(妙高の雪代を背負って@夜間瀬~上条間)
山ノ内にて鯨の活躍を中心に撮影しておりましたが、合間合間にはHiSEの活躍もきっちりと。リンゴ畑の中をくねるように登って行く1000系、連接台車に短めの車体、カーブで見せる美しい曲線は小田急当時のまま。雪代を残した妙高をバックに、扇状地を駆け上がって行きます。私鉄特急車の譲渡事例としては、山向こうのお隣富山ではレッドアローや京阪ダブルデッカー、富士急行ではかつての盟友RSEなんかが活躍していますが、どれも平成初期のバブル時代かその前からの車両。JRではHiSEの同期かそれよりも若いE351系やE651系あたりの初期JR世代の特急車は既に引退してたりもするんですよねえ。バブルは遠くなりにけり、ですな。
もう小田急の本線からHiSEが消えて来年で10年。本線での引退に先んじる形で一部編成の譲渡から始まったHiSEの第二の人生ですが、すっかり長野電鉄のエースとして確固たる地位を築いた車両となりました。相州や箱根路を駆け抜けていたあの頃を想えば、今でもここ信州の地で「特別な列車」であることが嬉しい。一ファンとしても、信州での新たな観光特急としての活躍は、素敵な活躍の舞台を用意してもらったと感謝することしきりの思いがあります。長野駅で我先に展望席へなだれ込む親子連れの姿、そういう当たり前の風景が早く戻って欲しいもの。
夜間瀬川の河原柳の下を。長電レッドの塗色が北信の風景に映えます。先代の2000系特急車は新製から50年以上に亘って善光寺平を駆け抜けましたが、この車両もどこまで活躍してくれるのか・・・鋼製車ですし、経年50年がメドと考えればあと15年くらいなんですかね。その時は後継として何が来るのか。マッコウクジラの後継が同じ日比谷線の03系でしたから、同じ小田急から引退したVSE辺りが譲渡されたりするのだろうか(笑)。どんな車両にもいつか終わりは来るものだけれども、それまでの間は、素敵なセカンドライフをエンジョイしてもらいたいと思っています。