tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

講座「万葉歌人の人間関係と歴史的事件」(ナラニクル)10月20日(日)開催!

2019年10月15日 | 万葉集
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎月第3日曜日、奈良市中部公民館が入居する奈良市観光センター内の「NARANICLE多目的スペース」で、「奈良の歩き方講座」というセミナーを開催している。10月からの下期(2020年3月まで)はすべて「万葉集とその時代」(万葉集入門講座)のテーマで6回やることになっている。
※トップ写真は額田王の万葉歌碑前で9/16撮影。場所は桜井市穴師、景行天皇陵の東だ

参加費は@500円(資料代=当日集金)で、要申し込み(メール:order@narashikanko.or.jp または FAX:0742-22-5200)。講師は、当会で万葉集に最も詳しく、「奈良まほろばかるた」の読み札の原案を作られた名誉教授(私のつけたニックネーム)・米谷潔(よねたに・きよし)さんである。深い知識と分かりやすいお話には、定評がある。奈良市観光協会のHPによると、

10月20日(日)米谷潔さん
万葉歌人の人間関係と歴史的事件~今も昔も変わらない万葉びとの思いと行動~

万葉集に収められている歌と題詞(詞書き)、左注(注釈)から、万葉びとの人間関係が分かり、それが歴史上の事件と関連していたことがうかがえます。また編纂者の大伴家持がこれらの事件をどう捉えていたのかも、知ることができます。


万葉集の第1回にふさわしいお話が聞けそうである。まだ残席があるので、ぜひお申し込みいただきたい。11月以降のラインナップも、以下に紹介しておく。今からでも申し込みが可能である。

11月17日(日)橋本篤実さん
長屋王と吉備内親王~平城京に散った悲劇の宰相~

長屋王は奈良時代の宰相として活躍し、文人としても万葉集に歌を残しています。旧「奈
良そごう」(現在の「ミ・ナーラ」)の地は長屋王の邸宅跡です。一族は「長屋王の変」
で悲劇的な最期を遂げました。その生涯をたどります。

12月15日(日)池川愼一さん
万葉集の挽歌~長歌を中心に生と死のドラマを読む~

万葉集の挽歌は、相聞歌と並ぶジャンルです。天皇から庶民に至るまで、亡き人をいたむ
歌は多く、とくに長歌は言葉を尽くし、劇的な構成で訴えかけます。代表的な長歌などを
取りあげ、万葉挽歌の世界を巡ります。

1月19日(日)石田一雄さん
奈良の川と万葉集~川をうたった万葉歌を読んでみよう~

県内に大きな川はありませんが、各地には歌に詠まれた川が数多くあります。万葉歌人た
ちはどの川をどのように詠んだのでしょうか。佐保川をはじめとする奈良市内の川を中心
に、さまざまな万葉歌を読んでみましょう。

2月16日(日)鉄田憲男さん
万葉びとの「酒」と「食」~万葉歌で読み解く古代の食事情~

大伴旅人や長意吉麻呂(ながのおきまろ)の歌をはじめ、万葉集には酒や食事を詠んだた
くさんの歌が登場します。これらをひもとき、彼らがどのような酒を飲み、何を食べてい
たのか、また現代に通じるものはないのか、徹底検証します。

3月15日(日)大山恵功さん
壬申の乱と万葉集〜万葉集にみる皇位継承の争い〜

壬申の乱は、大海人皇子と大友皇子の争いでした。高市皇子の活躍が素晴らしく、万葉集
では柿本人麻呂が詠んだ挽歌が残されていて、この歌は「和歌のエベレスト」(リービ英
雄)と評価されています。万葉秀歌の紹介とあわせて、壬申の乱を振り返ります。

【ご予約】E‐mail :order@narashikanko.or.jp または FAX:0742-22-5200
※氏名、予約人数、在住市町村名及び連絡先をご記入ください。
【会場】奈良市観光センター 多目的スペース(NARANICLE内)奈良市上三条町23-4
※会場には駐車場はございません。お越しの際は公共交通機関、または近隣の有料駐車場をご利用ください。
【お問合せ】奈良市観光センター ☎0742-22-3900(9:00~21:00)


わずか500円で学べる楽しい講座、ぜひお申込みください!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ゼロから学ぶ!万葉講座」クラブツーリズム奈良で、10月17日(木)スタート!(2019 Topic)

