過去を逃れて
1947年/アメリカ
過去から逃れられない人々
総合 80点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
敢えてラストシーンから論を始めたい。主人公のジェフ・マーカムがニューヨークでしていた私立探偵を廃業して、カリフォルニアのブリッジポートという小さな町でガソリンスタンドを経営し静かに暮らしていた時に知り合った地元の住人アン・ミラーと親しくなり、一緒に暮らそうと約束していながら、キャシー・モファットと一緒に大金を持ってクルマで逃走していたことを、ジェフの葬儀の後に、彼のアシスタントを勤めていたキッドにアンが尋ねた際に、キッドがただ頷くだけだったことは、彼が耳の不自由な聾唖者であることから自然なように見える。もちろんキッドはジェフの想いを汲んで、ジェフは本当はアンのことを愛していたのだけれど、‘過去を逃れ’させるために、敢えて酷い男であったという烙印を押すことでジェフを忘れさせようとしたのではあるが、やはりジェフという男と関わったという過去そのものが消えるわけではない。
それならば、登場人物はみな‘過去を逃れて’という本作タイトルの試みに失敗したのであろうか? その後、ガソリンスタンドのジェフの名前に微笑みかけて頷いたキッドという少年は怪しい存在である。作品冒頭で、ジェフを訪ねてきたジョー・ステファノスがキッドに声をかけた時に、背後にいたジョーにキッドは気がつかなかった。キッドが耳が不自由であることを知ったジョーは、キッドは相手の唇を読むことが出来ることを知り、ジェフと内密の話し合いをしようとする時にも、2人を見つめていたキッドの存在を気にするくらいなのであるが、何故かジョーが気がつかなかったことが一つある。ジョーがくわえ煙草で話をしていたにも関わらず、キッドがジョーの言うことを理解していたという事実である。過去から逃れる方法は、最初からできるだけ他人と関わらないことなのである。
ギャングのウィット・スターリングに呼び出されて、ジェフが彼の邸宅に行き、ウィットに挨拶を済ませた後に驚きの顔を見せる。そのままカメラが左にパンをすると、そこにキャシーが立っているという演出が素晴らしい。
高級バイオリン、独財務省が返還命令も税関反発(読売新聞) - goo ニュース
税関などによると、430ユーロ(約4万3000円)以上の価値を持つ高額物品を欧州連合
(EU)域内に持ち込む場合には申告が必要だが、2人のバイオリニストは長年の慣例に
従って無申告で税関を通過しようとしたため、密輸などの疑いを持たれたらしい。例えば、
これが発展途上国の税関で起きた話であるならば、まだ理解できるのであるが、ドイツの
フランクフルト国際空港の税関での出来事であり、尚且つ財務省の指示で無償返還された
ことに対し、押収した税関当局の職員が、返還を決めたショイブレ財務相を「音楽家の脱税
行為を助けた」として脱税ほう助の疑いで検察当局に告発したというのだから呆れる。