ハンガー・ゲーム
2012年/アメリカ
感情の‘貧しさ’について
総合 0点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
パネムという国家はキャピトルという裕福な都市と12の貧しい地区から構成されている。74年前の反乱戦争の罰としてキャピトルは各地区の12歳から18歳までの少年少女の中から男女一人ずつを選出し、殺し合いをさせる‘ハンガー・ゲーム’を科し、それをテレビで生放送することで12の地区の住人たちの感情のコントロールを試み、反乱を未然に防いでいる。
妹の身代わりとして、第74回ハンガー・ゲームに第12地区の女子代表として出場することになる主人公のカットニス・エバディーンのある行動を取り上げてみたい。カットニスは第11地区から選ばれたルーという黒人の少女と共に行動することになるのであるが、ルーはマーベルに殺されてしまう。その後、カットニスはルーの亡骸の周囲を花で埋め尽くして弔い、それをテレビで見ていた第11地区の住人たちが暴動を起こし、異例となるゲームのルール変更のきっかけ作りになるのであるが、つまりそれまで73回も行われているハンガー・ゲームにおいて敵対する相手を弔うことをする人物が一人もいなかったということになる。勿論12の地区の住人たちの感情も‘貧しい’という設定であるならば問題は無いのであるが、ゲームが始まるまでの長い人物描写にそのようなニュアンスは感じられず、結局、1人しか生き残れないと分かっていながら腕力のあるケイトーが数人と同盟を組むという不自然さと共に、登場人物たちの感情が上手く捉えられない。その上、カットニスやピータ・メラークに戦い方を教えるために、過去のハンガー・ゲームの優勝者であるヘイミッチ・アバーナシーが指導者として2人につくのであるが、勇者の面影は無く、戦いのトラウマによるアルコール依存症を患っているようで、カットニスでなくても勝ち残る意義が分からない有様である。
しかし続編があるようなのでそこで明かされるはずの詳細に期待を込めて評価は控えておきたい。
改造内閣が本格始動=田中文科相「尊敬される人つくる」(時事通信) - goo ニュース
田中真紀子文部科学相は「教育でどう人づくりをするかが全てのベースだ。尊敬される
日本人をつくる」と強調しているが、残念ながら世界で尊敬されている日本人のほとんどは
日本の教育制度の枠に収まらなかった人たちであることを新文部科学相は理解していない。
だから尊敬される日本人をつくるために文部科学相が出来ることがあるとするならば、
有能な人間を無理やり日本の教育制度の枠に押し込めようとして、才能を潰さないように
することだけなのであるのだが、自分の思い通りにならない人間を許さないのが田中真紀子
の気質であることを勘案するならば、ここも人選間違いであることは明らかである。