MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『アンロック/陰謀のコード』

2018-05-06 00:52:11 | goo映画レビュー

原題:『Unlocked』
監督:マイケル・アプテッド
脚本:ピーター・オブライエン
撮影:ジョージ・リッチモンド
出演:ノオミ・ラパス/オーランド・ブルーム/マイケル・ダグラス/ジョン・マルコヴィッチ
2017年/アメリカ・イギリス

「レッド・スパロー」になれなかったCIA局員について

 監督はベテランのマイケル・アプテッド、主演はノオミ・ラパスで、さらに脇を大物の俳優陣で固めた本作は誰もが大きな期待を持って観に行くはずである。ところがこれが見かけ倒しの酷い出来なのである。
 例えば、時限爆弾の起爆装置を解除するために主人公が赤か青のどちらかのコードを切るというシーンがお馴染みのものになっている。それは観客に緊迫感を持たせるための「鉄板」の演出だからである。ところが本作は主人公のアリス・ラシーンが、マイケル・ダグラスが扮する敵方のエリック・ラッシュが手にしている細菌をばらまく起爆装置を奪い取ると、ギリギリのところでスイッチを切ってしまうのである。何と起爆装置に「オフ」のスイッチがついており、それまでもご都合主義的なものを感じてはいたのだが、ここで完全に白けてしまった。
 そもそもタイトルの「unlocked」とは「完落ち」という意味なのであるが、アリスは「完落ち」に失敗してCIAを辞めてケースワーカーとして働いているのだから、再び尋問官に選ばれる意味が分からない。どうしてこのような不完全な脚本が映画化されたのだろうか。


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