青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

防衛ライン、北へ

2020年11月07日 17時00分00秒 | 東武鉄道

(疾走!赤幕急行@東武日光~上今市間)

東武日光から下今市に向けての長い長い坂を駆け下りて来る区間急行の南栗橋行き。現在、全ての車両が南栗橋車両管区新栃木派出所に所属し、南栗橋以北のいわゆる日光ローカル及び野岩鉄道線の普通運用に従事している東武6050系。浅草口からの会津直通快速の任は解かれたものの、2ドアセミクロスシート・トイレ付きという「私鉄急行型車両」のフラッグシップ車両として北関東で健脚を奮っています。個人的に好きな車両なんで、ちょこちょことこのブログにも登場してる事はご存じかと思いますが、そんな6050系に何やら不穏な話がある事を聞きつけて、この度はるばる北関東まで有給使って行って来ました(笑)。

70000系の導入により日比谷線直通から撤退した20000系は、舘林の津覇車輛で4連に改造(20400型)され、2年前より東武宇都宮~南栗橋間の運用に就いていますが、先日11月から運用範囲が拡大され、東武日光・新藤原方面にも顔を出すことが発表されました。これまで特急以外はほぼ6050系の牙城であった新栃木以北への20400型の進出は、とりもなおさず6050系の4連運用(急行・区間急行中心に)の減少に他ならないのでありますが、南栗橋~東武日光のロング運用はあの赤いモケットのクロスシートと折り畳みテーブルがないと始まらないと思っているアタクシのような趣味者には非常にショックな話。20400型はロングシートだしトイレないし、車両設備的には改悪なんじゃねーの?という感じもあるのですが、まあ東武サイドも元々6050系は6000系の機器流用車が多く、デビュー30年を経て経年劣化が無視出来なくなってきた、と言うのはありそう。また、トイレ付き車両だと検車区で便抜きしなきゃいけないし、そのための入庫の時間も必要だし、清掃も管理も大変だからなるべく減らしたいという保守管理面の考えはあるのかもしれない。

浅草口を追われてからは南栗橋、20400型の配置によって新栃木とその防衛ラインを北に北に移して行く6050系。今までは新栃木以北・・・少なくとも下今市まで来れば6050系の楽園は約束されていたのでありますが、今回の日光・鬼怒川エリアへの20400型の運用開始により、これで来週からの最終防衛ラインは新藤原以北になります。新藤原以北ってそれってもう東武線じゃないやん・・・(笑)。朝は上今市駅周辺で撮影をしていたのですけど、基本的にあっちからもこっちからも6050系がやって来る。平日の朝、僅かな通勤客を迎えに山を降りてきた6153F。

東武の「日光快速」という伝統の正統継承者であった6050系。既に若干の廃車は発生しているものの、未だ多くの編成が残っており、両数的に「淘汰が始まったぞ!」と騒ぐにはまだ早いかなという気はするんですが、活躍のフィールドは徐々に切り崩されている事は間違いありません。昨今のこの趣味界隈のセオリーとして、引退前に大騒ぎする前に、先物買いで減少して行く形式を抑えていく事は常識となりつつあります。趣味者らしいイヤラシイ話ではありますが、好きな形式だからこそ元気な姿を写したい。運用減を前の駆け込み訪問は、そんな思惑もありました。色付いた杉並木公園の木々の脇を登って行く日光急行。赤幕に急行の白抜き文字も凛々しいですな。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 呉東の夕映え | トップ | つれなきリバイバル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

東武鉄道」カテゴリの最新記事