原題:『GODZILLA 決戦機動増殖都市』
監督:静野孔文/瀬下寛之
脚本:虚淵玄
出演:宮野真守/櫻井孝宏/花澤香菜/杉田智和/梶裕貴/諏訪部順一/中井和哉/山路和弘
2018年/日本
ソクラテスとしてのゴジラについて
『ランペイジ 巨獣大乱闘』(ブラッド・ペイトン監督 2018年)の怪獣の派手な暴れっぷりを観た後に本作を観るならば、日本のゴジラの「動かなさ」に却って驚くのだが、アメリカのゴジラの「エンタメ性」と日本のゴジラの「哲学的」な傾向がここに表れていると思う。
動かないゴジラをよそに、主人公のハルオはゴジラを倒すためにナノメタルに同化することを提案される。つまり分かりやすく言い換えるならばトニー・スタークがアイアンマンに変身、より正確を期すならばブルース・バナーがハルクに変身したまま戻らないといったところか。ゴジラに対する人間としての「矜恃」を問うという意外な展開の結末を観客はもうしばらく待たなければならない。