青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

投票用紙、届く

2009年08月18日 22時48分49秒 | 日常
本日衆院選が公示され、そして我が家にも投票用紙が届きました。
通勤で使う最寄り駅にも、毎日毎朝誰かしらが辻立ちに精を出している。

私の在住する地区…まあ神奈川県の某選挙区ですが、ここは「自由民主党の現職大臣」がいると言うある意味鉄板選挙区でございまして、当落と言う意味では全く面白みはございません。まあそんな鉄板候補者も急行の止まらない田舎駅である私の最寄り駅前で辻立ちをしているのを見掛けましてね。自分が票を差し上げなくても絶対当選する人だとは思うのですが、陣営にはそれなりの危機感はあるようで。

んで、今回の衆院選は「政権選択」と言うのがテーマになっておる訳です。
なんか世の中すっかりヨヤトーギャクテンみたいな雰囲気になってるのもおっかないかなあなんて思っている訳ですが。
個々の政党の政策はさて置いて、今回意外にドラスティックな与野党逆転は起こらないのではないかな、と言う感じがしている。
それもこれも、解散から40日と言う投票日までの長さである。
解散からワッと選挙になだれ込まれては、イメージに流されて「政権交代」の道を選ぶ人が多かったかもしれない。
しかし意外に長いこの40日の中で、個々の人間はそれなりに冷静な判断を下す材料を持って投票判断をする訳で。
下馬評では与党苦戦と言う話、そりゃそうなのかもしれないけれど、かと言ってよくよく考えてみればそれ民主党だッ!と手綱を預けるにはちーと心もとなくねえかあ?と半信半疑。そんな気を起こさせるには、40日間と言う日にちは必要十分かな、と。

与党=まあ自民党ですけど、解散権を保持して選挙戦を戦うに、世論の「浮かれ」な部分を落ち着かせるためのこの微妙な冷却期間。戦術としては実に上手いと思う。
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胎内回帰温泉

2009年08月15日 22時08分02秒 | 日常

(画像:行き止まりの温泉場)

先週の夏の禊旅、グッピー氏のホスト役として選定したお宿は、新潟県は魚沼市の栃尾又温泉。
上越線の小出駅から、山に向かって30分。
雨に濡れたアスファルト、ブナ林を背負った温泉場は、県道の行き止まりにありました。

自在館・宝巌堂・神風館とたった三軒だけの温泉街。
まるで明治の書生が長逗留して小説でも書きそうな雰囲気。
日本の温泉場、色々行きましたが、まだまだいいところはあるもので。

その中でも我々が宿泊したのが「神風館」と言うお宿。
栃尾又の三軒の中では価格は一番リーズナブルですかねえ(笑)。
古モルタルの外観がちょっと昭和チックですが、中は全くの日本旅館と言った感じ。
部屋に通されて、店主らしいおじいちゃんのお話をしばらく聞くも、
結局「ここはそんなに見るべきものはないから温泉入ってくれ」、とw

元々そのつもりだったので全く異存のない我々。
荷ほどきを終え、早速温泉に浸かりに行くとしましょうか。
栃尾又の三軒の旅館は、二か所の共同浴場をシェアしており、どこに泊まっても風呂は一緒と言うのが変わっている。
逆に言えば、宿の高い安いはともかく温泉に関しては平等なのだ(笑)。
それってお得じゃね?



渓谷の底まで、長い長い階段を降りてようやくたどり着く「したの湯」。
ここ栃尾又は体温程度のぬるい湯に長湯をするのが入浴スタイル。
東日本では珍しいラジウム泉で、51.4マッヘのラジウム(ラドン)が含まれているらしい。
微量の放射線物質ラドンが、細胞を活発化させるのだとか。
って、51.4マッヘってどんなもんかいな。
1マッヘってこれくらいですかね。
ってそれは1マッハやがな。

渓谷の緑溶け込む浴室。
白熱球一つの灯りの中で、栃尾又の湯客は眠る。
真ん中の木の切り株のような場所から、こんこんとお湯が流れている。
実際、寝るにはちょうど良い温度で、のぼせる事もなく冷たくもなく。
浴槽の淵の岩のくぼみに頭を乗せて、我々も眠る。
朝早かったですからね。

夕飯は部屋出し。部屋出しの食事=豪華なものを期待するなかれ。
一泊7,000円弱の旅館の夕飯である。
鄙と言うか素朴と言うか…
ナスとトウガンとタマネギの味噌汁とか、トロロ汁とか。
なんか帰省先のばあちゃんの家の夕飯みたいだわな(笑)。
ただ、名誉のために言っておきますが、一品一品はそれなりに丁寧に作られていて味はいいんですよ。
本当の湯治場メニューなんでしょうね。

