原題:『Love, Rosie』
監督:クリスチャン・ディッター
脚本:ジュリエット・トウィディ
撮影:クリスチャン・レイン
出演:サム・クラフリン/リリー・コリンズ/クリスチャン・クック
2014年/ドイツ・イギリス
「ボタンの掛け違い」の発端の呆気なさについて
主人公のロージー・ダンとアレックス・スチュアートは幼少の頃からの幼なじみだったが、今は不本意ながらロージーはアレックスとベサニーの結婚披露宴でスピーチをする羽目に陥っている。お互いに意識しながら絶え間なく起こる「ボタンの掛け違い」から12年間経ってしまったのである。
その「ボタンの掛け違い」の発端となった出来事は、ロージーの娘のケイティーと幼なじみのトビーとの「キス騒動」で明らかになる。不意にトビーにキスされたケイティーは外に飛び出してしまうのであるが、それを見ていたロージーとアレックスは当時の自分たちを思い出し、アレックスはケイティーに自分の本心を言わなければトビーは「愛の路頭に迷ってしまう」というようなことを助言する。何故かその時、アレックスはロージーが、彼女が18歳の誕生日にアレックスとキスをしたことを覚えていないことを知るのであるが、ロージーはかなり酔っぱらっており覚えていないことは分かってそうなもので、ここの演出には疑問が残る。一回のキスだけで12年間もこじらせてきた関係がラストで一気に解決することも唐突すぎて、原作ではこの後も物語が続くために仕方がないのではあるが、それまでの「ボタンの掛け違い」は一体何だったのかと思ってしまう。