寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

正しい食生活は親の責任

2006年12月17日 | 日記
勘定をすませてお茶を飲んだ私は車を呼ぼうとした。暖簾を片付けた主人が「これからいい番組が始まるよ。ちゃんと受信料払ってるんだから利用しなくっちゃな」と言ってテレビをつけた。

“土曜フォーラム いま食育をどう進めていくか”というタイトルが映し出された。結局長居をすることになったが、有意義な時間だった。

「味覚は幼児期に形成されることが分かっている。料理の下手糞な親を持った子は可哀想だ」
「親は選べませんからね~、お袋の味を知ることなく袋の味に毒されて成長した人間ばかりを責められないですよ」
「中学生の段階で既に味覚の矯正は無理だよ。バカの一つ覚えで肉しか食わなかった奴が魚に鞍替えすることがないように(笑)」
「食い物をあえてA級B級とランクづけしたがる人にその傾向が強いように思います」
「ウチはそんなのが来ないから助かっているよ。来ても追い返して塩まくがね(笑)」
「一人で入る勇気もないでしょう。恐ろしくて来られない、ぬるま湯に浸かっている人は冒険しませんから」
「それに学習もな(笑)。まさにゆで蛙だよ」
「なりたくないな」

傘を差して家路についた。途中である料理人が放った台詞が頭に浮んだ。

「ガツガツ儲けようという心が強いと失敗する。そういうとこは仕入れ値の3倍で平気で出していた。不景気になってお客が減り慌てて半額セールをやった。一時的に店は賑わったが、元の価格にもどすとパッタリ来なくなった。その店は潰れたよ。お客は馬鹿じゃない、ぼられていたことを決して許さなかったんだ(笑)」

この話は今の音楽業界にも当てはまるな、と思い、顔が引きつった。

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何でもランキング 取り寄せ鍋(NIKKEIプラス1)

2006年12月16日 | 食材
取り寄せ鍋(読者が味比べ)のベスト10は西日本の圧勝だった(笑)。

京野菜鍋が1位と4位というのには首を傾げたが、その他については異論はない。東京の「すきやき」は7位だった。関東料理と胸をはるのであれば「牛鍋」の名を使って欲しかった。

割り下で肉を煮込むのは「すきやき」ではなく、「鍋」だ。誰が作っても同じ味になるのが受けたのだろう。その昔いろんな店で食べたが、どうも口に合わなかった。だから我が家のすき焼きは関西風だ。砂糖を減らして味醂の量を増やしている。肉をたくさん食べられなくなった今では「しゃぶしゃぶ」が好みである。

魯山人の「すきやき」は2パターンあって、前期は関西風で後期は「しゃぶしゃぶ」風である。歳を重ねるごとにこってりした味がくどくなるのはよく理解できる。昔と同じ量を食べるには調理法を変える必要がある。

長い関東暮らしを終えて故郷に戻ってきた当初は濃口醤油が前面に出た料理を作っていたが、今は薄口醤油(濃口よりは塩分が高くて色が淡い、しかも経済的)をメインで使っている。舌のリハビリに1年要した苦い過去が私にはある。

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シラサエビ

2006年12月15日 | 食材
地元ではこのエビをシラサと呼ぶ。クルマエビよりもポピュラーである。味も負けていない。鮮度の良いものはオドリで食うが、火を入れた方がはるかに旨い。私は塩焼きが一番好きだ。ミソの美味しさがよく分かるのはやはりこれだろう。

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豆菓子

2006年12月14日 | 日記

鎌倉まめやの菓子が好きで時々買い求める。間食はほとんどしないのだが、これは例外だ(笑)。オーソドックスなものから洋のテイストを採り入れたものまで品揃えは多い。

「大地の恵み 落花生」は試食して驚いた。千葉県産を使って控えめな甘塩で豆の美味しさを最大限引き出している。中国産は足元にも及ばない。旨味調味料の手を借りない豆を齧りながら、私は笑みをこぼした。

ほんまもんの落花生

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キャベツの煮びたし

2006年12月13日 | 家飯

甘みの強いキャベツは煮物に向いている。行平鍋にほんの少し油を入れて火にかける。ベーコンをじっくり炒めてから昆布だしを注ぐ。日本酒と醤油とみりんで味を調え、4センチ角に切ったキャベツを加える。クタクタにならないように強火でさっと煮る。