2019年09月20日 | 万葉集
いよいよ本年(2019年)10月から毎月第3木曜日、クラブツーリズム奈良分室(近鉄奈良駅ビル5階)でシリーズ講演会「ゼロから学ぶ!万葉講座」(全5回)が始まる。講師はNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」メンバーで、料金は1回1,200円(香り高いコーヒーつき)。お申し込みは同室のサイトまたはお電話(0742-90-1000)で。内容をチラシなどから拾うと、
※写真は同室で開催したソムリエの会の講座(2018.9.9 撮影)

ゼロから学ぶ!万葉講座(全5回)

元号「令和」のもとになった『万葉集』をゼロから学びましょう。時代や人物について深く学べる全5回シリーズです(最少催行人員=5名様)。

10月17日(木)鉄田憲男さん
演題 「万葉歌で追う!古代史の事件簿~有間皇子から長屋王の変まで!~」
概要 万葉集は歌集であると同時に、貴重な歴史の証人です。古代史に登場する数々の事件を万葉集の歌を題材に振り返ります。謎の多い柿本人麻呂の死にも迫ります!



※上の画像は、10月17日の講座資料のひとコマ

11月21日(木)米谷潔さん
演題 「万葉びとの知性~原文を読むと知性がわかる~」
概要 万葉集を原文で読むと、漢字の知識が豊富だったことや、中国語や韓国語を理解していたことがわかります。また掛け算(九九)、陰陽五行、漢詩の技法(頭韻)などの知識のあったこともうかがえます。

12月19日(木)橋本篤実さん
演題 「額田王と万葉集~額田王の生涯を万葉歌から読み解く~」
概要 多くの名歌を残し万葉集を代表する女流歌人・額田王は、謎に包まれた人物です。額田王および彼女とゆかりのある歌人の歌を読むことで、彼女の生涯をたどります。

1月16日(木)岡田充弘(あつひろ)さん
演題 「万葉歌にみる日本の国づくり~この国のかたちはどうやって作られたか~」
概要 万葉集には行幸、遷都、宮廷行事など公的な晴れの場で詠まれた歌が1500首以上あります。奈良の地で、古代の日本が作られていく様子やこれに携わった人々の思いを追体験しましょう。

2月20日(木)友松洋之子(よしこ)さん
演題 「吉野の万葉歌~万葉集を片手に水の吉野を歩く~」
概要 今、吉野といえば桜ですが、万葉集の吉野は、吉野川流域の「水の吉野」でした。30回以上吉野を訪れた持統天皇をはじめ、多くの万葉びとが吉野を訪れ、歌を残しました。美しい吉野の山河の画像を見ながら、当時に思いを馳せます。

新元号「令和」の時代になって、『万葉集』ブームはまだまだ続いています。ぜひこの機会に『万葉集』の知識を身につけてください!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万葉集の花(サクサクわかる!万葉講座) 9月28日(土)開催、参加無料!

2019年09月18日 | 万葉集
いよいよ近づいてきました!「サクサクわかる!万葉講座」の第2回「万葉集の花」は、9月28日(土)13:30~15:00に開催されます。
※写真は私が撮影した『万葉集』に登場する花々



講師は奈良まほろばソムリエの会理事の石田一雄さんで、開催場所は、近鉄新大宮駅前の「南都商事本社4階・新大宮セミナールーム」(南都銀行大宮支店と同じビルの4階)。参加費は無料で要申し込み(Eメールで、info@stomo.jp)です。チラシによりますと、



万葉集の花
四季の大和路を万葉の花と歌で巡る

万葉集には150種あまりの植物が詠まれ、そのうち観賞に足る花の数は約50種といわれます。万葉の四季の花々と詠まれた歌を紹介しつつ、その花のある大和路のスポットを巡りましょう。
定  員 60名(申し込みの先着順)
申込方法 Eメール 必要事項(講演日・演題・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)
     を明記いただき、「info@stomo.jp」までお送りください。




全5回の万葉講座、12月まで毎月1回、開催されます。今から残り4回分すべてお申込みいただけます。ぜひお早めにお申し込みを!


