青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

秋の気配の丹生川で

2017年09月05日 05時22分22秒 | 三岐鉄道・北勢線

(その身を削って藤原岳@丹生川~三里間)

鳥羽から1時間20分、近鉄四日市に戻って今回の旅程はほぼ終了。近鉄百貨店でお土産などを物色し、あとは帰るだけとなりました。が、そのまま帰ってしまっては勿体ない。少し遠回りになりますが、改めて朝に訪れた丹生川のミルクロード俯瞰に。18時過ぎにやって来る東藤原からのフライアッシュ貨物(504レ)を待つ事にします。時間的に夕暮れの光が山の端に沈むかどうか微妙な時間帯でしたが、残念ながら通過15分前に太陽は鈴鹿山脈の向こうへ。残照の中を、特徴ある形をしたホキ1000を連ねて504レが田園のスロープを降りて来ました。


最後のカットは広角に引いて。空にたなびく雲に、そこはかとない秋の気配が感じられます。丹生川の田んぼも、あと半月もすれば、きれいな黄金色の実りを迎えるのでありましょう。子供と一緒に三脚を畳んだ後は阿下喜のあじさいの郷温泉で汗を流して帰路へ。四日市から帰るのにわざわざ阿下喜まで来て相当な遠回りのように思えますが、東海環状道の東員ICなんてのが出来てるからそうでもない。自宅までは休憩を挟んで4時間半程度だったから新東名の効果は絶大ですな。

今度は三重の人をゲストにお招きして近鉄全線乗り潰しとかやろうかな(笑)。
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近鉄の奥の細道

2017年09月03日 17時28分02秒 | 近鉄

(鳥羽の街を行くしまかぜ@中之郷~鳥羽間)

鳥羽水族館はお盆時期の週末と言う事で大賑わい。名物のアシカショーなども座る場所に困るほどで、子供を何とか座らせるスペースを確保してからお父さんは屋上のテラスで一休み。久し振りにすっきりとした夏の晴れ間です。ちょうど賢島から戻って来たしまかぜ(回送?)が、ミキモト真珠島の脇を通り抜けて行きました。


鳥羽水族館は、約3万種の水生生物を展示する日本有数の水族館で、おそらくじっくり見るのであれば半日以上は掛かるはず。ですが、まあ帰りの時間もありますのでメインどころの見たいものを見てという感じ。今の鳥羽水族館はジュゴンが名物みたいですけど、昔ラッコいませんでした?ラッコブームの火付け役って鳥羽水族館だと思ったんだけど。と言う訳で帰りの中之郷駅、カラフルな鳥羽水族館をバックに22000系+12200系の一般特急。前パンです。


行きはしまかぜを奮発しましたが、帰りはそのまま名古屋線に直通する急行で。普通列車に乗って五十鈴川乗り換え。五十鈴川から近鉄名古屋までの110kmを2時間弱で走破する急行ですが、ロングライドに対応してトイレ付きの車両になっているのは素晴らしい。大阪方面へ直通する急行は五十鈴川から大阪上本町まで140kmを走破するのだから、さすが近鉄はスケールがでかいですな。


乗車した5200系は3ドア・モケット付き転換クロスシート・トイレありという車内装備で、中長距離移動者にとっては最高の条件の車両でしょう。しまかぜもいいけど、特急料金不要でこの居住性なのだから中途半端に一般特急車両乗るんだったら5200系の急行で十分のような気がする。


伊勢平野を爆走する名古屋行き急行。5200系の良いところをもう一つ。それは中央部分の貫通扉と乗務員室扉の窓がタテに大きくて、子供でも存分にかぶりつきが可能と言うところでしょうか(笑)。いつもだと目線の高さが足りずにかぶりつきが難しい子供もこれには大満足。松阪あたりまでは喜んで見ていましたが、さすがに疲れたのかボックスシートで眠ってしまいました。

近鉄には土日を含めて3日間有効な全線フリー乗車券と言うものがあるらしいのですが、一度じっくり近鉄という日本最大の私鉄を味わっても良いかなと思わなくもないですね(笑)。総延長500kmに及ぶ2府3県に跨った路線図を見ていると、まだ見ぬ未知の魅力を探りに行ってみたくなります。
コメント (2)
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1時間では物足りぬ

2017年09月02日 22時22分47秒 | 近鉄

(名ー伊しまかぜ@近鉄四日市駅)

今回の「しまかぜ」予約の際に、そりゃせっかくの乗車なんですからと先頭の展望車を予約しようと先頭車両である1号車の予約を行ったのですが、近鉄ルールだと近鉄名古屋発の伊勢志摩方面特急は号車が逆、よーするに6号車が先頭になるのだそうな。見事に罠にハマって最後尾の1号車を予約してしまったのだが、果たして次に乗る事はあるのだろうか(笑)。

