(画像:緑の風の中を)
3日のエントリでご紹介した「ひみつのきっぷ」。
今回のグッピー氏御接待に際して取得した切符は、「風っこ会津只見号」の乗車券。
このブログにも何度か登場してますよね、「びゅうコースター風っこ」。
気動車を改造した、風を感じるオープンエアなトロッコ風の車体が特徴。
木の椅子と白熱球の灯り、奥会津の緑の中を滑る。
深夜に東京を発った我々、積もる四方山話をしながら辿り着いたのは会津柳津駅。
奥会津の入口、柳津町の中心駅。
ひと月遅れの七夕飾りもかわいらしい、なかなか趣のある木造駅舎です。
周辺には柳津温泉や西山温泉、日本三大虚空蔵尊である円蔵寺などの観光地もあるのですが、
残念な事に一本を残してレールは剥がされ、駅員さんもおりません。
駅前広場の町営駐車場に車を止め、到着一時間前ではありますが列車を待ちます。
列車は会津若松からやって来るのですが、途中駅から乗車する我々のような客は少数派でしょう。
じっとりとしたどん曇りの蒸し暑い午前中、改札口の土間にバッタが一匹。
30分前になるとどこからともなく役場の人がやって来て、風っこを迎える準備を始めたのだが…
明らかに乗客より出迎えの役場の人間の方が多いのはご愛敬w
役場の人から麦茶なんぞをいただきつつ待つ事しばし。
会津坂下駅から駅長も到着し、降り出した雨の中「風っこ号」も到着しました。
キハ47を改造したジョイフルトレイン、鮮やかな緑色のカラーリングが美しい。
只見線は、越後の国の小出と会津の国の若松を結ぶ長大ローカル線。
一日に5本程度の辺境のローカル線ですが、鉄道ファンには実にこの路線のファンが多い。
春の桜、夏の燃え盛る緑、錦に染まる秋の紅葉、白く凍て付く冬の豪雪。
日本の四季をこれほどくっきりと車窓に表現する路線もなかなかない。
そして、その移ろいゆく四季を紡ぐのが車窓に寄り添う只見川の流れであります。
写真は只見川第一橋梁から。
最近の雨続きで濁ってるのが惜しい。本当は深緑色なんですけどね。
川は、左に行ったり右に行ったり。
そのたびに、乗客の目も左に行ったり右に行ったり。
只見川は、途中途中にダムを挟んでおり、普通の河川に比べると流れはほとんどないに等しい。
「たゆたう」と言う言葉が似合う穏やかな水面だ。
湖にも似た雰囲気の、広い川面の上を風っこ号が滑る。
時折突入するトンネルの冷気が、蒸し暑さを忘れさせてくれる。
この周辺は三島谷と呼ばれる長い谷あいの地形。
穏やかな流れは、落ち込んだ谷底に湿った空気を溜め込み、川霧が発生する。
早戸駅付近から眺めた只見川。
山並みは水面に溶け、薄くたなびく川霧のビロードのような景色は幻想的だ。
森を抜け、川を渡り、風っこ号が行く。
時速は40km程度だろうか。気動車特有のガリガリとしたエンジン音が山峡に響く。
音ほどには進んで行かないのがポイントだが(笑)。
会津柳津から約一時間、上井草橋が見えて来ると会津川口駅。
この列車はこの先の只見まで行きますが、我々の旅はここまで。
只見川の船着き場のような駅に到着し、我々も風っこ号を見送る事にしましょう。
さよ~なら~
これまでは撮ってばかりでしたが、乗ってみてもなかなかいいものですな。
車内にはストーブなんかも付いてたんで、あえて真冬に走らせても面白いかもw
ガリンコ号的なノリで(笑)。