかまわないのであるが、『ブライズメイズ』内で、アニーがトム・ハンクスが出演している『キャスト・アウェイ』(ロバート・ゼメキス監督 2000年)を見るシーンに関して、トム・ハンクスに対する‘挨拶’ではないのかと推察しているのであるが、アニーが泣きながら『キャスト・アウェイ』を観ている理由は、トム・ハンクスが演じる主人公のチャック・ノーランドが嵐による貨物機の墜落事故に巻き込まれ、無人島で一人で生きていかざるを得なくなった様子を、無人島で一人で生きているわけでもないのに主人公に共感できてしまう自分の境遇とダブらせたからであり、何故わざわざトム・ハンクスに、選りによって『バチェラー・パーティー』ではなく、『キャスト・アウェイ』を引き合いに出して‘挨拶’しなければならないのか全く意味が分からない。
さしこ移籍の瞬間と謝罪映像 19日放送(日刊スポーツ) - goo ニュース
2012年6月14日発売の「週刊文春」で、2008年から09年にかけて指原と付き合って
いたと暴露した男性について指原莉乃が“恋人”ではなくて“友達”だったと釈明しているので
あるが、そうなると“セックスフレンド”ではないのかと思うのだが、それはともかく今回の騒動
について茂木健一郎が2012年6月17日のツイッターで「指原莉乃さんとのプライベート
なことを、週刊誌に情報提供した『元カレ』の男は、人間として最低のクズだな。おい、お前が
暴露したのは、指原さんとのことではない。お前の『品性下劣』さを、世間に対して暴露した
んだ」とコメントしているのであるが、この男はあくまでも匿名であるのだから“品性下劣”さを
世間に対して暴露したところで何の問題もなく、寧ろこの問題に発言する茂木健一郎こそ
AKB商法に少しでも多く与ろうという“品性下劣”さ丸出しなのであるが、指原個人は
どうなるか分からないとしても、秋元康にしたらこれほどおいしいネタを提供してくれた男に
密かに感謝していることを脳科学者である茂木健一郎が気がつかないわけではあるまいに。