青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

如月・中塩田

2024年12月09日 17時00分00秒 | カレンダー

(塩田平、冬の夜@上田電鉄・中塩田駅)

2月。1月とか2月のうちは、クルマのタイヤもスタッドレスに変えて、どこかの路線の雪景色でも・・・というのが通例。そこら辺を狙って、「北陸フリーきっぷ(能登復興割)」を使って新幹線の敦賀開業直前の北陸路に行ったりしたんですよね。北陸だからね、それなりに雪景色なんかも見れるかなって思ってたんですけど、福鉄もえち鉄も雪なんか全然なかった。旅自体はそれなりに楽しかったんだけど、さすがにそこはかなりの拍子抜け・・・ということで、2月のアタマに長電に行ったついでに立ち寄った塩田平の冬景色を。長電も、山ノ内界隈にちょこっと雪があっただけでもの足りないことこの上なかったのだが。いやいや、北陸と甲信越でこんなに雪がないのなら、もうスタッドレスいらないんじゃないのかと。総体的な話をすれば温暖化ということなんだけど、本当の雪景色を見るのも楽じゃなくなってきましたねえ。2024~25の冬はエル・ニーニョでそれなりに寒く、降雪も多いという長期予報ですが、どうなりますでしょうか。

「上田ブルー」とも言える、独特の緑がかった薄水色。別所温泉・八木沢・そしてここ中塩田に残るレトロな駅舎は、「上田丸子電鉄」時代の面影。
あの頃と同じ色をした電車が、そっと夜のホームに滑り込みます。

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睦月・川間

2024年12月07日 10時00分00秒 | カレンダー

(川面に映る青空や@東武野田線 南桜井~川間)

早くも12月なので、恒例のカレンダー企画をぼちぼち始めてみることにするのだが、2024年はどうでしたかねえ。まあ、そもそも1月1日から能登半島の巨大地震が起こってしまったし、各地の自然災害は続いて東北や中国地方で鉄路の寸断は続くし、少子高齢化の中でのインフレと雇用状況の悪化で経営自体がままならず、いすみ鉄道は脱線事故に起因した全面的な路盤回収の必要があって長期運休中だし、やはり脱線事故から全線のレール補修で長期運休を余儀なくされた弘南鉄道は、長年存廃論議に揺れていた大鰐線の廃止を表明しましたよね。単なる乗客減の赤字困窮というこれまでの形とは異なり、働く側からのインフラの瓦解みたいなものが目立ってきて、鉄道を維持するための新たなフェーズに入って来たなあ・・・という感じも致します。JR東日本も、12月に入って2025年春以降の大規模な値上げを発表しましたが、とかく喧伝されるのが少子高齢化&コロナによる収益の先細りと、高騰するインフラ維持コストと従業員確保のための人件費増という四重苦。そもそも、JREなんかは社長自らが「いかに鉄道に依存しない収益体制を作るか」と言ってはばからないですからねえ。JR東日本も久留里線の末端区間の廃止を表明しましたけど、これは災害などの外的要因に因らない初めての廃線なんだそうですね。そういう「今までになかったこと」は、来年以降もボ-ダレスに次々と現れて来るであろう鉄道業界。「なくなる」とか「終わる」の話はこの趣味の常なので、したいことはさっさとしておいたほうがいいようです。

さて、2024年1月は・・・年末に撮りに行って消化不良だった東武8111Fを改めて追っかけて江戸川の鉄橋まで行ったんだっけかな。野田線も、新車の80000系の投入が発表されてますし、東武本社も「野田線は新車を入れて5両に減車」というのが基本計画なので、8111Fはあくまでそれまでの時間稼ぎでしょうからね。いついなくなってもいいように、しっかり撮り残しのないように撮っておくほうがよさそうです。

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霜月・山崎/師走・海芝浦

2023年12月30日 12時00分00秒 | カレンダー

(晩秋は黄金の輝き@玉野~山崎間)

