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修験道の根本道場!国軸山 金峯山寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第43回

2020年03月02日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。本年(2020年)2月20日(木)付で掲載されたのは、「豪壮かつ優美な蔵王堂/金峯山寺(吉野町)」、執筆されたのは、吉野郡大淀町在住の富田良一さんだった。
※トップ写真は修験道根本道場の「金峯山寺蔵王堂」(吉野町吉野山)

富田さんは長年、吉野山などでガイドをして来られた。『奈良百寺巡礼』でも金峯山寺を書かれ、「蛙飛び行事」を紹介されていた。今回は趣向を変え、蔵王堂(国宝)について詳しく紹介された。では、記事全文を紹介する。

本堂の蔵王堂(国宝)は、豊臣秀吉や弟の大和大納言・秀長の支援を得て1592(天正20)年に再建されました。幅約26㍍、奥行き約28㍍、高さ約34㍍で、2階建てのように見えますが、裳階(もこし)付の入母屋造、檜皮葺(ひわだぶき)です。木造建造物としては世界最大の東大寺大仏殿に次ぐ大きさとされます。

外観は安土桃山文化を反映して豪壮かつ優美です。上層の組み物は、柱を四段に組む多宝塔様式で、均整のとれた重厚な屋根を支え、正面中央に花肘木(はなひじき)と双斗蟇股(そうとかえるまた)を用いて、華やかな外観を形作っています。裳階正面中央の透かし彫りの本蟇股は輪郭、薄肉彫などが桃山期の特色です。

堂内の柱68本はスギ、ヒノキ、ケヤキなどで、太さも一様ではありません。林立する太い柱が力強さを感じさせる堂内は、山岳修験の根本道場の厳しい雰囲気を漂わせています。蔵王堂は2004(平成16)年、仁王門(国宝)とともに世界文化遺産に登録されました。内陣の須弥壇上の巨大な厨子(ずし)には、秘仏の本尊・木造蔵王権現立像(重文)の高さ6~7㍍の3体が安置されています。(奈良まほろばソムリエの会 会員 富田良一)

(宗 派) 金峯山修験本宗
(住 所) 吉野郡吉野町吉野山2498
(電 話) 0746・32・8371
(交 通) 「吉野山ロープウェイ」吉野山駅から徒歩15分
(拝 観) 8時半~16時、500円(特別開帳時は別料金)
(駐車場) 無(周辺に下千本駐車場)


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