キャベツとベーコンの相性は抜群だ。生の数倍も食物繊維が摂れる。火を通すことで更に美味しくなり、しかもお腹にやさしい。和にこだわる人はベーコンを豚の三枚肉に置きかえればよい。

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ミルフィーユ

2006年12月12日 | 日記

フーシェのミルフィーユ。薄いパイ生地の間にバニラクリームを挟み、外側をスイートチョコレートで固めている。生地のサックサック感と上品な甘味のバランスがとても良い。

滅多に褒めない私が「すばらしい」と言った。フランスおそるべし。時代の流れと嗜好の変化に柔軟に対応できない和菓子屋が衰退するのは当然だ。新しいおいしさの追求をやめた店は近いうちに消えて行く運命にある。

ミルフィーユ(バニラ)

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慈姑(くわい)のシーズン

2006年12月11日 | 外食
今日はいやに暖かかった。燗酒をやめてビールで喉を潤した。疲れが一気に吹き飛ぶ。天然鯛のあら煮に箸をつけて、ピッチが上がった。目と唇の周りのゼラチン質、胸鰭の下の肉の美味さに舌がおどる。

次は何にしようかと考えている時、あるメニューが目に留まった。「慈姑の素揚げ320円」。これを食わないでどうする。即注文した。出てきたのはパチンコ玉クラス。塩の振り方が控えめでよかった。実に素朴な料理でほっとする味だ。

家で揚げる場合はピンポン球大の慈姑を使う。芽を落として皮をむき、3ミリの厚さにスライスしてサラダ油でかりっと揚げる。正月のおつまみの定番「慈姑チップス」は毎年大晦日に私が作っている。

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JEFF BECK / O'KEEFE MASTER Ⅱ

2006年12月10日 | 洋楽
1975年7月23日、カナダのトロントでは昼夜2公演が行われた。このCDは夜の方を収録、良質な隠密音源である。

昼の部よりは好調な出だしだ。勝手気ままに弾きまくるジェフ・ベック。音を外そうが、まったくお構いなし。即座に何事もなかったかのように修正を入れる。これが彼の凄いところ(笑)。

職人技がキラリと光る“Definitely Maybe”。ソロの途中で大きな歓声が上がっている。

マックス・ミドルトンのキーボードソロに続いて厳かに始まる“Cause We've Ended As Lovers”はミストーンが多く、イマイチな印象を受ける(昼の出来は悲惨だ)。

散々暴れた末に“Diamond Dust”で静の世界を展開し、清涼剤のような効果を見事に出している。後年発表するインスト“A Day In The Life”の源流を感じた。

O'KEEFE MASTER Ⅱ(Wardour-046)

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小鍋だて

2006年12月09日 | 外食

小フグの鍋をつつきながら、日本酒を飲む季節になった。フグの身と骨からは上質なだしが出る。この旨味を吸った野菜は全然別物に変わる。通常は白菜や長ねぎを使うが、水菜を入れてもおいしい。あのシャキシャキ感がたまらない。鍋の後は大概雑炊にしてもらう。これを楽しみにしている客は多い。

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煮しめ

2006年12月08日 | 食材
師走の飲み会ラッシュで年明けには胃がガタガタになっているはず。きつい酒とこってりした食材は体が受け付けない。そんな時に食べる煮しめは本当にうまい。昆布だしで里芋や人参を炊き、砂糖と醤油で薄味に仕上げる。これをつまみながら、アルコール分を適度に飛ばした燗酒をチビチビやる。鮮度の悪い刺身を我慢して食べるよりはずっといいし、体のためでもある。

受け継がれた煮しめの味

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銀色のタチウオ

2006年12月07日 | 家飯

1匹(大名おろし)300円強。豊漁の恩恵に浴する。頭寄りの肉厚な部分は生で、と言っても銀皮造りは苦手である。串打ちして皮目を軽く炙ってタタキ風にして食べるのだ。

細長い尾っぽには塩とコショウを振ってムニエルにする。片栗粉をまぶして太白胡麻油で焼き色をつけるだけ。この味にバターやレモンは要らない。

タチウオのムニエル

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宴会の後

2006年12月06日 | 日記
窮屈な座敷から解放され、外の冷たい空気を吸い込んだ。背後から私を呼ぶ声がした。

「どうだ、いっぱい?」
「んっ。すする方か…」
「すまん。ラーメン嫌いだったな」
「あんなものを有り難がって食うのは貧乏舌ぐらいだ。お前の奢りなら、なんぼでもつき合うぞ」
「相変わらずだな。じゃあ飲みなおすか」

