原題:『くるみ割り人形』
監督:増田セバスチャン
脚色:増田セバスチャン/船曳真珠/吉田淑恵/谷島正之
出演:有村架純/松坂桃李/藤井隆/安蘭けい/吉田鋼太郎/由紀さおり/広末涼子
2014年/日本
尋常ではない妹の愛の強さについて
あくまでも子供向けの物語であるから、批評は控えておきたいが、主人公のクララが「本当の愛」によって助けた人物が結果的に兄のフリッツだったというオチが、『アナと雪の女王』(クリス・バック/ジェニファー・リー監督 2013年)において主人公のアナが「真実の愛(True love)」によって姉のエルサを助けるというストーリーの枠組みとそっくりで、「本当」や「真実」の愛が男女のものではなく血縁者のものという設定が『くるみ割り人形』の方がおよそ35年早いのだが、よくよく考えてみるならば、子供向けの作品として観た時、まずは男女の愛よりも兄弟姉妹同士仲良くしましょうというメッセージの方が相応しく、『アナと雪の女王』などの「子供向け」の作品に関して多少誤解していたのかもしれないと思い至った。