栃尾又のお湯は、胎児に戻れない人間の羊水であると言われているそうです。
胎内回帰的な心地よさがあると言う。
確かに人肌程度のラジウム泉は、体に染み込むような穏やかさがあって良かった。
自分は、温泉好きな割に熱い湯が好きじゃないからねえ(笑)。

栃尾又温泉は、「国民保養温泉地」に指定されているらしいのだが、
その通りで、一泊で去ってしまうのは勿体ない感じはするね。
携帯電話も届かないので、精神が倦んだ時に逃げ込むにはいいかもしれません(笑)。

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会越絵巻

2009年08月14日 21時50分05秒 | 日常

あんまりクチャクチャ喋ってもしょうがないんで、土日の只見線沿線より。
橋と川、水と緑が織り成す景色は、どう撮ってもサマになりますな。
個人的には、猛烈な川霧を越える第四鉄橋&風っこ号がお気に入り。

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おふくろの味

2009年08月12日 22時54分38秒 | 日常

(画像:駅前食堂)

会津川口の駅で風っこ号を降りた我々。
ちょうどお昼時なのでメシでも食いましょうと言う事で、駅前食堂の暖簾をくぐる。

会津川口は只見線のだいたい中間に位置する駅。
この駅を始発着する列車も何本かあるように運転上の分岐点ともなる駅です。
奥会津方面…特に只見線沿線は奥に入れば入るほどコンビニの一軒も探すのは難しい辺境の地ですが、
金山町の中心に位置するこの駅前には、銀行や商店が国道沿いにこじんまりと軒を並べていたりする。

会津川口駅前食堂「おふくろ」。
この近辺を訪れるようになって何回目の事だろうか。
それまでは持って来たコンビニ弁当かパンなんかで食事を済ませる事が多かったんだけど、
この駅前食堂には、いつもお昼時はそれなりに車が止まっている。
割と流行っていそうな感じで気になって入ってみたんですね。

ラーメンとかカツ丼とかが中心で、そんな珍しいメニューはないですけど、
会津風と言うか喜多方風と言うか、すっきりしたスープのラーメンが美味しいのです。
駅前食堂らしいボリュームと、何となく居心地のいい座敷が気に入って、
以来お気に入りの店になっています。

いつもはこんな看板出てないんですけど、今日はおすすめメニューが。
風っこ号運転に合わせたスペシャルメニューなんでしょうかねえ。
11時半くらいに暖簾をくぐった我々、今日初めての客として座敷席へ。
私はスペシャルメニューのカツカレーミックスラーメンを。
グッピー氏はアザキ大根と言う地元産の大根を使ったつけ麺をオーダーしたのだが、
アザキ大根はシーズンオフで、普通の辛味大根になってしまうと言う事でした。
秋に収穫されるものであるらしい。

んで、カツカレーミックスラーメン。
顔が入りそうな大丼の中、ラーメンの上にカレー、そしてカツが乗っかっていた。
そして何と麺の下にはご飯が入っていたw
確かに「カツカレー」と「カレーラーメン」のミックスですね。
駅前食堂のカレーなんて、レトルトに毛が生えたくらいかと思って食ったら、
なんか異様に本格的な味で美味しいのである。
玉ねぎをしっかり炒めた香ばしい茶色のカレー。
これが会津風のすっきりスープに溶ける事によってさらに美味さは広がるのである。
あまりに美味くて写真を撮るのを忘れてしまったよw

グッピー氏のオーダーしたつけ麺も登場したのであるが、
ここで店主の妻らしき人物がセコンドのようにグッピー氏の横に。
何をするのかと思いきや、食い方を実に細かくレクチャーしてくるのであった(笑)。

「まずは何もつけないで麺を食べて下さい」
「で、今度は大根おろしをひと匙乗せて、醤油をかけて食べてみてください」
「次は、大根おろしをツユに付けて食べて下さい」
「次は(ry」

私はすっかりカレーの溶け切ったスープに沈んだご飯をスープカレーよろしくサラサラと食っていたのだが、
目の前に食べたいものがありながら、ここまで指図されるグッピー氏に正直同情を禁じ得なかったw
一緒にカツカレーミックスラーメン頼めば良かったのに…とも思った(笑)。
しかも、きちんと店主妻に指図された通りに食べてみせるグッピー氏も人がいいと言うか何と言うか。
演芸で「二人羽織り」ってあるじゃないですか。あんな感じですよw
自分だったら、「好きに食わせろや!」くらい言ってしまったかもしれんw

