青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

かっ飛べ!同期生。

2016年04月11日 19時00分00秒 | 東京急行

(不惑・東急8500系@新越谷駅)

日曜日、久々に子供と朝から電車に乗ってフラフラ東京周辺を回って来たんだが、色々あって新越谷から東武伊勢崎線スカイツリーラインに乗る事になりまして。んで、直通運転しているから珍しくもないんだけど東急の8500が来ましてね。いっつもデントの線内では各駅停車に頭押さえつけられて、その有り余るハイパワーを見せ付けるのは長津田から先の末端区間(すずかけ台のストレートとかね)あたりに限られてる感じもする彼(8500系)が、実は急行線を完備する東武の複々線区間では水を得た魚のように実に伸び伸びとかっ飛んでいる事を初めて知りました(笑)。ウルセエだなんだと色々と陰口も叩かれますが、この8M2Tの奏でる全く癒されない爆音サウンドこそ至高!と改めて感じ入った次第であります。

8500系のデビューは昭和50年ですから、個人的にも同年代の車両としての親近感を持たずにいられませんし、おケツから伝わるビリビリした加速と、ハチの羽音を思わせるような甲高い音も唯一無二だよなあ…。インドネシアに出されても、地方私鉄に売られても、未だ君臨する東急のスーパーエースは不惑を迎えてなお元気。コルゲートを側面に配したステンレスの車体は、近年のヤワいアルミ車と比べたら格段の重厚感があっていかにも丈夫そうだよねえ…。去年病気してガックリしていた自分には、なんだか見習わなければいけないトコロが多すぎて羨ましい(笑)。新越谷から約20分をしばし愉しみ、北千住のホームでその去りゆく姿に惜しみない拍手を送ったのでありました。
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茜の空の下で

2016年04月10日 22時03分51秒 | JR

(初鹿野の黄昏時@甲斐大和駅)

勝沼の甚六桜を夕刻まで愛でた後の帰り道、甲斐大和の駅に寄ってみる。笹子峠の甲府側の玄関口で、勝沼よりもかなり標高の高い位置にあるこの駅も、掘割のホームを囲むように咲く桜があります。南アルプスに太陽が沈み西の空が紅く染まる頃、小淵沢行きの普通列車が中線に静かに進入して来ました。


狭まる日川の谷に、甲府盆地がいよいよ笹子峠に向かって終わりを告げる山峡の甲斐大和駅。長篠の戦いで敗れた武田氏の一族が、落ち延びながら織田・徳川の軍勢に止めを刺されたのがこの辺りだそうですが、地形的にもさもありなんといった感じ…勝沼では満開だった桜も、さすがにここではまだ七分咲き。長い退避時間に飽き飽きとした乗客が、夕暮れのホームで背伸び。目に映る桜に驚いて、思わずスマホを手に取った。

夕焼け空に二条のレールは鈍く光って、特急かいじが軽やかに通過して行きました。
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アルプスの遺志を継ぎ

2016年04月09日 20時21分47秒 | JR

(山梨の 春は桜と 武田菱@勝沼ぶどう郷~塩山間)

菱山の築堤を行くE257系。中央東線筋にいると30分に1回は見れるポピュラーな車種ですが、平成13年デビューですからもう15年も甲州路を走っているのですね。甲州ゆかりの戦国武将・武田信玄の家紋である「四つ割り菱」をサイドに大きく彩ったデザインが特徴ですが、前面ガラスの左側にもくずれ武田菱がちょこっとあしらわれてたりするのもポイント。春の山梨は桜もそうですが、リンゴや桃など果物の花が一斉に咲き乱れまさに「フルーツ王国・山梨」らしい景色を見る事が出来ます。


ハッピードリンクショップの横からボリュームのある桜を圧縮で。E257は特急かいじ・スーパーじゃないあずさ(笑)などの停車駅の多い運用に充当されてますけど、この周辺では塩山・山梨市・石和温泉・韮崎と山梨の中小都市にちょこちょこと止まっては高速バスがカバーしない地区のニッチなニーズを拾い上げている。ちなみに諏訪地区とかも茅野・上諏訪・下諏訪・岡谷とほぼ各駅停車だったりするんですけど、このあたりの停車駅設定が一昔前の急行列車みたいで良いよね。

他にも観光需要で相模湖や勝沼ぶどう郷への臨時停車が設定されたりと、E257の守備範囲は「急行アルプス」の遺志を継いだ中央東線のローカル優等運用。そう言えば「急行アルプス」に併結されていた「急行かわぐち」も、その流れを汲んだ「ホリデー快速富士山」がその任を国鉄特急型で守り続けていますし、長距離普通列車の現存など車種は変われど基本的な流れは国鉄時代のまま。リニアが出来るまで、中央東線は最後の国鉄型幹線として生き続けるのでしょうねえ。
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桜優しく姿垂れて

2016年04月08日 22時21分42秒 | JR

(女子旅、満開@甚六桜公園)

満開の桜、満開の桜、それ以上に言葉のいらない満開の桜。鉄道ファンには知られたスポットだった甚六桜も、年を追う毎に普通の観光客が訪れる花見スポットになりました。ここと「わに塚の桜(韮崎市)」は山梨の中でもホント有名になりましたねえ。自分が知ったころはそこまでメジャーなスポットじゃなかったと思うんだけど。


この日が今年の甚六桜のピークだったのかな、と思える花の色とボリュームでした。線路に優しくしなだれて咲く花弁の下を、優美な卵型の特急列車が駆け抜けて行く。光線がちと弱かったですが、後になって見たら太陽が射すとまだらになるアングルだったので、このくらいの薄曇りが結果オーライだったみたいですね。
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パステルカラーの後継車

2016年04月07日 19時00分00秒 | JR

(あっという間に主役@211系長野色)

ついこないだまでこの区間の普通列車は115系の独壇場で、その重厚なサウンドを堪能できたものですが、あっという間に普通列車の車種は房総線やら東海道線系統やらから落ちた211系に統一されてしまいました。帯にはもはや伝統となりつつあるパステルカラーの長野色。6連と3連の2タイプがあるのは長野・豊田時代の115系と同じ。オールロングシートの編成もあるらしい。


引き上げ線の桜をバックに、菱山の築堤を行く211系。ああ、この舞台に115系(特に山スカ)が走っていたらなあと思わず目を閉じるのであります。いや、まあ115系の豊田の山スカはそこそこ撮ったけどね。所要時間4時間弱の八王子発の松本行きとか、往時の客レの長距離鈍行の名残を感じる普通列車が現存する中央東線。旅心はそそられますが、やっぱり115系のボックスシートから甲斐駒や八ヶ岳を見ていたかった…と思うのは懐古趣味の戯言なのかもしれません。
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