原題:『Peter Rabitt』
監督:ウィル・グラック
脚本:ウィル・グラック/ロブ・リーバー
撮影:ピーター・メンジース・ジュニア
出演:ローズ・バーン/ドーナル・グリーソン/サム・ニール/ジェームズ・コーデン
2018年/オーストラリア・アメリカ
販売員の「エキセントリックさ」の有効性について
マクレガー家の人間たちとピーターを筆頭とするラビットたちのダイナマイトや金網電流フェンスまで駆使した「仁義なき戦い」はアニメーションの限りでは笑って見ていられるのだろうが、「実写映画」として観るとブラックユーモアがなかなかきつい感じがする。それでもラビットたちの縦横無尽の躍動感は「実写映画」ならではの醍醐味ではあるだろう。
結局、主人公のビアはシュールで抽象主義の画家を目指しており、ラビットたちのイラストは小遣い稼ぎ程度のものだったのだが、ラストを見ると恋人のトーマス・マグレガーと共にそのイラストや絵本を売りにおもちゃ屋を開いて繁盛している。そして本当はピーターの言葉を解するトーマスこそがシュールな人間だったというオチが面白い。制作者が常識人で販売員がエキセントリックであるからこそ意外とモノが売れるのかもしれない。
本作で使用されていたザ・プロクレイマーズ(The Proclaimers)の「アイム・ゴナ・ビー(I'm Gonna Be (500 Miles))」は傑作と言ってもいい名曲だと思うのだが、どうも2人のヴィジュアルに難がある。しかしそういうヴィジュアルだからこそその歌詞に説得力があるのである。以下、和訳。
「I'm Gonna Be (500 Miles)」The Proclaimers 日本語訳
目覚めた時は
君の隣で目覚める男でいたいし
出かけるならば
君と一緒に並んで出かける男でいたい
酔っぱらう時には
君の隣で酔っぱらう男でいたいし
冗談を言うならば
君に冗談を言うつもりだ
でも僕は500マイル歩いて
さらに500マイル歩くことで
ちょうど1000マイル歩いた男になりたい
君の家のドアの前にたどり着くためにね
働くならば
君のために懸命の働く男でいたいし
それでお金が入れば
君に全てをつぎ込むよ
帰宅する時には
君がいる家に帰る男でいたいし
年をとるならば
君と共に年をとる男でいたいんだ
でも僕は500マイル歩いて
さらに500マイル歩くことで
ちょうど1000マイル歩いた男になりたい
君の家のドアの前にたどり着くためにね
孤独な時には
君がいないから孤独な男でありたいし
夢を見ている時には
君と一緒に過ごしている時の夢を見るつもりだ
出かけるならば
君と一緒に並んで出かける男でいたいし
帰宅する時には
君と一緒に帰宅する男でいたい
君と一緒に帰宅する男になりたいんだ
でも僕は500マイル歩いて
さらに500マイル歩くことで
ちょうど1000マイル歩いた男になりたい
君の家のドアの前にたどり着くためにね
でも僕は500マイル歩いて
さらに500マイル歩くことで
ちょうど1000マイル歩いた男になりたい
君の家のドアの前にたどり着くためにね
The Proclaimers - I'm Gonna Be (500 Miles)
しかしザ・プロクレイマーズの地元のスコットランドではかなり盛り上がるらしい。
Imagine Dragons - I'm Gonna Be (500 Miles) live at T in the Park 2014