NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に毎週木曜日、「やまと百寺参り」を連載している。先週(2020年2月27日)掲載されたのは「万葉ファンの心引く椿/阿吽寺(御所市)」、筆者は広島県出身・生駒市在住の田原敏明さん。田原さんは76歳ながら、ボランティアガイドにテニスにと、充実した毎日を過ごしておられる。
トップ写真は、昨年(2019年)3月24日(日)に開催された御所市制施行60周年記念「万葉うたがたりコンサート」の模様である。犬養万葉記念館のHPには《御所市制施行60周年記念事業として、岡本三千代(館長)と万葉うたがたり会によるコンサート「いにしえの人の心をメロディにのせて」をさせていただくことになりました。会場はつらつら椿の阿吽寺です》とある。では記事全文を紹介する。
『万葉集』に「吾が背子をこち巨勢山(こせやま)と人は言へど君も来まさず山の名にあらし(巻7・1097)」と詠まれた巨勢山の麓に阿吽寺があります。歌の意訳は「愛しい人をこちらに来させる山と人は言うけれど、貴方は来ない。名前ばかりの山です」となります。
平安時代に巨勢川が氾濫し、阿吽法師に救われた里人が法師を崇(あが)めて、古代豪族・巨勢氏の氏寺、巨勢寺に構えた玉椿精舎(ぎょくちんしょうじゃ)が阿吽寺の始まりと伝わります。本尊の十一面観音立像は、面相や衣文(えもん)の様式に藤原時代の雰囲気を残しています。
春には境内は椿一色に彩られます。多くの万葉ファンが「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲(しの)はな巨勢の春野を(巻1・54)」の風情を求めて訪れます。701(大宝元)年の秋、持統上皇の紀伊行幸で坂門人足(さかとのひとたり)が、椿の咲き乱れる巨勢の春の野を偲んだ歌です。
それ以前に春日蔵首老(かすがのくらのおびとおゆ)が詠んだ歌にある「つらつら椿つらつらに」「巨勢の春野」の<本歌取り>の古い例とされます。現代なら盗作問題になるのでしょうが、万葉びとのおおらかさを詠み人や選者に感じます。(奈良まほろばソムリエの会会員 田原敏明)
(宗 派) 単立
(住 所) 御所市古瀬361
(電 話) 0745・62・3346(御所市観光協会)
(交 通) JR・近鉄吉野口駅から徒歩約10分
(拝 観) 境内自由、本堂拝観は要予約3000円(30人まで)
(駐車場) 有(無料)
トップ写真は、昨年(2019年)3月24日(日)に開催された御所市制施行60周年記念「万葉うたがたりコンサート」の模様である。犬養万葉記念館のHPには《御所市制施行60周年記念事業として、岡本三千代(館長)と万葉うたがたり会によるコンサート「いにしえの人の心をメロディにのせて」をさせていただくことになりました。会場はつらつら椿の阿吽寺です》とある。では記事全文を紹介する。
『万葉集』に「吾が背子をこち巨勢山(こせやま)と人は言へど君も来まさず山の名にあらし(巻7・1097)」と詠まれた巨勢山の麓に阿吽寺があります。歌の意訳は「愛しい人をこちらに来させる山と人は言うけれど、貴方は来ない。名前ばかりの山です」となります。
平安時代に巨勢川が氾濫し、阿吽法師に救われた里人が法師を崇(あが)めて、古代豪族・巨勢氏の氏寺、巨勢寺に構えた玉椿精舎(ぎょくちんしょうじゃ)が阿吽寺の始まりと伝わります。本尊の十一面観音立像は、面相や衣文(えもん)の様式に藤原時代の雰囲気を残しています。
春には境内は椿一色に彩られます。多くの万葉ファンが「巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲(しの)はな巨勢の春野を(巻1・54)」の風情を求めて訪れます。701(大宝元)年の秋、持統上皇の紀伊行幸で坂門人足(さかとのひとたり)が、椿の咲き乱れる巨勢の春の野を偲んだ歌です。
それ以前に春日蔵首老(かすがのくらのおびとおゆ)が詠んだ歌にある「つらつら椿つらつらに」「巨勢の春野」の<本歌取り>の古い例とされます。現代なら盗作問題になるのでしょうが、万葉びとのおおらかさを詠み人や選者に感じます。(奈良まほろばソムリエの会会員 田原敏明)
(宗 派) 単立
(住 所) 御所市古瀬361
(電 話) 0745・62・3346(御所市観光協会)
(交 通) JR・近鉄吉野口駅から徒歩約10分
(拝 観) 境内自由、本堂拝観は要予約3000円(30人まで)
(駐車場) 有(無料)