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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『あやつり糸の世界』 70点

2013-01-25 23:32:23 | goo映画レビュー

あやつり糸の世界

1973年/-

ネタバレ

持て余すテーマの大きさについて

総合★★★☆☆ 70

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 事の発端は、サイバネティック未来研究所で行われたミーティングでの出来事で、そこの主任研究者のヘンリー・フォルマー教授が手鏡を取り出して、他の出席者の顔を鏡に写しながら意味不明の言動を繰り返した後に、感電によるものと思われる突然死を遂げたことである。更に不思議なことはヘンリー・フォルマー教授の死の様子を目撃したはずのギュンター・ラウゼが主人公であるフレッド・シュティラー教授と会話の最中に突然パーティーの席上から行方をくらまし、ラウゼ自身の存在自体がフレッド以外の誰の記憶からも抹消されており、ラウゼが行方不明になったことを伝えていた事件翌日の5月31日付けの新聞の記事さえもいつの間にか別の記事に差し替えられていたことである(新聞記者のルップによって記事の差し替えが発覚する)。
 以上の事件とは別に、サイバネティック未来研究所ではシミュラクロンと呼ばれるコンピュータによる仮想世界の研究が進められており、その研究を巡って研究所所長のジスキンスと鉄鋼業界を牛耳るハルトマンによる研究成果の私的利用の噂がたっており、当初、ルップはこの件を取材していた。
 この2つの問題を解決しようとフレッド・シュティラー教授がシミュラクロンにトリップを試み、そこでラウゼの姿を目撃したりするのであるが、フォルマー教授のみならず、研究所の心理学者だったハン・エデルケンの殺害容疑までかけられてしまう。シュティラー教授の秘書だったマヤもいつの間にか姿を消し、グロリア・フロムという女性がシュティラー教授の秘書に就いている。しかしここでメインキャラクターとなるのは、ジスキンスのスパイだったグロリアではなくて、エヴァと呼ばれる謎の女性である。シュティラー教授とエヴァの関係は謎のまま物語は進行するのであるが、第一部の最後でエヴァの苗字がフォルマーであることが明かされる。そうなるとエヴァはフォルマー教授の妻なのかと勘ぐってしまい、シュティラー教授とエヴァの関係は不倫なのかという疑惑がよぎるのだが、第二部の途中で、エヴァはフォルマー教授の妹であることが明かされる。しかしもはやエヴァがフォルマー教授の妻であるか、妹であるかということは、エヴァが‘上界’の人間であることが明かされどうでもよくなる。もちろん‘どうでもよくなる’という意味はエヴァの正体が徐々に明かされるプロットの巧みさを表す。
 2人の殺人容疑で追われ、森の小屋の中に潜んでいたシュティラー教授のもとにエヴァが訪れる。エヴァが乗っていることを知らなかったシュティラー教授はそのクルマを撃ち、エヴァに怪我を負わせてしまう。何故自分の居場所が分かったのか尋ねたシュティラー教授に対して、エヴァは‘上界’の存在をシュティラー教授に教える。それはまるでシミュラクロンに対する人間界のようなもので、そこではシュティラー教授と全く同じ姿でありながら傲慢な男がゲーム感覚で人間界を仕切っていることを明かし、自分はそこからやって来たのだとシュティラー教授に教えた後、森に駆け込んだエヴァは獣に変身してシュティラー教授を襲う。獣は銃で仕留めたものの、今度は突然大木がシュティラー教授に倒れてくる。間一髪で身をかわしたものの、シュティラー教授が身を隠していた小屋が大爆発を起こすのであるが、ここでもシュティラー教授は事前にクルマで逃れることが出来た。
 自分の名誉回復のためにストライキが行われているサイバネティック未来研究所にシュティラー教授自ら赴くものの、クルマのボンネットに乗った瞬間に銃で撃たれるのであるが、気がつくとシュティラー教授は別の場所に倒れており、そばにはエヴァがいた。何とシュティラー教授はエヴァによって‘上界’の‘シュティラー教授’と取り替えられたのである。シュティラー教授とエヴァが抱き合うシーンと、クルマのボンネットで倒れている‘シュティラー教授’を黙って取り巻く人々のシーンがモンタージュされながら物語は終わる。
 このようなSF作品が1973年に撮られたことは大いに評価されるべきだとは思うが、物語のテンポは悪く、決して分かりやすい作品ではない。例えば、第一部でシュティラー教授はタバコを吸おうと、通りがかりの女性に火を求めた時に、何かが爆発し、シュティラー教授は難を逃れたものの、女性は爆発物の下敷きになって死んでいるのであるが、シュティラー教授は女性を救出する素振りも見せず、ただ落ちていたライターを拾ってタバコに火をつけるだけでそのまま歩いて行ってしまう。もちろんこの唐突な爆発は‘上界’の‘シュティラー教授’による戯れであることは分かるのであるが、明らかに演出は間違っている。
 「クリストファー・ノーバディー」からゼノンのパラドックスを導き出すことにも無理を感じるが、ゼノンのパラドックスが本作にどのように関連するのかよく分からないし、タイトルの「あやつり糸の世界」というその‘あやつり糸感’が冒頭のタイトルバック以外には感じられない。
 ラストシーンもファスビンダー監督らしからぬ捻りの無いオチで、本作と同年に撮られ、‘多重人格’を扱っている『マルタ』と比較しても、かなりクオリティに差が生じてしまっている理由は212分という長編によるものなのか、あるいはテレビ映画という媒体によるものなのかはっきりしないが、さすがのファスビンダー監督の力量をもってしてもテーマの巨大さを持て余したように思う。


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噂のキンタロー。

2013-01-25 00:12:48 | 邦楽

AKB新曲、まゆゆ・珠理奈・ぱるるが新センター!キンタロー。共演にメンバー太鼓判(クランクイン!) - goo ニュース

 前田敦子のモノマネで大ブレークしているという噂のキンタロー。を初めて見たが、想像

以上のクオリティーの高さと、それに反比例するかのような他のAKBメンバーのモノマネの

クオリティーの低さに驚いた。ただせっかくの共演にも関わらず、「フライングゲット」の

コラボレーションは随分と短めで終わらせてしまい、どうせならフルコーラス歌わせれば

よかったと思う。それよりも私が「火曜曲SP」を見て不安に思ったことはゲストで出演

していた中島美嘉のことで、新曲の「初恋」は何とか無難にこなしていたが、2007年の

ヒット曲である「LIFE」の音程が安定しておらず、調子が余りよくなかったように思う。


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