11月。・・・というか正確には12月の初めである。このブログでは触れていないのだが、12月の初めに、愛知県は稲沢市(旧祖父江町)に「祖父江のイチョウ」を撮影しに行った。小田原から豊橋まで新幹線、豊橋からは勝手知ったる名鉄の「まる乗り1DAYフリーきっぷ」で一宮へ。名鉄の尾西線は、一宮から津島に向かう名鉄の中では非常に地味な路線なのだけど、この時期だけは文字通り黄金の輝きを見せる。山崎から森上にかけての沿線にびっしりと植えられたイチョウの畑のなかを走る真っ赤な名鉄電車。個人的に、紅葉の中でもイチョウの葉の色付き(黄葉ですが)というものが非常に好きで、この「祖父江のイチョウ」には何年か前から行ってみたいなあと思っていたのですよね。黄色と赤のコントラストが非常に美しく、素直に「来てよかったなあ」と思える一枚になりました。愛知県は日本一のギンナンの生産量を誇っているのだが、そのほとんどはこの祖父江地区で生産されたものであるらしい。ギンナンなんて、普通に生活していると茶碗蒸しに入っているくらいでしかお目にかからないですけど、ないと淋しいアイテムではあります。乾煎りにしたギンナンとか、塩を振って食べるとナッツっぽいコクがあっておつまみにもいいですよね。

12月。駆け足で振り返った2023年。12月になるとついこないだになるのだが、都内に出かけた帰りに、ふと夕景が見たくなって乗りに行った鶴見線。京急の花月総持寺から国道駅へ歩いて乗り換えたのだけど、普段の鶴見線とは明らかに異なる混雑・・・あ、そうか。鶴見線の車両、205系からE131系に変わっちゃうんで、お名残り撮影&乗車ってことなんでしょうね。個人的に、205系ってそこまで一生懸命に撮影する車両なんですかね・・・?という思いはある。仙石線に行けばまだ走っとるやないかい。何だか関西でフィーバーしていた和田岬線の103系の最後を見るような思いなのだが。あの時も「まだ播但線行けば103系走っとるやないかい!」って思ってましたものね(笑)。人が多過ぎて、正直「浸れる」感じもなかったけど、京浜工業地帯の運河の向こうに暮れて行く夕景の美しさ。これが冬の鶴見線の醍醐味か。

駆け足で振り返った2023年。こんな感じで自分なりにカレンダーを作ってまとめて行くことは、平成29年から始めているのでもう7年目になる。毎年の傾向を見ていると、行く場所がそんなに変わらないなあ・・・という感じもあるのだが、さすがにこの趣味もやってる年数が長くなってくると「自分が気に入った」場所にしか行かなくなるというのはあるな。それでも、今年も一畑電車みたいなちょっと遠めのご新規の開拓も出来たし、悪くない一年だったんじゃないかなと思いますけどね。一年を振り返るカレンダーづくり、あなたも、ぜひに。

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長月・美濃高田/神無月・宇都宮

2023年12月29日 17時00分00秒 | カレンダー

(彼岸花咲く、西濃の土手@烏江~美濃高田間)

9月。というか正確には10月の上旬なのだが、養老鉄道を訪問。8月のお盆過ぎから会社が忙しくなり、天候不順もあいまった9月はろくすっぽカメラを触っていなかったようだ。今回、改めて2023年の撮影成果のフォルダを眺めていたのだけど、いっちばん薄いのが9月なんですよね。連休2回もあったのに何があかんかったんだろうねえ。そうそう。この9月には5年連続で富山に行ってたんだよね。その記録も崩れてしまったんだよなあ・・・という9月の消化不良を抱えながらの養老鉄道。実は、そんなに積極的に行きたい!みたいな感じもなかったんです。富山になんとなく行きそびれて、その代替で訪問を決めたようなそんな感じ。それでも、近鉄や東急のオールドタイマーたちが活躍している姿を見るのは嬉しいこと。そう派手な味わいもないけど、大垣駅前の金蝶園で水まんじゅうも食べたし、薩摩カイコウズ街道で飛騨牛も買えたし、一日運用に入ってくれたラビットカー塗装の2連を追いかけては楽しい一日を過ごしました。

