原題:『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』
監督:高橋滋春/ウシロシンジ
脚本:加藤陽一
出演:戸松遥/関智一/小桜エツコ/朴璐美/梶裕貴/島崎遥香/片岡愛之助/志村けん
2014年/日本
思わず元ネタを詮索してしまう作品について
主人公の天野景太(ケータ)が腕につけていた、本作で最も肝心の「妖怪ウォッチ」を失くしたところから物語を始めるというのは劇場版第1弾としては悪くないと思う。
水木しげるの作風をポップにしたような世界観をベースに、「スーパージェッター」の腕時計型のタイムストッパーを思わせる「妖怪ウォッチ」を中心に、ケイゾウの憧れている「ガッツ仮面」が「月光仮面」であるならば、「ガッツ仮面」を支える敏腕助手であるケータの「少年ビート」は「まぼろし探偵」の富士進であろう。
別に昔のネタばかりではなく、60年前の世界にタイムスリップするところは『ドラえもん』のタイムマシンであろうし、クライマックスに現れる巨大なウバウネは『新世紀エヴァンゲリオン』の汎用人型決戦兵器を彷彿とさせる。要するに本作は「ホース(hose)」と「フォース(force)」の絶妙な組み合わせによって成り立っているのであるが、子供ならばともかく、大人としてはネタ探し以外に楽しみを見出すことは難しいように思う。