原題:『Sin City: A Dame to Kill For』
監督:フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス
脚本:フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス/ウィリアム・モナハン
撮影:ロバート・ロドリゲス
出演:ジェシカ・アルバ/ジョシュ・ブローリン/ロザリオ・ドーソン/パワーズ・ブース
2014年/アメリカ
グラフィカルな映像が物語の空虚さを補填しきれない作品について
前作『シン・シティ』(フランク・ミラー/ロバート・ロドリゲス監督 2005年)同様に本作の醍醐味は、過去のクライムサスペンス映画やホラー映画の「引用」とそれらの映像のブラッシュアップによるものであり、よって本作は必然的に生じる物語の空虚さを補えるほどの華麗なグラフィカルな映像の妙を楽しむのであろう。例えば、目の前にしながらロアーク上院議員を拳銃で撃ち殺すことができなかった主人公のナンシー・キャラハンが自分自身を追い込むために傷つけた自分の顔の傷が、まるで「あしたのジョー」の丹下段平の顔の傷ように見えたとしても、それはあくまでもブラッシュアップの賜物なのである。前作でナンシーの身を守るために、 ジョン・ハーティガン刑事が敢えて自殺してしまうという後味の悪い結末は本作でようやく解決されることになるのであるが、続編の公開が10年後というのは、『ホビット』シリーズ(ピーター・ジャクソン監督)の公開のインターバルが1年でも長すぎると感じる者としては余りにも長すぎる。