青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

産業路線の面影。

2023年11月01日 17時00分00秒 | 養老鉄道

(養老の「実務面の」顔@西大垣駅)

養老鉄道の「顔」が養老駅なら、「実務上の顔」なのが西大垣駅。車庫への出入と乗務員交替のため、大垣~西大垣間の1駅だけの区間運転も多数行われます。駅前には日本有数の電子回路の基板製造を担う電子機器メーカー、イビデンの本社工場がありますが、イビデンも養老鉄道もルーツを辿ると「揖斐川水力電気」という電力会社を基にした同門の企業です。

桑名方に向かって左側にある養老鉄道の乗務区と西大垣駅本屋。相対式ホーム2面の真ん中に中線が入っていて、ここで大垣駅から一旦引き上げた編成が小休止したりしているシーンを見ることが出来ます。この中線は、かつては貨物列車が旅客列車を退避するために使用されたもので、かつては貨物輸送の盛んだった往時の養老線の姿を今に留めるもの、と言えましょうか。

昭和30年代に近鉄の名古屋線は改軌され、1435mmの広軌となった近鉄名古屋線ですが、養老線は、西大垣や美濃青柳のイビデン、駒野の紡績工場、桑名の住友セメントと国鉄との貨車の連絡輸送を長い間続けていた産業路線という役割もあり、改軌の対象にはなりませんでした。これは、道明寺線で国鉄との貨物受け渡しで繋がっていた河陽鉄道を始めとする大阪鉄道(現在の近鉄南大阪線)のグループと同じで、同様の理由で車両も近鉄南大阪線系統の車両を多く受け入れることになります。

養老鉄道、有人駅では必ず列車別改札と入線列車に対するホーム監視を欠かさない。ワンマンとはいえ全扉乗降なので、降車客の検札と言う意味も持っているようですが。現在は近鉄の本体とは切り離され、周辺自治体と「養老線管理機構」により運営されている養老線ですが、そこかしこの設備や職員の振る舞いなどには、かつての大私鉄・近鉄時代の残滓を見ているようでもあります。

「肉フェス」対応の大垣~養老間の臨時電車。この駅での交換がない場合は、大垣行きも桑名方面行きも駅本屋側の1番ホームに付ける様子。さっき養老駅で見かけたシナモロール号。行先表示板が下がっているところにも、シナモロールちゃんが掲示されています。


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