原題:『Una giornata particolare』
監督:エットーレ・スコラ
脚本:エットーレ・スコラ/マウリツィオ・コスタンツォ/ルッジェーロ・マッカーリ
撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
出演:ソフィア・ローレン/マルチェロ・マストロヤンニ/ジョン・ヴァーノン
1977年/イタリア・カナダ
「特別な一日」の真意
改めて本作の「特別な一日」の意味を考えてみるならば、ラストにおいて、当時のドイツの国家元首だったヒトラーがローマにやって来た際に催された式典に出席した後に、興奮して帰ってきた夫のエマヌエーレにアドルフという名前の7番目の子供を作ろうとベッドに誘われ、最初は断ったものの、台所で『三銃士』を読みながら、その本をくれたガブリエーレが2人の男たちに連行される様子を見届けた後に、ガラス棚に本を置いてから、ベッドに向かうアントニエッタの心情を勘案する時、その時に身ごもった子どもは「アドルフ」なのか、あるいはたまたまゲイと性交渉してできた子どもなのか、イタリアの将来を左右する賭けのように見えるのである。