10月。最近部活に塾にと忙しい中学2年の息子を連れて、久し振りに横浜駅のMVで「休日お出かけパス」を叩く。向かったのは8月に新規開業した宇都宮ライトレール。半日間程度の滞在でしたが、息子と一緒に乗ったり降りたり。しっかり宇都宮ギョーザも決めた充実の日帰り旅となりました。約70年ぶりに開業した新設の軌道路線ですが、開業から3ヶ月弱で早くも乗客100万人を突破したという優良コンテンツとなりました。LRTによって宇都宮駅周辺の商業圏と、県のテクノポリス計画に基づいた工業団地群と、これに付随した新興住宅地域をうまく結節させたこと。LRTを入れればすぐ地方が活性化するわけではなく、導入までの長い間にじっくりと街づくりを続けていた宇都宮市と栃木県の勝利と言えるのではないでしょうか。宇都宮の例を見て、「LRT万能論」みたいな記事が平然と垂れ流されているのを見ると、いっぺん乗りに来てみたら?って思ってしまうんですよね。 

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文月・妙見ケーブル/葉月・秋鹿町

2023年12月27日 17時00分00秒 | カレンダー

(最後の夏を昇り降り@妙見ケーブル)

7月は、三連休を利用して久々の関西遠征を。朝一番の新幹線に乗って、初日は7年ぶりくらいに神戸電鉄を訪問。新開地のホルモン屋でビールを煽って翌日は北条鉄道→能勢電鉄と回った関西2days。そうそう、このブログでは北条鉄道までしか触れなかったんですけど、能勢電が動かしている妙見ケーブルが年内で営業を終える・・・と聞いて、んじゃあ行くかってことで午後の三宮から「妙見の森きっぷ」を持って向かったんですよね。宝塚線の急行って名前ばっかりの急行なんで、十三から川西能勢口って案外時間がかかってしまい、能勢電を山下で乗り換えて妙見口の駅に着いたのが午後遅く。妙見ケーブルに向かうバスはとっくに終わってしまっていた。汗を拭き拭きカンカン照りの里山の道を歩くこと20分、兵庫県と大阪府の県境を越えると、妙見ケーブルの黒川駅へ辿り着いた。一面の夏の深緑の森を、やじろべえの如く昇り降りするケーブルカー。山の風に吹かれながら取り急ぎ山上駅までの一往復。妙見の森に、ケーブルの擦れる音が聞こえた、最後の夏の思い出。

8月。夏休みの長期休暇。直前で切符を手配して向かったのは神話の国・出雲。一畑電車の撮影を中心に宍道湖や出雲大社、そして長年憧れていた温泉津温泉を訪れることが出来ました。まとまった休みが取れるのが毎年夏くらいなので、なかなか関東甲信越を飛び出せないんですけどね。往復が高速夜行バスの「スサノオ号」というハードな旅程を組んでしまって結構消耗。身動きが取れない夜行バスは片道だけでも良かったかなと。出雲だったらサンライズで!って思うところもあったんだけど、流石に夏休みに直前の予約でチケットを取れるほどは甘くありませんでねえ。二日間じっくり腰を据えて撮影した一畑電車からは、真夏を謳歌する秋鹿町の駅。宍道湖の青さもあいまって、素晴らしいロケーション。このロケーションに似合うのは、やっぱり一畑電車のイメージカラーであるオレンジをたっぷりと纏った最古参の京王5000系しかありません。本数は少ない平日の日中、レンタカーのエアコンをガンガンに効かせながら、ゆっくりとホームにやって来た電車を撮影したのでありました。

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