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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『悪の法則』

2013-11-15 23:08:53 | goo映画レビュー

原題:『The Counselor』
監督:リドリー・スコット
脚本:コーマック・マッカーシー
撮影:ダリウス・ウォルスキー
出演:マイケル・ファスベンダー/ペネロペ・クルス/キャメロン・ディアス/ハビエル・バルデム
2013年/アメリカ・イギリス

「外国語」の重要性について

 結局最後まで黒幕が誰なのか明かされないことが本作を不評たらしめているようであるが、おそらく問題の本質はそこには無いはずで、主人公に「ロイヤー(Lawyer)」ではなく、「カウンセラー(Counselor)」と名乗らせておきながら、相手と全く「カウンセリング」出来ない原因は何なのかが描かれることになる。
 例えば、カウンセラーとの会話の折にヘフェが口にする「マチャード」とは、1898年の米西戦争の時に、アメリカに対抗するために「Generation of '98」という組織を結成した際に中心的役割を果たしたスペインの詩人であるアントニオ・マチャード(Antonio Machado)のことである。あるいは、カウンセラーが気がついた、壁に貼られたポスターに写っていた人物は、『砲艦サンパブロ(The Sand Pebbles)』(ロバート・ワイズ監督 1966年)で、一等機関兵曹のジェイク・ホールマンを演じたスティーヴ・マックィーンであるが、1926年に内乱が続く中国におけるアメリカ人と中国人との軋轢が描かれている。
 これらが何を意味するのか推測するならば、相手とコミュニケーションを取ろうとするならば、相手の母国語を理解しなければ無理であり、いくら「カウンセラー」としての交渉術を学んでいたとしても意味をなさないのである。だから本作における勝ち組は中国に行ってもすぐに中国語をマスターすると喝破するマルキナなのであり、スペイン語の部分が敢えて翻訳されていない理由も、理解出来ないならばスペイン語を勉強しろという挑発であろうから、不評なのはやむを得ないのかもしれない。


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ザ・ビートルズ「イエスタデイ」の和訳

2013-11-15 20:14:43 | 洋楽歌詞和訳

ポール・マッカートニー、2時間45分37曲熱唱「オオキニ!」(ORICON STYLE) - goo ニュース

 久しぶりにザ・ビートルズ(The Beatles)の「イエスタデイ(Yesterday)」を聴いていたら、

今まで気が付かなかった意外と複雑な心境が描かれていることが分かったので、改めて

補足説明を加えて日本語訳をしておきたい。

Yesterday (The Beatles)
イエスタディ (ザ・ビートルズ)

Yesterday all my troubles seemed so far away
(昨日、僕の全ての苦しみが遥か遠くへ行ってしまったように思えた)
Now it looks as though they're here to stay
(今はまるでその全ての苦しみがここに留まっているように見える)
Oh I believe in yesterday
(だから僕は昨日を信じるんだ)


Suddenly I'm not half the man I used to be
(突然、僕は以前のような中途半端な男ではなくなる)
There's a shadow hanging over me
(僕にまといつく影が現れたから)
Oh yesterday came suddenly
(昨日が突然やって来たんだ)


Why she had to go
(何故彼女は去っていかなければならなかったのだろうか)
I don't know she wouldn't say
(彼女が言うつもりで言わなかったことなど僕には分からない)
I said something wrong
(僕は何か間違ったことを言ってしまった)
Now I long for yesterday
(今、僕は昨日に恋焦がれる)


Yesterday love was such an easy game to play
(昨日、愛は遊びとしてはとても簡単なゲームだった)
Now I need a place to hide away
(今の僕には隠れる場所が必要だ)
Oh I believe in yesterday
(だから僕は昨日を信じるんだ)

 

 「イエスタデイ(Yesterday)」に対する複雑な想いとは、例えば、「昨日」は自分の苦悩を

忘れさせてくれたり、「娯楽」としての愛を思い出させてくれたりするから、「僕」は「今」よりも

「昨日」を信じようとするのだけれど、突然、「昨日」は自分を「大人」にさせて、「恋人」との別れ

を思い出させ、反省させ、「昨日」に戻ることを切望させるのである。このように「昨日」に対する

2つの面が的確な言葉で歌われる「イエスタデイ(Yesterday)」は名曲としか言いようがない。

Yesterday (With Spoken Word Intro / Live From Studio 50, New York City / 1965)


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