MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『フェルディナント・ホドラー展』

2015-01-03 00:46:07 | 美術

 現在、国立西洋美術館で催されているスイスの画家の『フェルディナント・ホドラー展』を

いつものように何の予備知識もなくダラダラと観ていたら、途中で作風が変化したように

感じて、どこから変わっているのか観なおしてみたら、どうやら1900年代に入ってから

変化しているように見える。その変化が一番よく分かる作品が、残念ながら今回の

展覧会に出品されてはいないのであるが、上の作品『春(Spring)』(1901年)で、

左の少女の描写はそれまでのホドラーの作風であるが、右側の男性の描写はまるで

ポール・ゴーギャンのような作風に変化しており、以後、ホドラーの人物画は

このタッチで描かれることになるのである。例えば、ピカソのように意識して作風を

変える画家ももちろんいるわけなのであるが、このように同一作品内で作風が変化

しているというのは無意識だったのではないかと想像し、何故このように作風が

変わってしまったのか詳細なことは知らないが、1900年前後にホドラーは壁画制作に

取り組むようになり、その影響が少なからずあるのではないのかと邪推している。


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