(デハ101・春の日@西桐生駅)
西桐生駅にて、午前のデハ101展示会。地方私鉄の終着駅、小さなホームでの展示会なのでなかなか引きの絵が取れないのが悩みどころ。昭和初期に川崎車輌で作られた、いわゆる「川造型」の流れを汲む貴重な車両です。このクラスの古典車両がこの令和の時代に地方私鉄に動態で残っている事。同時期に製造された一畑電車のデハニ50型とかも構内の体験運転用で保存されておりますが、未だに本線走行が可能というのがデハ101の素晴らしいところでもあります。
デハ101の中央前橋側。こちらのサイドはパンタグラフと後付けの貫通路に渡り板付きで少し印象が変わります。こちらの方が旧型国電っぽいイメージになりますね。両運転台なので、南武線とか鶴見線で走ってたクモハ12とか、そういう感じ。
緑色のモケットが張られた木造の車内。木造の古いもの特有のスンとした匂いが鼻を突く。マスコンハンドルに残る「UESTINGHOUSE」の打刻、まだ国内の鉄道車両製造技術が未成熟だった時代の名残とも言え。そして昭和初期の車両らしい「非常弁」の書き文字。現在では非常停止ボタンに取って代わられていますが、昔はこんな保安装置がセーフティネット。尤も、乗客を乗せての営業運転は1970年代後半に第一線を退き、それからは専ら線内での貨物輸送の機関車代わりや、朝の大胡→中央前橋間のラッシュ輸送の助っ人として活躍していたらしい。
デハ101の車内を広角レンズのローアングルで。中吊りの広告も、その当時の時代のモノを下げていてレトロな雰囲気をいや増しにしている。何年か前にクラウドファンディングで大規模修繕を実施したとかで、吊り革や室内灯なども非常に美しく保たれています。前橋市のふるさと納税では、この車両の貸し切り運行権を返礼品の一つにしているのだそうですが、個人で貸切運行する場合も1往復10万円程度と聞きますので、比較的リーズナブルではないかと思いますねえ。20人集まれば一人5,000円。飲み会と変わらん。
見学会の途中で、ヘッドマークを装着されたデハ101。去年のモノかな。開業当時から、上毛電気鉄道の歴史と共に歩んで来た車両です。これまでも、これからもの思いを込めて。
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