(名ー伊しまかぜ@近鉄四日市駅)
今回の「しまかぜ」予約の際に、そりゃせっかくの乗車なんですからと先頭の展望車を予約しようと先頭車両である1号車の予約を行ったのですが、近鉄ルールだと近鉄名古屋発の伊勢志摩方面特急は号車が逆、よーするに6号車が先頭になるのだそうな。見事に罠にハマって最後尾の1号車を予約してしまったのだが、果たして次に乗る事はあるのだろうか(笑)。
しまかぜ車両、先頭と最後尾は「プレミアム」と呼ばれるハイデッカーの展望車両になっていて、少し目線が高い。ただ伊豆急のリゾート21の先頭車両のように段差が付いている訳ではないので、本当の展望席として楽しめるのは厳密に言えば端っこの席だけだと思われます。E6系のグランクラスではないがシートは1+2の3列でゆったりとした作りになっていて、センスあふれるおハイソな空間。かと思いきや、ナゴヤのおばちゃん集団が食っている煎餅の香りがたなびいていてそうでもないのであった(笑)。
しまかぜプレミアムシート。シートピッチゆったり、座ると大きな会社の応接室のソファのようにずっぽり埋まるような包み込まれ感がある。背もたれ・座面のリクライニングおよびフットレストの操作は横面のパネルで操作する(ヘッドレストは手動)のですが、驚いたのはこのシートにはマッサージ機能までついていて、ボタンを押すと塩梅よく体をモミモミしてくれるのであった。
4号車のサロン・個室車両。何となくブルートレインのオロネ車を思わせる片側寄せの通路に、パーテーションで区切られたサロンと個室が並んでいます。グループでのプライベートな空間を楽しめますが、大入り満席でしたのでさすがに中までは見る事が出来ませんでした(笑)。荷物置き場の代わりに個室利用者にはロッカーも設けられていて、まっこと至れり尽くせりですなあ。
3号車のカフェ車両。軽いランチとお飲み物が注文できますが、伊勢エビの海の幸ピラフと松坂牛カレーが人気のようです。どちらもそこそこのお値段ですが、得てしてこういうところに来てしまうと人間羽振りが良くなってしまうと言うか「せっかくだから」という一言で妙齢のご婦人仲間などが美味しそうにカレーを食べている。
まあ我々には伊勢エビも松坂牛も縁のないところだからなあ…なんて物見遊山的にカフェ車両を覗いてみると、アテンダントのおねーさんが「今だったらすぐご案内出来ますけど!」なんて言われるがままにそのままカフェ車両に通されてしまう我々親子(笑)。さすがにランチは値が張るのでドリンクでご勘弁…子供が頼んだ五ヶ所村のみかんジュースは、濃厚な味がして美味しかった。ちょうど津の駅を通過する辺りですね。
カフェ車両のレジ脇にあるグッズコーナー。入れ代わり立ち代わり人が訪れては何かしかを購入している。席で食べれるお弁当もあるみたいですね。めはり寿司みたいなのが売ってた。乗車記念にキーホルダーと子供は定番商品のイラスト入りメラミンカップを購入しましたが、何だかんだとこちらも財布のヒモが緩んでいるなあ(笑)。
伊勢中川のデルタ線で大阪方面の線路を右に分け、非電化単線の紀勢本線の線路と並走しながら松阪を過ぎると、車窓にはのどかな田園風景が広がって来ます。櫛田川と宮川に挟まれただだっ広い穀倉地帯を快走して行く特急しまかぜ。すっかり晴れ上がった伊勢平野の車窓風景はまだお盆過ぎだというのに既に田んぼの色は黄金色で、刈り取り作業なんかも行われているところを見ると、この辺りは早場米の産地なのだろうか。
宮川を渡り、伊勢市・宇治山田と停車。外宮に行くなら伊勢市、内宮に行くなら宇治山田の駅が近い。時間が許せば宇治山田の駅は寄ってみたかったんだけどね。参宮急行電鉄が伊勢神宮参拝の玄関口として昭和初期に建築した伝統ある文化財モノのターミナル駅で、皇族の来訪を想定した貴賓室まで設けられており、貴賓室からホームに上がる専用の階段もあると聞きますが…宇治山田を出た列車は五十鈴川を渡り、一つ山を越すと車窓に伊勢湾が見えて来て、我々の下車駅鳥羽に到着するのでありました。
鳥羽に到着したしまかぜ。近鉄四日市からちょうど1時間でしたが、この列車の魅力を堪能するのであれば、やっぱり1時間では短いような気がしますね。こっから賢島まではあと30分、名残惜しいですが水族館に行くためにはここで下車せねばなりません。ってか鳥羽水族館は隣の駅の中之郷の方が近いので、後続の普通列車に乗り換えになるんですけどね。
昼前から昼過ぎにかけて、名古屋・京都・大阪からそれぞれ賢島に向かうしまかぜ。中之郷の駅を降りたらちょうど良さそうなSカーブがあったので、ここで京都から来たしまかぜを狙ってみる。夏の強い日射しをトップライトに浴びてSカーブを回って来るしまかぜを、先頭車両をゼロ角度になる構図で止めてみました。うん、カッコいいですね。