本年4月、南都銀行は68歳まで働ける「グランドシニア制度」を導入した。これまでは65歳まで働ける「シニアスタッフ制度」を導入していたが、希望すればさらにあと3年、働けることになった。これに伴い本年5月、私を含め3人のシニアスタッフ(グランドシニアへの移行予定者・いずれも64歳)が取材を受け、昨日(6/20付)の毎日新聞奈良版に掲載された。3人のプロフィールを紹介すると、
※トップ写真は毎日新聞の記事から拝借。私が同じ職場の富田健之くんを指導しているところ
・乾裕亮(やすはる)さん
営業店サポートセンター(同行事務センター内)勤務。かつては各支店で発行していた預金残高証明書のセンターでの(一括)発行を提案・実施したほか、さまざまな事務改善を行っている。
・畑中敏夫さん
本店の審査部で、支店長権限内融資の実行後の再チェックを行っている。
・鉄田憲男
奈良県観光の振興を行う観光戦略室(公務・地域活力創造部)に勤務。観光振興策の企画・立案による同行の収益への寄与をねらう。後継者の育成にも取り組む。
乾さんと畑中さんはそれぞれ、これまでの銀行員生活で身につけた「支店の内部事務の改善」「融資の審査」という専門的なスキルを活かし、銀行に貢献されている。私は少し特殊な事例で、個人的な興味と使命感でかかわってきた観光に関するノウハウ(県うまいものづくり部会委員、奈良まほろばソムリエの会専務理事、ブログ制作など)を60歳定年後の仕事の場で生かし、後継者の育成にも取り組んでいる。
いずれにしても一朝一夕に身につけることのできないスキルを持つシニア行員が、68歳までそのスキルを生かした仕事をするわけで、これは本人にとっても生きがいになるし、銀行にとってもメリットがある。若手行員の仕事を奪うこともない。京都銀行は70歳まで働ける「アクティブ・シニア制度」を4年前に導入しているので、南都銀行も、もしかすると70歳まで再延長するかもしれない。
前置きが長くなった。以下に記事全文を紹介する。
見聞録 南都銀行(本店・奈良市)
グランドシニア制度新設 専門スキルで若手育成
南都銀行(本店・奈良市)は4月、定年退職後も最長68歳まで働くことができる「グランドシニア制度」を新設した。ベテラン行員が持つ豊富な業務知識や経験を有効活用し、人材育成にも役立てる狙い。2006年度に希望者を65歳まで再雇用する「シニアスタッフ制度」を導入していたが、さらに長く勤めたいとする要望に応えた。同行で働くシニアスタッフを取材した。【新宮達】
「弁財天は芸能の神様。近くの元林院の舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)らが芸の上達を願って参拝した」。近鉄奈良駅近くのもちいどのセンター街にある弁財天社で、同行観光戦略室シニアスタッフの鉄田憲男さん(64)が、後輩の富田健之さん(33)に解説した。鉄田さんは今月17日にあった奈良市の率川(いさがわ)神社の三枝祭(さいくさのまつり)も紹介。祭りで供えられたササユリの由来などを説明、富田さんは盛んにうなずいていた。
鉄田さんは約20年前、県の奈良のうまいものづくり事業をきっかけに地元の観光振興や歴史などに興味を持った。奈良の歴史や文化を生かした観光ボランティア活動などに取り組むNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の専務理事を務める。「奈良で銀行の仕事をするには歴史や文化の知識が必要。行内で詳しいと自負している私が後輩を育成しないと」と話す。現在週2日出勤し、行員向けの「奈良通養成塾」を開くなどしている。
関連会社を含めたシニアスタッフは現在約160人。営業店サポートセンターの乾裕亮(やすはる)さん(64)は週4日勤務。監査法人に提出する取引先の預金残高証明書のチェックなどを担当する。かつて働いた営業店での経験を生かし、センターになかった税務調査や印鑑登録といった対応マニュアルを作った。「営業店と常に対話し、業務改善、効率化につながれば」と話す。
グランドシニアはシニアスタッフのうちの希望者が対象で、1年ごとの雇用契約を結び、勤務時間は週20時間未満だ。支店の融資をチェックする審査部の畑中敏夫さん(64)は「社会も変わってきており、今の65歳は元気。働く場があるのはありがたい」と評価する。人事部の田中敦副部長(54)は「シニアスタッフは専門的なスキルを持っている人が多く貴重な戦力だ。新しい仕組みに積極的に手を挙げてもらえれば」と話す。
同様の取り組みで近隣で先行している京都銀行(本店・京都市)では、定年退職後の希望者が70歳まで働ける同様の制度を14年度にスタート。今月1日現在で64人が利用しているといい、京都銀は「利用者からは専門分野を生かして組織に貢献でき、働きがいも持てるといった声がある」としている。
南都銀行 1934年創立。本店は奈良市橋本町16。いずれも今年3月末時点で、預金残高は4兆8269億円、貸出金残高は3兆3408億円。拠点数は国内140(うち県内は92)と海外2。従業員数は2624人。経営の健全性を示す自己資本比率は9.64%(単体)。
※トップ写真は毎日新聞の記事から拝借。私が同じ職場の富田健之くんを指導しているところ
・乾裕亮(やすはる)さん
営業店サポートセンター(同行事務センター内)勤務。かつては各支店で発行していた預金残高証明書のセンターでの(一括)発行を提案・実施したほか、さまざまな事務改善を行っている。
・畑中敏夫さん
本店の審査部で、支店長権限内融資の実行後の再チェックを行っている。
・鉄田憲男
奈良県観光の振興を行う観光戦略室(公務・地域活力創造部)に勤務。観光振興策の企画・立案による同行の収益への寄与をねらう。後継者の育成にも取り組む。
乾さんと畑中さんはそれぞれ、これまでの銀行員生活で身につけた「支店の内部事務の改善」「融資の審査」という専門的なスキルを活かし、銀行に貢献されている。私は少し特殊な事例で、個人的な興味と使命感でかかわってきた観光に関するノウハウ(県うまいものづくり部会委員、奈良まほろばソムリエの会専務理事、ブログ制作など)を60歳定年後の仕事の場で生かし、後継者の育成にも取り組んでいる。
いずれにしても一朝一夕に身につけることのできないスキルを持つシニア行員が、68歳までそのスキルを生かした仕事をするわけで、これは本人にとっても生きがいになるし、銀行にとってもメリットがある。若手行員の仕事を奪うこともない。京都銀行は70歳まで働ける「アクティブ・シニア制度」を4年前に導入しているので、南都銀行も、もしかすると70歳まで再延長するかもしれない。
前置きが長くなった。以下に記事全文を紹介する。
見聞録 南都銀行(本店・奈良市)
グランドシニア制度新設 専門スキルで若手育成
南都銀行(本店・奈良市)は4月、定年退職後も最長68歳まで働くことができる「グランドシニア制度」を新設した。ベテラン行員が持つ豊富な業務知識や経験を有効活用し、人材育成にも役立てる狙い。2006年度に希望者を65歳まで再雇用する「シニアスタッフ制度」を導入していたが、さらに長く勤めたいとする要望に応えた。同行で働くシニアスタッフを取材した。【新宮達】
「弁財天は芸能の神様。近くの元林院の舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)らが芸の上達を願って参拝した」。近鉄奈良駅近くのもちいどのセンター街にある弁財天社で、同行観光戦略室シニアスタッフの鉄田憲男さん(64)が、後輩の富田健之さん(33)に解説した。鉄田さんは今月17日にあった奈良市の率川(いさがわ)神社の三枝祭(さいくさのまつり)も紹介。祭りで供えられたササユリの由来などを説明、富田さんは盛んにうなずいていた。
鉄田さんは約20年前、県の奈良のうまいものづくり事業をきっかけに地元の観光振興や歴史などに興味を持った。奈良の歴史や文化を生かした観光ボランティア活動などに取り組むNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の専務理事を務める。「奈良で銀行の仕事をするには歴史や文化の知識が必要。行内で詳しいと自負している私が後輩を育成しないと」と話す。現在週2日出勤し、行員向けの「奈良通養成塾」を開くなどしている。
関連会社を含めたシニアスタッフは現在約160人。営業店サポートセンターの乾裕亮(やすはる)さん(64)は週4日勤務。監査法人に提出する取引先の預金残高証明書のチェックなどを担当する。かつて働いた営業店での経験を生かし、センターになかった税務調査や印鑑登録といった対応マニュアルを作った。「営業店と常に対話し、業務改善、効率化につながれば」と話す。
グランドシニアはシニアスタッフのうちの希望者が対象で、1年ごとの雇用契約を結び、勤務時間は週20時間未満だ。支店の融資をチェックする審査部の畑中敏夫さん(64)は「社会も変わってきており、今の65歳は元気。働く場があるのはありがたい」と評価する。人事部の田中敦副部長(54)は「シニアスタッフは専門的なスキルを持っている人が多く貴重な戦力だ。新しい仕組みに積極的に手を挙げてもらえれば」と話す。
同様の取り組みで近隣で先行している京都銀行(本店・京都市)では、定年退職後の希望者が70歳まで働ける同様の制度を14年度にスタート。今月1日現在で64人が利用しているといい、京都銀は「利用者からは専門分野を生かして組織に貢献でき、働きがいも持てるといった声がある」としている。
南都銀行 1934年創立。本店は奈良市橋本町16。いずれも今年3月末時点で、預金残高は4兆8269億円、貸出金残高は3兆3408億円。拠点数は国内140(うち県内は92)と海外2。従業員数は2624人。経営の健全性を示す自己資本比率は9.64%(単体)。
> これから中抜けで大変な時代になります。その時必要なのは、経験です。絶えず
> 進歩向上していくような信念を持つ方々が活躍しないと日本は持ちません。
ベテランの経験を生かすというのは、企業にとってもメリットが大きいですし、本人の生きがいにもなりますね。
> 20年前に地域文化に目を向けられた時期に企業が認めていれば、奈良はもっと早く
> 変わっていたかも…、でも、今からでも遅くない、後継者を急ぎ育成してあげて下さい
20年前から使命感を持ってやってきたことが、やっと認められました。残された4年間で、急いで後継者を育ててまいります。
> 特殊な技能者、専門職、またはやる気満々の社員を選択できる機構があり、
> そこから選ばれた人だけが得られる制度であることも大事かと思いました
グランドシニア制度は結構、狭き門です。人事考課による足切りがあり、選考があります。そこは企業もよく見ています。何より、有能な若い人の仕事を奪わないことが肝心と思います。
早い段階から企業側が「職務開発」をしていれば、専門的なスキルをもつ社員が、もっとたくさん誕生していたと思います。
さらなる活躍を期待しております!
この制度は企業側が少子高齢化時代に対応するという単なる人数確保からの視点があるなら、腰掛族の延長が増え、企業イメージのマイナスを招くだろう事を懸念します
過去に高度成長期に青田刈りして沢山の採用をした結果、バブル崩壊時の途中退社募集とか、があったからね
この制度導入には特殊な技能者、専門職、またはやる気満々の社員を選択できる機構があり、そこから選ばれた人だけが得られる制度であることも大事かと思いました
その時必要なのは、経験です。絶えず進歩向上していくような信念を持つ方々が活躍しないと日本は持ちません。
過酷な時代や大変な時代を全く経験していない人間にはその時うまくやっていくスキルがありません。
そういう意味でも各世代でおまけに社会貢献する意欲を持つ人財は年齢で制限したらもったいないです。肉体的な部分は、今はネットとか肉体的な負担もなく活動出来るようなバリアフリーも充実しているのなら今後は安心です。
何しろ将来の人財を育てて下さい。
期待しております。6071