tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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2025初春文楽公演「仮名手本忠臣蔵」を見に行ってきました!

2025年01月04日 | 日々是雑感
昨日(2025.1.3)、国立文楽劇場へ出かけた。この日が新年の初日だった。目当ては、第2部の「仮名手本忠臣蔵 8段目、9段目」だった。終始緊張感の漂う9段目には、深い感銘を受けた。
※写真は1/3に撮影。チラシは、国立文楽劇場のサイトから拝借した



私は昨年11/19(火)~20(水)、放送大学大阪校の面接授業〈「文楽」を鑑賞する〉を受けた。講師は古典芸能案内人の天野光さんだった。彼女のお祖父さまは、文楽の人形遣いだったそうだ(二世 吉田玉市さん)。

初日は大阪教育大学で終日座学、2日目は午前9時30分~10時30分までの授業(「旧食堂」での座学)のあと、午前11時から午後3時30分頃まで、「仮名手本忠臣蔵 大序(初段)~4段目」を鑑賞した。特に4段目が素晴らしく、「年明けの8段目と9段目は、必ず初日に見に行こう」と心に決めた(当時は多忙につき、5段目~7段目は諦めていた)。


忠臣蔵にちなみ、揮毫は赤穂大石神社の宮司さん

私は歌舞伎も文楽も好きだが、周囲にはあまりファンがいない(御所市のF先輩くらい)。「みんな食わず嫌いなのだろうな、もったいない」と思っていた。2012年には、当時大阪市長だった橋下徹氏が、文楽への助成金の25%削減を言い出したこともあった。

ちょうど今回の授業に宿題(課題・レポート)が出て、その時のテーマの1つ(10個ほどの「テーマ」から1つを選ぶ)が、「文楽にもっと親しんでもらうには」だった。幸い答案の写し(Wordデータ)を残していたので、以下に貼っておく。今年の4月には「義経千本桜」が通し(初段~4段目)で上演される。皆さん、もっと文楽に親しみましょう!



課題7.文楽にもっと親しんでもらうには(「文楽」を鑑賞する 天野光 先生)
今回の授業に出席した受講生に対して初日、天野先生が「劇場で文楽を見たことがない人は?」と聞かれたとき、たくさんの人が挙手したことには、心底驚いた。「年配者が多いのに、実際に文楽を見たことがない人がこんなにいるなんて、信じられない」という気持ちだった。「これは、もったいない」とも思った。

私は、奈良市に移り住んで46年になる(生まれは和歌山県で、現在71歳)。10年ほど前、地元の奈良市でボランティア団体(「奈良まほろばソムリエの会」という歴史好きが集まるNPO)を立ち上げ、奈良の歴史や文化を伝える活動(観光ガイド、講演、執筆)をしているので、奈良県内に「文楽の舞台」がたくさんあることに驚いているし、誇らしくも思っている。



「義経千本桜」「壺坂霊験記」「冥途の飛脚」「妹背山婦女庭訓」などなど。吉野町の妹山と背山はよく車で通りかかるが、舞台のセットにソックリな(舞台がマネしているのであるが)吉野川畔の風景には、いつもうっとりと見とれている。

しかし今日、たまたま一緒になった当会の女性会員に「文楽、見に行ったことはある?」と質問すると、やはり「ないです」という答えだった。奈良市から、国立文楽劇場のある日本橋へは、近鉄電車で1本なのに、これは残念なことである。



NHKのEテレなどでは、時々文楽の演目を放送しているが、文楽はテレビで見ると、不思議と面白くない。国立文楽劇場の華やいだ雰囲気の中で、少しよそ行きの服などを着こんで、「お昼は何を食べようか」などと考えながら席に着くワクワク感は、テレビでは決して味わえないものだ。太夫や三味線の臨場感も、たまらない。

今は字幕が付くし、私は必ずイヤホンガイドを装着し、またプログラムを開きながら文楽を見る。決して「お勉強」ではないし、しかしいわゆる「推し活」でもない。「古典芸能を味わう」という、やや上品な(?)趣味として、文楽を鑑賞しているのである。

この文楽、もっと多くの人に見てもらえないだろうか、といつも思う。私は「初春(正月)公演」をもっとPRし、「お正月は文楽を見よう!」と呼びかけるのが良いと思う。たぶん一度劇場に足を運べば、文楽ファンになってくれる人は数多いことだろう。長寿社会の中で、元気なお年寄りたちに見てもらい、口コミでファンを増やす、という循環が理想的だ。

ご夫婦で文楽ファンという竹内まりやは69歳、山下達郎は71歳だ。皆さん、もっと文楽を見に行きましょう!




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