 

しまかぜ車両、先頭と最後尾は「プレミアム」と呼ばれるハイデッカーの展望車両になっていて、少し目線が高い。ただ伊豆急のリゾート21の先頭車両のように段差が付いている訳ではないので、本当の展望席として楽しめるのは厳密に言えば端っこの席だけだと思われます。E6系のグランクラスではないがシートは1+2の3列でゆったりとした作りになっていて、センスあふれるおハイソな空間。かと思いきや、ナゴヤのおばちゃん集団が食っている煎餅の香りがたなびいていてそうでもないのであった(笑)。

 

しまかぜプレミアムシート。シートピッチゆったり、座ると大きな会社の応接室のソファのようにずっぽり埋まるような包み込まれ感がある。背もたれ・座面のリクライニングおよびフットレストの操作は横面のパネルで操作する(ヘッドレストは手動)のですが、驚いたのはこのシートにはマッサージ機能までついていて、ボタンを押すと塩梅よく体をモミモミしてくれるのであった。

 

4号車のサロン・個室車両。何となくブルートレインのオロネ車を思わせる片側寄せの通路に、パーテーションで区切られたサロンと個室が並んでいます。グループでのプライベートな空間を楽しめますが、大入り満席でしたのでさすがに中までは見る事が出来ませんでした(笑)。荷物置き場の代わりに個室利用者にはロッカーも設けられていて、まっこと至れり尽くせりですなあ。


3号車のカフェ車両。軽いランチとお飲み物が注文できますが、伊勢エビの海の幸ピラフと松坂牛カレーが人気のようです。どちらもそこそこのお値段ですが、得てしてこういうところに来てしまうと人間羽振りが良くなってしまうと言うか「せっかくだから」という一言で妙齢のご婦人仲間などが美味しそうにカレーを食べている。

  

まあ我々には伊勢エビも松坂牛も縁のないところだからなあ…なんて物見遊山的にカフェ車両を覗いてみると、アテンダントのおねーさんが「今だったらすぐご案内出来ますけど!」なんて言われるがままにそのままカフェ車両に通されてしまう我々親子(笑)。さすがにランチは値が張るのでドリンクでご勘弁…子供が頼んだ五ヶ所村のみかんジュースは、濃厚な味がして美味しかった。ちょうど津の駅を通過する辺りですね。


カフェ車両のレジ脇にあるグッズコーナー。入れ代わり立ち代わり人が訪れては何かしかを購入している。席で食べれるお弁当もあるみたいですね。めはり寿司みたいなのが売ってた。乗車記念にキーホルダーと子供は定番商品のイラスト入りメラミンカップを購入しましたが、何だかんだとこちらも財布のヒモが緩んでいるなあ(笑)。


伊勢中川のデルタ線で大阪方面の線路を右に分け、非電化単線の紀勢本線の線路と並走しながら松阪を過ぎると、車窓にはのどかな田園風景が広がって来ます。櫛田川と宮川に挟まれただだっ広い穀倉地帯を快走して行く特急しまかぜ。すっかり晴れ上がった伊勢平野の車窓風景はまだお盆過ぎだというのに既に田んぼの色は黄金色で、刈り取り作業なんかも行われているところを見ると、この辺りは早場米の産地なのだろうか。

  

宮川を渡り、伊勢市・宇治山田と停車。外宮に行くなら伊勢市、内宮に行くなら宇治山田の駅が近い。時間が許せば宇治山田の駅は寄ってみたかったんだけどね。参宮急行電鉄が伊勢神宮参拝の玄関口として昭和初期に建築した伝統ある文化財モノのターミナル駅で、皇族の来訪を想定した貴賓室まで設けられており、貴賓室からホームに上がる専用の階段もあると聞きますが…宇治山田を出た列車は五十鈴川を渡り、一つ山を越すと車窓に伊勢湾が見えて来て、我々の下車駅鳥羽に到着するのでありました。


鳥羽に到着したしまかぜ。近鉄四日市からちょうど1時間でしたが、この列車の魅力を堪能するのであれば、やっぱり1時間では短いような気がしますね。こっから賢島まではあと30分、名残惜しいですが水族館に行くためにはここで下車せねばなりません。ってか鳥羽水族館は隣の駅の中之郷の方が近いので、後続の普通列車に乗り換えになるんですけどね。


昼前から昼過ぎにかけて、名古屋・京都・大阪からそれぞれ賢島に向かうしまかぜ。中之郷の駅を降りたらちょうど良さそうなSカーブがあったので、ここで京都から来たしまかぜを狙ってみる。夏の強い日射しをトップライトに浴びてSカーブを回って来るしまかぜを、先頭車両をゼロ角度になる構図で止めてみました。うん、カッコいいですね。
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