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万葉集の花(第2回「サクサクわかる!万葉講座」) 9月28日(土)開催!(2019 Topic)

2019年09月08日 | 万葉集
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、全5回のシリーズ講演会「サクサクわかる!万葉講座」を開催している。初回は米谷潔さんによる「万葉学ことはじめ」(7/27)だった。当日の講演内容は、当会の増田優子さんが詳しくまとめて下さり、当ブログでも紹介させていただいた。
※トップ写真は、初回の「万葉学ことはじめ」の様子(7月27日撮影)

待望の第2回は9月28日(土)13:30~15:00、当会理事の石田一雄さんの「万葉集の花」だ。開催場所は、近鉄新大宮駅前の「南都商事本社4階・新大宮セミナールーム」(南都銀行大宮支店と同じビルの4階)だ。要申し込み(Eメールのみ)で参加費は無料だ。チラシによると、

万葉集の花
四季の大和路を万葉の花と歌で巡る

万葉集には150種あまりの植物が詠まれ、そのうち観賞に足る花の数は約50種といわれます。万葉の四季の花々と詠まれた歌を紹介しつつ、その花のある大和路のスポットを巡りましょう。

定  員 1回60名(申し込みの先着順)
申込方法 Eメール 必要事項(講演日・演題・住所・氏名(ふりがな)・電話番号・年齢)
     を明記いただき、「info@stomo.jp」までお送りください。


石田さんはこの演題で東京・日本橋三越前の「奈良まほろば館」で8月11日(日)に講演され、ご好評いただいた。

初回の「サクサクわかる!万葉講座」(7/27)は台風上陸の日にも関わらず、約50人の方にご参加いただいた。花の話は女性がお好きだが、男性の方にもご参加いただきたい。ぜひ今からお申し込みを!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドロなわ万葉集(1)「いほり」(by 伊藤博『萬葉のいのち』)

2019年08月16日 | 万葉集
新元号「令和」による万葉集のブームを受けて、NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、今年度だけでも20回以上、万葉集に関する講座を開催する予定である。担当する講師も10人以上で、私もその1人である。

今まで読んできたたくさんの万葉本を読み返したり、新しく購入したり、と泥縄式に知識の習得に励んでいるが、その過程でいろいろと興味深い発見があった。せっかくの発見なので、これを「豆知識」として皆さんにも知っていただこうと思い立った。初回は「いほり」である。

以前、坂本信幸氏(高岡市万葉歴史館館長)に「万葉集の良い入門書はありませんか?」とお聞きすると、即座に「伊藤博(いとう・はく)さんの『萬葉のいのち』と『萬葉のあゆみ』(いずれもはなわ新書)がお薦めです」というお答えをいただいた。

そのあと読んだ『萬葉のいのち』を再読すると、「いほり」という項目が立っていた。いほり(いおり)はよく「庵」と書き、仮の宿りをすること、またそのための仮小屋という意味だが、これだけでは不十分だと伊藤博氏は指摘する。

イホリの本義は「斎秀入(いほい)り」なのであろう。イは「い垣(がき)」「い杭(ぐひ)」「い室(もろ)」のイ、「ゆ笹(ざさ)」「ゆ槻(つき)」「ゆ鋤(くは)」のユと同じ接頭語で、忌(い)み清めたの意を表わし、ホは「稲(いな)ほ」「岩(いは)ほ」「垣(かき)ほ」のホと同じく、秀でてすぐれた所の意を示すものと思われる。すなわち、「斎戒沐浴するために籠る聖なる領域」というのがイホで、それにイリが接続して音の縮約を起こした語がイホリであったと認められる。

萬葉集のイホリには、この原義をなお強く留める例が存外に多い。たとえば、持統天皇もしくは文武天皇の国見のさまを讃えた、柿本人麻呂の短歌、
大君(おほきみ)は 神にしませば 天雲(あまくも)の 雷(いかづち)の上(うへ)に いほらせるかも(3-235)
におけるイホリは、天皇が聖なる国見(くにみ)行事のために潔斎して雷山山頂の仮小屋に畏くも籠ったことをいうのであって、本来の意を押し立てた端的な一例と見られる。


うーむ、なるほど、単なる草庵に入ったことではなかったのだ。今でも使う「いほり(いおり)」という平凡な(と思っていた)言葉に、これだけの深い意味があったとは…。万葉集を学ぶことは古代人の儀礼や習俗を学ぶことなのだ。これは勉強になりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする