2018年5月27日付毎日新聞の「『18歳成人』に思う」というコラムで、作家の下重暁子が「『幼児化』の風潮 改めて」というタイトルで寄稿している。一部、引用してみる。
「時代はますます親離れ、子離れができなくなっています。私が子どもの頃、高校の入学式に親が来るなんて恥ずかしいものでした。今や大学の入学式や卒業式にも親が来る。どうかしています。親世代が幼児化して子離れができないのです。」
この手の話を聞いていつも思い出すのが、かつて日本の首相も務めたこともある橋本龍太郎のことで、1963年の衆議院選挙で初当選した26歳の橋本は母親に付き添われて初登院したのである。つまり日本人が親離れ、子離れができなくなっているのは昔からなのである。
ちなみに「草食系男子」という言葉は今のものではあろうが、その概念は昔からあるもので、『恋のつむじ風』(鍜治昇監督 1969年)を観ればわかる。要するに人の記憶というものは本当に当てにならないものなのだが、何故か記録よりも記憶が重視されているのが今の安倍政権で、案の定混乱続きである。