表通りまで出てタクシーを拾い、駅前で降りた。古びたビルの地下にあるBarの重い扉を開いた。

マスターは「久し振り」と言って愛想笑いをした。オイルサーディンを缶ごと焙ってもらう。これにほんの少し醤油を垂らしたのは意外にいけるのだ。ワイルドターキーを舐めるように飲んでいた相棒が話しかけた。

「今年もあと3週間ちょっとか」
「年をとるにつれて1年が短く感じられますよね」とマスター。

私達は顔を見合わせて頷いた。その時Cannonball Adderleyの“Autumn Leaves”が流れ出した。ストロワヤをぐいっと飲み干し、オールド・ファッションドをオーダーした。

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真子も捨てがたし

2006年12月05日 | 食材

数日前、白子について触れたので、今日は真子のことを書こう。真子は霜降りにして、たっぷりの日本酒を鰹だしで薄めて、炊く。味つけは味醂と薄口醤油。針生姜を仕上げに加える。ポリ容器に移し、1日漬け込むと味が濃くなる。白子には劣るが、洒落たつまみになる。廃り物と関東では蔑まれるが、それは味を知らぬだけだ。重要なのは見てくれではない、中身だ。それは人間も同じだが。

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たこ焼きミュージアム

2006年12月04日 | 

‥「一口に、たこ焼きと言うが、実に奥深い」。七月に日本初のたこ焼きテーマパーク「大阪たこ焼きミュージアム」(大阪市)をオープンした住商アーバン開発の藤井啓史さん(42)は力説する。ミュージアムには代表的な五店が集まる‥「たこ焼き界のすべての系統を網羅した」。米ハリウッドを模したユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に隣接する商業施設ユニバーサル・シティウォークに位置する。もともとは園内と雰囲気を統一するため、アメリカンテイストあふれる飲食店を集めていたが、売り上げは芳しくなかった。コンセプトが正しくてもニーズがなければ仕方がない、と活性化策を任された藤井さんが行き着いたのは、「大阪なんだからコテコテでええやないか、との開き直り」だった。「雰囲気を壊す」と反対もあったが、ふたを開けてみれば、年間で五十万人を見込んでいた来場者は月間で十万人を超えるペースが続く。「たこ焼きはハリウッドのエンターテインメント性に通じる」が持論‥元気のない大阪経済の起爆剤になれば、との願いをたこ焼きに込める‥日本経済新聞・2006年12月4日・17面

この記事を読んでうれしくなった。大阪在住の友人の案内でたこ焼きミュージアムに入った日のことを思い出していたのだ。ユニバーサル・シティウォークの4階に上がり、友は「この店がおすすめ」と【芋蛸(いもたこ)】を指差した。

創作板前たこ焼「芋蛸」

Wスープの生地がウリの「9種類の味」を頬張って冷たいビールを流し込んだ。中でもあんかけが特に気に入った、これもありだと。こだわりのほんまもん!!という看板に嘘はない。

一日限定100食のたこ焼き


ユニバーサル・シティウォーク大阪
〒554-0024 大阪市此花区島屋6丁目2番61号
TEL 06-0664-3080
4F CITY SHOPS 営業時間 11:00~21:00(年中無休)
JR「大阪駅」から「ユニバーサルシティ駅」行き直通列車で約10分

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広島風お好み焼き

2006年12月03日 | 外食

久々に店でお好み焼きを食うことになってしまった。地元の人間はマンガを読みながら「肉・玉・そばダブル」とか「エビ・肉・玉・チャンポン」という風に注文する。チャンポンとは【うどん+そば】のこと。

私は「肉・玉・(野菜ダブル)・イカ天」にした。広島風は刻みキャベツの蒸し焼きをクレープと玉子の薄焼きで挟み込んだ粗末な食い物だ。キャベツの水分をジワジワと飛ばして甘味を引き出す。この時間を計ってみたところ10分だった。味の面では関西風に完敗だが、ヘルシーという一点では若干こっちに分があるか(笑)。

店によってはメジャーになったあのソースをたっぷり塗って、更に魔法の結晶をこれでもかと振りかけるから気が抜けない。ソースには充分すぎる旨味調味料が仕込まれている。私はこの愚行を何度も直前に止めさせたことがある。

皿で食う客は猫舌か、二度と来ないであろう旅人のどっちかだ。鉄板の前でコテをうまく使えないようでは店の者に小馬鹿にされる。

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