MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『サプライズ』

2013-11-14 21:30:10 | goo映画レビュー

原題:『YOU'RE NEXT』
監督:アダム・ウィンガード
脚本:サイモン・バレット
撮影:アンドリュー・パルメロ
出演:シャーニ・ヴィンソン/ニコラス・トゥッチ/ウェンディ・グレン/A・J・ボーエン
2011年/アメリカ

メッセージの方向性について

 原題は「次はおまえの番だ」という意味である。事件の真相が分かってくると、犯人が残していったこのメッセージの意図が分からなくなってくる。何故ならば主人公のデーヴィソン家の隣人を殺した際にこのメッセージを残した犯人の目的は、実は無差別殺人ではないからである。
 それならばこの原題は間違っているのかとなるとそうとも言えない理由は、誰でもデーヴィソン家のようなトラブルを抱えた隣人を持つ可能性はあり、警察官は当然のことながら事件を処理することが仕事であり、この物語の中では意図が曖昧なメッセージであっても、このホラー映画を観ている私たちにとって「次はおまえの番だ」という‘脅し’は有効に働くからである。


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晩年のターナーについて

2013-11-14 00:23:53 | 美術

パブロ・ピカソと同レベルの早熟さを見せるジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品展

が東京都美術館で催されている。例えば、上の作品は『ウォリスの岩壁付近のエイヴォン川

(The Avon near Wallis's Wall)』は1791年の作品で1775年生まれのターナーが16歳

の時に描いた水彩画で、天才と呼んでもおかしくない出来栄えである。問題なのは晩年の

作品に対する評価の仕方であろう。未完成の作品が多く残っているということは、もはや

作品を仕上げるだけの体力が残っていなかったように思われる。

『戦争、流刑者とカサ貝(War, The Exile and the Rock Limpet)』

『平和 ー 水葬(Peace - Burial at Sea)』

 しかし例えば、上の2作品は共に1842年にロイヤル・アカデミー展に出品された油彩画

で、ターナーが67歳の時の作品で、明らかに描写の精密さは失われてはいるが、逆に

神秘性は増しており、まるで1826年生まれのフランスの画家であるギュスターヴ・モロー

Gustave Moreau)の作風を先取っているように見えるのである。


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