青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

おふくろの味

2009年08月12日 22時54分38秒 | 日常

(画像:駅前食堂)

会津川口の駅で風っこ号を降りた我々。
ちょうどお昼時なのでメシでも食いましょうと言う事で、駅前食堂の暖簾をくぐる。

会津川口は只見線のだいたい中間に位置する駅。
この駅を始発着する列車も何本かあるように運転上の分岐点ともなる駅です。
奥会津方面…特に只見線沿線は奥に入れば入るほどコンビニの一軒も探すのは難しい辺境の地ですが、
金山町の中心に位置するこの駅前には、銀行や商店が国道沿いにこじんまりと軒を並べていたりする。

会津川口駅前食堂「おふくろ」。
この近辺を訪れるようになって何回目の事だろうか。
それまでは持って来たコンビニ弁当かパンなんかで食事を済ませる事が多かったんだけど、
この駅前食堂には、いつもお昼時はそれなりに車が止まっている。
割と流行っていそうな感じで気になって入ってみたんですね。

ラーメンとかカツ丼とかが中心で、そんな珍しいメニューはないですけど、
会津風と言うか喜多方風と言うか、すっきりしたスープのラーメンが美味しいのです。
駅前食堂らしいボリュームと、何となく居心地のいい座敷が気に入って、
以来お気に入りの店になっています。

いつもはこんな看板出てないんですけど、今日はおすすめメニューが。
風っこ号運転に合わせたスペシャルメニューなんでしょうかねえ。
11時半くらいに暖簾をくぐった我々、今日初めての客として座敷席へ。
私はスペシャルメニューのカツカレーミックスラーメンを。
グッピー氏はアザキ大根と言う地元産の大根を使ったつけ麺をオーダーしたのだが、
アザキ大根はシーズンオフで、普通の辛味大根になってしまうと言う事でした。
秋に収穫されるものであるらしい。

んで、カツカレーミックスラーメン。
顔が入りそうな大丼の中、ラーメンの上にカレー、そしてカツが乗っかっていた。
そして何と麺の下にはご飯が入っていたw
確かに「カツカレー」と「カレーラーメン」のミックスですね。
駅前食堂のカレーなんて、レトルトに毛が生えたくらいかと思って食ったら、
なんか異様に本格的な味で美味しいのである。
玉ねぎをしっかり炒めた香ばしい茶色のカレー。
これが会津風のすっきりスープに溶ける事によってさらに美味さは広がるのである。
あまりに美味くて写真を撮るのを忘れてしまったよw

グッピー氏のオーダーしたつけ麺も登場したのであるが、
ここで店主の妻らしき人物がセコンドのようにグッピー氏の横に。
何をするのかと思いきや、食い方を実に細かくレクチャーしてくるのであった(笑)。

「まずは何もつけないで麺を食べて下さい」
「で、今度は大根おろしをひと匙乗せて、醤油をかけて食べてみてください」
「次は、大根おろしをツユに付けて食べて下さい」
「次は(ry」

私はすっかりカレーの溶け切ったスープに沈んだご飯をスープカレーよろしくサラサラと食っていたのだが、
目の前に食べたいものがありながら、ここまで指図されるグッピー氏に正直同情を禁じ得なかったw
一緒にカツカレーミックスラーメン頼めば良かったのに…とも思った(笑)。
しかも、きちんと店主妻に指図された通りに食べてみせるグッピー氏も人がいいと言うか何と言うか。
演芸で「二人羽織り」ってあるじゃないですか。あんな感じですよw
自分だったら、「好きに食わせろや!」くらい言ってしまったかもしれんw

この旅から帰って、色々とネットを漁っていたらこんな記事を見付けたのは昨日の事。
ああ、間違いないですね。
グッピー氏をもてあそんだのはこのおばちゃんですw
アザキ大根を食べさせられなかったのが相当口惜しいのか、お勘定の時におばちゃんはお店の名刺をグッピー氏に渡してこう言った。
「秋口からなら食べる事出来ますから、またぜひお立ち寄りください!」
「でも突然来られてもやってるかどうか分からないので、出来れば電話をして欲しいんですけど…」

ん~、グッピー氏、熱意に免じて秋にでも行ってあげて下さいw
会津川口は遠いかもしれないけど(笑)。

錦秋の頃、再びグッピー氏とおばちゃんの二人羽織は見られるのか?
そして、おばちゃんがそれだけイレ込むアザキ大根とはそんなに美味いもんなのか?
それは神のみぞ知る、おふくろの味。

コメント
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