原題:『JUDGE / ジャッジ』
監督:古波津陽
脚本:古波津陽/川手ふきの
撮影:柏崎佑介
出演:瀬戸康史/有村架純/田中壮太郎/平良和義/川手ふきの/西丸優子/佐藤二朗
2013年/日本
正当防衛の是非について
登場人物は、「オオカミ(憤怒)」の警備員、「ライオン(傲慢)」の女性タレント、「キツネ(強欲)」の自己啓発セミナー講師、「イヌ(嫉妬)」のベンチャー企業社長、「クマ(怠惰)」の引きこもりの男、「ブタ(大食)」のボランティアスタッフ、「ウサギ(色欲)」のキャバクラ嬢の7人である。
「オオカミ」と「キツネ」が残るまではルール通りと言っていいと思う。その後、突然、恐らく監視カメラで7人を見ていた人たちによる投票が始まり、お互いの数字を見比べながら状況が不利だと察した「オオカミ」は外した腕輪に付いている毒の針を「キツネ」に刺して殺してしまうのであるが、土壇場で票が逆転したようで、「オオカミ」が最後まで残ることが出来る。しかし再び「オオカミ」に関して罪があるかないかの投票が始まり、激怒した「オオカミ」はついにジャッジする機械そのものを壊してしまったようにしてようやく投票は終わる。
しかしその後、広場で6人が遊んでいる様子が映し出され、それを警備員である「オオカミ」が監視しているようなシーンで終わる本作は、結局、「オオカミ」自身が仕組んだ(空想の?)「遊び」だったようにも見えるのであるが、何を言いたいのか邪推するならば、正当防衛というものが正義なのか罪なのかといったところであろう。密室劇としてとても良く出来ていると思う。