青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

霜月・親鼻

2024年12月27日 17時00分00秒 | カレンダー

(郷土の歴史を語る「赤」@秩父鉄道・上長瀞~親鼻間)

11月。先月のことなので改めて・・・というところなのだけど、西武秩父線の55周年を記念して突然登場した「E851形電気機関車塗装」の西武4000系にすっかりと心を奪われ、3種連続の秩父詣でを挙行してしまった。元々ね、西武秩父線ってのは正丸峠をトンネルで穿って首都圏と秩父を短絡するルートを建設することもそうだったんだけど、武甲山で採掘された石灰石から製造したセメントを出荷するルートとしての役割も大きかったわけです。横瀬町で操業している三菱鉱業セメントが、西武鉄道を通じて系列の三菱電機に発注したE851形電気機関車は、私鉄唯一のF級(動輪6軸)電機。セメントを満載した貨物列車を正丸峠を越えて牽引するため、国鉄電機なみのハイパワー&ハイスペックな仕様を備えた機関車でした。セメントの需要減少、トラック転換により残念ながら僅か30年弱でその活躍を終え、解体を免れた1機が横瀬に静態保存されるままとなっていましたが、このたびそのカラーリングだけが西武秩父線を走る4000系に復活。西武4000系自体も、来年以降に迫る前代未聞のサステナ計画(大井町線で走っている東急9000系による置き換え)によって余命が確定している中で、今後自分の中で厚めにケアしてかないとなあと思っていた要注目の車両ではあったんですよねえ。それがこんな斬新な形で郷土の歴史を語る色を纏って走り出すとは・・・

11月のデビューからその運用を追いかけて、動向を注目していたこの編成。秋となれば合わせたいのが、奥武蔵の山々の自然とのコラボレーションだったりするのですが、4000系ですからお楽しみはなんと言っても秩父鉄道への乗り入れ運用。土曜日に長瀞行きに入るらしいという情報を捕まえて、長瀞まで行くってんならやっぱりここは押さえなきゃなんないでしょう!ということで親鼻河原に陣取った。今年は遅めの進み具合だった紅葉シーズン。12月に入ろうかという時期に、レールの紅と山の紅が、大鉄橋を舞台にコラボしました。

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