MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

2018-05-13 00:20:59 | goo映画レビュー

原題:『Darkest Hour』
監督:ジョー・ライト
脚本:アンソニー・マクカーテン
撮影:ブリュノ・デルボネル
出演:ゲイリー・オールドマン/クリスティン・スコット・トーマス/リリー・ジェームズ
2017年/イギリス

「ソフィスト」としてのチャーチルについて

 ウィンストン・チャーチルは名前は聞いたことがあるくらいの認識なのだが、イギリスの首相に就任した当時は65歳で、キケロなどを引用する教養はあり、もちろんノーベル文学賞を受賞しているのだから頭は悪くはないのであろうが、酒豪でエキセントリックな性格で、よくこのような人が首相になれたというのが正直な感想である。「狂人には狂人を」といったところだろうか。
 作品後半になって国王ジョージ6世から支持を得た後に、初めて地下鉄に乗ったチャーチルは乗客たちと懇談してから議会に入り議員たちからも支持を得て、組閣メンバーたちを自分の意見に従わせるような流れを作る。どことなくすっ呆けた可愛げもあるチャーチルは要するにポピュリズムで自分の意志を貫いたように見えるのだが、イギリスが第二次世界大戦を乗り切れたのはあくまでも偶然であり、本来ならばハリファックス子爵が言うように平和交渉で打開策を図るべきだったと思う。
 字幕は悪くはないが、ところどころチャーチルの「ギャグ」を上手く伝えられていないと思ったが、これは仕方がないのかもしれない。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする