特集:ヤン・シュヴァンクマイエル短編集
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‘穴’とその‘埋め合わせ’
総合
100点
ストーリー
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キャスト
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演出
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ビジュアル
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音楽
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ヤン・シュヴァンクマイエル監督の作風は既に2作目で、1965年のカンヌ国際映画祭短編映画賞受賞作である『J.S.バッハ-G線上の幻想』から垣間見ることができる。それはオルガン奏者が上がる‘階段’のみならず、オルガンを演奏しようとした男の口にリンゴが嵌るシーンに顕著なように、ヤン・シュヴァンクマイエル監督はとにかく‘穴を塞ぐ’ことに拘りながら映像を作り上げていくからである。
それは1968年制作の実写の短編である『庭園』でも同様で、裕福な男の家を訪ねた友人が、男の家を大勢の人間の鎖で出来た‘柵’を見た際に、批判的でありながらも結局、‘柵’の一翼を担っていた人間が亡くなったために‘柵’に出来た‘穴’を埋めるために自ら‘柵’の一部にならずにはいられない様子からも伺える。
1970年制作の『ドン・ファン』は一見、‘穴’とは無関係に話が進んでいくのであるが、クライマックスにおいてドン・ファンが弟を剣で刺すことで弟の体に穴が空き、血が流れることで穴は塞がれる。そしてドン・ファンが殺害した許嫁の父親が墓穴から蘇り、ドン・ファンを墓穴に埋めることで復讐を果たすように、‘穴’とその‘埋め合わせ’はヤン・シュヴァンクマイエル監督の創作の源泉として機能し続けることになる。
岡田副総理、原発は慎重に検討=最悪の事態回避に「幸運」―福島事故(時事通信) - goo ニュース
岡田克也副総理は6日の三重県桑名市で講演で、東京電力福島第1原発事故について
「いろんな関係者が言っているが、これは(ある意味で)非常に幸運だった。最悪の場合は
東京圏も含めて汚染される可能性があった」と述べ、その後の記者会見で「幸運」と発言した
ことを問われ、「そういう事態になれば、福島ももっと影響が及んで、高濃度(の放射能)で
汚染されていた。現状もひどい状況だが、最悪の事態を考えれば幸運に助けられたという
こと。菅直人前首相も含め専門家も多くの人が(そう)言っている」と述べている。言葉尻を
捉えることは慎むべきだと思うが、“最悪の場合は”などと想定してしまえば、いくらでも
できてしまい、例えば、東京圏も汚染されていた場合は、「最悪の場合は関西圏も含めて
汚染される可能性があった」と言えてしまうのである。問題なのはそのように言うことで
どっちにしても最悪の福島県民があたかもそれほど最悪ではないように岡田が認識している
のではないかと福島県民に疑念を抱かせることなのである。