青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

大久保斜光

2015年12月11日 23時22分59秒 | 小湊鐡道

(黄色の絨毯踏みしめて@上総大久保駅)

小湊を撮りに行くと、だいたい動くのは上総牛久~上総大久保までの間が多いです。この先にも線路はありますが、あまり撮る場所がないような…上総大久保の駅は、県道から少し引っ込んだ場所にあり山峡の雰囲気が。駅から西には山に囲まれた小さな盆地状の田園風景が広がって、見る者の目を和ませる。この駅の前にも銀杏の木が夫婦のように2本立っておりますが、久保や高滝に比べて標高が高いせいか既にほとんどの葉を散らしていました。


葉を散らし、少し寒々しい姿の大久保の夫婦銀杏の向こうから、築堤を回って午後の中野行きがやって来ました。中野まで行く列車は平日6往復、休日5往復ですから貴重な列車です。以前はこの駅の近くに市原市立の小学校がありまして、この時間ならば下校中の子供たちがホームにいたはずなのですが。


大久保にあった白鳥小学校は里見にある中学校に統合され、加茂学園と言う小中一貫校になりましたが、房総地区の少子化、高齢化、過疎化も結構無視できないレベルのような。この統合により発生した小湊鉄道での通学需要が、増発と里見駅の交換設備復活を呼び込んだと言うのも皮肉なものです。

早くも里山の影が伸びた大久保の駅。本当にこの日は夕方までいい天気だったなあ。
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久保傾陽

2015年12月08日 22時15分38秒 | 小湊鐡道

(太陽西に傾いて@上総久保駅)

午後になって上総久保の駅に再び戻って来ました。日の暮れるのが早い時期ですから、おやつの時間でも早くも日は西に傾いておりまして…この日は朝から風の強い日でしたんで、朝と比べるとさらに葉が落ちたように見受けられる久保の大銀杏。順光側の葉付きは少し寂しいものになっていましたが、午後の下り列車がゆっくりと久保の駅の単式ホームにやって来ました。房総は押しなべて稲の刈取りが早いので、手前の田んぼがひこばえで思いのほか青々としているね。


久保から鶴舞にかけて、養老川の刻む緩やかな谷を降りてゆく五井行きの上り列車。さっき久保で出会った下り列車とは里見の駅で交換して来るんですが、平日のこの時間は里見にある小中学校の下校時間と重なるので、列車を利用するのは通学の子供たちが主役でしょうか。西日は傾き、開いたススキの穂が輝く中を、子供たちの声で若干賑やかそうな列車が通り抜けて行きました。
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高滝遠望

2015年12月07日 22時28分39秒 | 小湊鐡道

(ダム湖の街を見下ろして@高滝駅)

小湊鉄道の沿線、特に上総牛久以南は結構何度も行っているせいか撮る場所取る場所が決まってしまってマンネリなカットになりがち。時間もあったんで、クルマでどこか新しいアングルがないかと探していると、高滝駅と街を見渡せる小さな俯瞰場所がありました。そんな大した絵が撮れる訳でもないですが、ホーム脇の桜の古木の並び方を見ると、桜の時期にはいいアングルになりそうだねえ。


高滝の街は、高滝湖に突き出した半島のような形をしておりまして、その中に集落と鎮守である高滝神社がある。高滝神社は古い文書に名前を残す県内でも由緒ある神社で、正月の初詣時期には小湊鉄道も初詣列車を運行したり。他にも夏の花火大会やマラソン大会などで地味に多客対応があったりするのがこの高滝湖周辺ですが、この小俯瞰からはそんな市原市民のレクリエーションの場所である高滝湖と高滝ダムのダムサイトを遠望する事が出来ました。あんまり高滝湖と小湊鉄道って絡めて撮れる場所ってないんですよねえ。
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里見晩秋

2015年12月06日 23時37分03秒 | 小湊鐡道

(ゆるりと回るSカーブ@里見駅付近)

里見駅の南側、ちょうど線路が県道に沿いながら神社の前をSカーブするポイントがあるのですが、ここの大山祇神社の鳥居を囲むように2本の銀杏の木があります。この銀杏は比較的色付くのが早いのか、上の方のおおかたの葉っぱは散ってたんで、構図は葉の残っている部分を中心に…。鳥居を囲む銀杏の葉が線路に黄色の参道を作っている向こう側から、ゆるりとSカーブを回って小湊のキハがやって来ました。


引きつけてもう一枚。小湊のキハ200は、シンプルなカラーリングと実用性重視のこれまたシンプルな表情をしているのだが、いつ見ても見飽きないと言うか、沿線を取り巻く風景に優しく溶け込んでいる。元々が国鉄のキハ20系列をモチーフにして製作された車両だそうで、今でも小湊の主力車両である。あ、先日里山トロッコ列車として機関車と客車がデビューしましたけど、いきなりデビュー5日でぶっ壊れた(笑)。そう思うとキハ200の丈夫さと長命さは特筆すべきものであるなあ。
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鶴舞秋感

2015年12月05日 08時06分17秒 | 小湊鐡道

(1日2便のバスが待つ@上総鶴舞駅前)

ここも大銀杏が美しい上総鶴舞の駅前。上総鶴舞の駅は、大多喜街道(国道297号線)沿いに駅前広場を持ち、小湊鉄道バスの停留所があります。駅前から発車するバスは茂30系統の茂原駅南口行きですが、平日が朝夕2便、土休日が朝の1便のみと極めて少ない。駅の利用者数からしてやむを得ない本数ではありますが、こうして駅前にバスが止まっているのも極めてレアな風景ですね。実際初めて見たし(笑)。

  

「関東の駅100選」に認定され、その「田舎の駅」然とした佇まいからCMやドラマなどでもよく使われる上総鶴舞の駅。確かに日本人の心象風景に溶け込むような懐かしさを持っている感じがするのでありますが、その一つはこの駅のホームから見た養老渓谷方面の風景にあると思う。緩やかにカーブするホームから、田園の向こうに果てしなく伸びて消えて行くような線路。何だか物語的な雰囲気がありますよね。


駅から田んぼのあぜ道を歩き、その線路の向こうを見に行ってみる。線路は右カーブから4種踏切を抜け、緩く丘を下って上総久保の駅へ向かっているのだが、この秋空と大地の拡がりは何だか北海道のようだ。一応列車を入れたカットも撮ったんだけど、この風景には列車を入れても野暮になっちゃうかも。


振り返れば、大銀杏と上総鶴舞の駅。さっき目の前を通り抜けて行った単行の五井行きがホームに止まっている。転轍機の矢羽がいい感じ。上総鶴舞の駅には使われなくなった農業倉庫と何本かの貨物側線が残されているのですが、大多喜街道沿いの立地からしても往時は周辺の集落からそれなりの物量の農産物が集められたのでしょう。


秋の日に舞い散る大銀杏の枯葉と鶴舞駅舎。鶴舞駅の大銀杏は駅舎の北側にあるので、なかなか列車と絡めて撮影するのは難しいですね。銀杏の葉は半逆光に透かし気味、駅舎と列車を入れ込んで一枚。アタマの上から落ちて来るギンナンの匂いがちょっとアレだが、いっぱいに秋を感じるカットにしてみました。
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