この旅から帰って、色々とネットを漁っていたらこんな記事を見付けたのは昨日の事。
ああ、間違いないですね。
グッピー氏をもてあそんだのはこのおばちゃんですw
アザキ大根を食べさせられなかったのが相当口惜しいのか、お勘定の時におばちゃんはお店の名刺をグッピー氏に渡してこう言った。
「秋口からなら食べる事出来ますから、またぜひお立ち寄りください!」
「でも突然来られてもやってるかどうか分からないので、出来れば電話をして欲しいんですけど…」

ん~、グッピー氏、熱意に免じて秋にでも行ってあげて下さいw
会津川口は遠いかもしれないけど(笑)。

錦秋の頃、再びグッピー氏とおばちゃんの二人羽織は見られるのか?
そして、おばちゃんがそれだけイレ込むアザキ大根とはそんなに美味いもんなのか?
それは神のみぞ知る、おふくろの味。

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Go with wind

2009年08月10日 21時51分18秒 | 日常

(画像:緑の風の中を)

3日のエントリでご紹介した「ひみつのきっぷ」
今回のグッピー氏御接待に際して取得した切符は、「風っこ会津只見号」の乗車券。
このブログにも何度か登場してますよね、「びゅうコースター風っこ」。
気動車を改造した、風を感じるオープンエアなトロッコ風の車体が特徴。
木の椅子と白熱球の灯り、奥会津の緑の中を滑る。

深夜に東京を発った我々、積もる四方山話をしながら辿り着いたのは会津柳津駅。
奥会津の入口、柳津町の中心駅。
ひと月遅れの七夕飾りもかわいらしい、なかなか趣のある木造駅舎です。
周辺には柳津温泉や西山温泉、日本三大虚空蔵尊である円蔵寺などの観光地もあるのですが、
残念な事に一本を残してレールは剥がされ、駅員さんもおりません。

駅前広場の町営駐車場に車を止め、到着一時間前ではありますが列車を待ちます。
列車は会津若松からやって来るのですが、途中駅から乗車する我々のような客は少数派でしょう。
じっとりとしたどん曇りの蒸し暑い午前中、改札口の土間にバッタが一匹。
30分前になるとどこからともなく役場の人がやって来て、風っこを迎える準備を始めたのだが…
明らかに乗客より出迎えの役場の人間の方が多いのはご愛敬w

役場の人から麦茶なんぞをいただきつつ待つ事しばし。
会津坂下駅から駅長も到着し、降り出した雨の中「風っこ号」も到着しました。
キハ47を改造したジョイフルトレイン、鮮やかな緑色のカラーリングが美しい。

只見線は、越後の国の小出と会津の国の若松を結ぶ長大ローカル線。
一日に5本程度の辺境のローカル線ですが、鉄道ファンには実にこの路線のファンが多い。
春の桜、夏の燃え盛る緑、錦に染まる秋の紅葉、白く凍て付く冬の豪雪。
日本の四季をこれほどくっきりと車窓に表現する路線もなかなかない。
そして、その移ろいゆく四季を紡ぐのが車窓に寄り添う只見川の流れであります。
写真は只見川第一橋梁から。
最近の雨続きで濁ってるのが惜しい。本当は深緑色なんですけどね。

川は、左に行ったり右に行ったり。
そのたびに、乗客の目も左に行ったり右に行ったり。
只見川は、途中途中にダムを挟んでおり、普通の河川に比べると流れはほとんどないに等しい。
「たゆたう」と言う言葉が似合う穏やかな水面だ。
湖にも似た雰囲気の、広い川面の上を風っこ号が滑る。
時折突入するトンネルの冷気が、蒸し暑さを忘れさせてくれる。

この周辺は三島谷と呼ばれる長い谷あいの地形。
穏やかな流れは、落ち込んだ谷底に湿った空気を溜め込み、川霧が発生する。
早戸駅付近から眺めた只見川。
山並みは水面に溶け、薄くたなびく川霧のビロードのような景色は幻想的だ。

森を抜け、川を渡り、風っこ号が行く。
時速は40km程度だろうか。気動車特有のガリガリとしたエンジン音が山峡に響く。
音ほどには進んで行かないのがポイントだが(笑)。

会津柳津から約一時間、上井草橋が見えて来ると会津川口駅。
この列車はこの先の只見まで行きますが、我々の旅はここまで。
只見川の船着き場のような駅に到着し、我々も風っこ号を見送る事にしましょう。

さよ~なら~

これまでは撮ってばかりでしたが、乗ってみてもなかなかいいものですな。
車内にはストーブなんかも付いてたんで、あえて真冬に走らせても面白いかもw
ガリンコ号的なノリで(笑)。

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