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田中利典師の「蔵王供正行/第21日 入我我入(にゅうががにゅう)」

2024年03月28日 | 田中利典師曰く
田中利典師は今月(2024.3.22~27)、国内泊を含め5泊6日の台湾「役行者ミッション」の旅をされ無事、帰国された。この期間中は少し「田中利典師曰く」から離れていたが、今日は元に戻し、〈蔵王供正行21日目 「入我我入」〉(師のブログ 2015.5.21 付)を紹介する。
※トップ写真は、吉野山の桜(2022.4.7 撮影)。なお今年(2024年)は、まだ「蕾かたし」

「入我我入」とは、「ご本尊と行者が一体になること」。師は、なかなかそのような境地には達していないとお書きだが、「大きな力に守られている」とは感じておられるようだ。確かに、あのような大きな仕事は、蔵王権現さまのような、大きな力の支えがないと、成し遂げられなかったかも知れない…。では、全文を紹介する。

蔵王供正行21日目 「入我我入」
蔵王供正行21日目(5月21日)。晴れときどき曇り。今日の一日。
5時に起床。
5時40分、第41座目蔵王権現供養法修法 於脳天堂
7時、本堂法楽・法華懺法         於本堂 
9時、第42座目蔵王権現供養法修法    於脳天堂
10時20分、本堂法楽・例時作法     於本堂
12時半、水行              於風呂場
13時、法楽護摩供修法          於脳天堂
14時、本堂法楽・法華経読誦       於本堂
    参拝者0名。…護摩が終わって一人来山。
    夜に京都から知人が来山。

****************

「入我我入」
今日で1日の入行以来、3週間となる。しかしながら、なかなか入我我入(ご本尊と行者とが一体になる)というような境地には届かない。ただ一身に、ご祈願を蔵王権現様にお届けするだけである。

私の周りには、お不動さんの声を聞けたり、神様と直接お話が出来たりする行者さんがいる。ちょっと頭がおかしいともいえなくもない方もなかにはいるが、ちゃんとしている人もいて、全面否定はしない。いや、それはそれでとても素晴らしいことだと思う。そういう意味では、私にはそういうようなことが起きない。

今回も、100座の蔵王供を発願して、毎日毎日、蔵王権現様の前で祈りを込めているが、うんともすんともであり、直接に声を聞けるわけではない。

でも、なにか、自分の中の仏性というか、仏心というか、そういうものに触れるような気持ちにさせてもらう日もある。ただ、ここでみなさんに披瀝できるような、深いものではないけれど。

つまり、入我我入とまではいかないが、仏さまを一心に拝む冥加みたいなものは、少しずつだが、広がっているようにも思う。ま、本当は権現様に、まだまだや!と言われていることは間違いない。

実は私は以前から「あんたは大きな力に守られていますねえ」と、何人もの人に言われている。私にはわからぬが、人生を振り返ると、確かにそういうふうにも思える。守られているし、背中を押して頂いているから、大きな仕事に関わることが出来、多くの仕事を成し遂げることが出来た。私がしたのではなく、やらされた感が強いくらいだ。だから確かに大きな力に守られているのは違いないだろう。

今回の修行も実は、権現様や行者さまの掌の中で、私が勝手にのたうち回っているだけなのかもしれない。入我我入出来るなら、ここ数年にわたる私の置かれている状況の真意について、いろいろと、直接、聞いてみたいモノである。
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