青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

「私鉄急行型」の愉悦

2020年05月13日 17時00分00秒 | 西武鉄道

(栄光のトップナンバー@西武4000系)

コロナ禍の真っただ中にあって、なかなか外へカメラを持って撮影に出るのもままならないのでありますが、そんなこんなで自粛オンリーのGWも終わりました。首都圏は緊急事態宣言が解除されていない、という事で子供の学校も始まりませんし、会社の勤務体系も変更されて変な休みが増えています。休みがあったって出掛けられるわけでもないから余計にストレスが溜まりますね。このまま梅雨に突入してしまうのでしょうか。

という事で、今日からは少し前に乗ったり撮ったりしたままHDDにほったらかしていた西武4000系のお話を。西武4000系ってーと、西武鉄道の車両の中でもだいぶ異端な感じがしますよね。赤青緑のいわゆる「ライオンズカラー」を身に纏う車両は、この車両と山口線のレオライナーくらいでしょう。昭和末期の製造らしく、そのころ大流行したブラックマスクで前面窓を大きく見せるタイプ。機器類は西武秩父線を中心とした山岳線区を走るだけに、大出力モーターであった西武101系のものを流用しております。

西武4000系は、奥武蔵や秩父方面を中心としたフィールドで活躍するクルマでありますので、観光需要に特化した2ドアセミクロスシート・トイレ付きのスタイル。あれ?ついこないだまでそんなクルマの話してなかったか?とお思いのあなたは勘が鋭い。はいそうです、東武の6050系と同じですよね。首都圏大手私鉄における「私鉄急行型」として、東武の6050系と並び立つのが西武の4000系。大手私鉄の「長距離急行列車」に供される両車種には、格別な旅情を引き立てる「何か」があるような気がして、趣味的にも注目している存在でもあります。

関東大手私鉄において、私鉄急行型として君臨する東武6050系と西武4000系。どちらもボックスシートにサイドテーブル付きと長距離向けの設えとなっています。西武4000系はかつては飲料の自動販売機が設置されていた時代もあったとかで、その名残りなのかサイドテーブルの下には今でもビン飲料用のセンヌキがセットされているんですねえ。「フタのカドをひっかけて ビンを下へこじる」という説明書きが何とも古めかしいのでありますが、このご時世、ビン飲料なんて冠婚葬祭の際のビンビールくらいでしかお目に掛らんですよね・・・それと、「こじる」という日本語は果たして令和の御世で理解されるのであろうか。小島瑠璃子のニックネームではないのだが・・・あ、漢字で書くと「抉る」と書くみたいです。今度どっかのコメ屋でビンのプラッシーでも買って来て、ここのセンヌキで盛大にこじってやりたいものです。

コメント
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