青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

還暦が運ぶ、成人の誉れ。

2024年01月20日 21時00分00秒 | 東武鉄道

(カッチリ駅撮りで・・・@春日部駅)

午後になってすっかりどん曇りを引き当ててしまったので、夕方便は大人しく春日部駅の大宮方で駅撮り。野田線の駅撮りとしては有名な場所だそうですが、島式ホームの広いところで割と安全に撮れるのでいいですね。この日も曇天にも関わらず白レンズ持ちの親子連れが撮影を楽しんでおりました。ホームドアの設置の進展や、撮影者の殺到による安全面や一般乗客への影響などの観点もありますし、そもそもの運転士氏の個人情報への配慮から、この手の駅撮りって文化も白眼視されてはいますけれども、まあ鉄道会社や一般客のご迷惑にならない範囲であれば・・・という気がしないでもない。最近の鉄道写真撮影は、「もう無理だよ」というキャパでも構わず撮影に飛び込む見境のない撮影者側の撮影態度に問題があって。オーバーフォトリズムですね。

8111F、沿線撮りではもう露出も望めないので、改めてゆっくりと「乗り」で味わってみる。車内の風景も、今風のドア上でインフォメーション用のビジョンがビカビカと情報を垂れ流しているというノリではなく、中吊りとか壁広告とかが似合いそうなそんな雰囲気。もっとも、車内の広告のスペースには東武鉄道の主催する野球大会の参加チームと結果みたいなのが貼られているだけで(だから「東武鉄道杯メモリアルトレイン」なんですが)、これで昔の「週刊新潮」とか「アサヒ芸能」とか鎌ヶ谷の霊園の広告みたいなのがぶら下がってればもっと雰囲気出たのかもしれません(笑)。と思いきや、車内の片隅の座席に放り捨てられていた「大宮競輪」の出走表!1月は開設記念やってんだね大宮競輪・・・こう、首都圏の外郭を回る電車は武蔵野線のみならずギャンブル電車的な側面があって、それもまた沿線のイロなのであるが、ネット投票全盛のこの時代に出走表使って現場で打ってるオッサンとか希少種なんで大事にして欲しいねえ・・・。

夕陽を浴びて走る電車と車内の風景。おりしもこの週末は、成人式の時期でもあった。車内を鮮やかに彩った振り袖姿が、ホームに花を咲かせる。還暦の長老が、成人式帰りの新成人を送り届けていた。ちょっと調子に乗ったスーツ姿の男連中に、ちょっと眉をひそめながら昔話に花を咲かせる女性陣。そんな光景も、東武沿線の時代の移ろいを眺めて来た8111Fならではの姿だろうか。「今は成人って18歳なんですよ」なんて長老に教えたら、驚くだろうな。


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