澎湖島のニガウリ日誌

Nigauri Diary in Penghoo Islands 澎湖島のニガウリを育て、その成長過程を記録します。

台湾人の心を踏みにじったNHKスペシャル「アジアの”一等国”」

2009年04月09日 23時40分42秒 | マスメディア

4月5日放送、NHKスペシャル「アジアの”一等国”」では、日本の台湾統治、皇民化の問題を採り上げた。その中で、旧制・台北一中の台湾人卒業生がインタビューに応じ、日本統治時代の台湾の想い出を語った。TVで放送された限りでは、台湾人はひどい差別を受け、日本を恨んでいるという趣旨の発言が繰り返し採り上げられた。
その中のひとり、台北帝国大学医学部出身の台湾人医師・柯徳三氏は、、宮崎正弘氏の電話インタビューに応じ、NHKが台北一中同窓生のインタビューを恣意的に編集したと語ったそうだ。

何故いま、NHKは明らかに「反日・反台湾」としか考えられない番組を作るのだろうか。日本統治時代の史実を歪めてまでして、近代日本を”悪者”として描くのはどういう意図があるのだろうか。

以下に柯徳三氏の反論を引用させていただく。TV番組しか見ていない人々は、これを見て驚愕するに違いない。


 
■心外だ!台湾人が排日と誤解される!
―――私は日本による五十年間の台湾統治はプラス面が五〇%でマイナス面が五〇%と考える。NHKの取材を受け、インフラや教育のよさを語ったのだが、番組は全然取り上げなかった。
―――日本による差別待遇など、欠点への怨み事ばかりを取り上げ、あたかも台湾人が朝鮮人と同じく排日だとの印象を植え付けようとしているらしいが、これは心外だ。
―――烏山頭ダムを造った八田与一技師の話もした。いかに農民にいいことをしたかなど。八田技師の長男とは同級生だったことも話したが、怨み言を並べる場面ばかりが映された。
―――怨み言は、あのころの日本政府に対するものではない。私たちを健やかに育ててくれた日本政府には感謝している。
―――「日本に捨てられた台湾人の怨み言」であると解釈してほしい。黙って国民政府(蒋介石政府)に引き渡したときの怨みだ。
―――国民政府は日本政府の倍悪かった。(四七年の)二・二八事件では台湾人エリートが犠牲になったが、そのことをたくさん話したのに、まったく取り上げていない。
―――同窓会では怨み言がたくさん出たが、あれはみんなが押さえつけられていた感情をさらけ出したものだった。しかし私たちは日本に対し、一定の評価をしている。

―――敗戦で日本は台湾を投げ出した。切り離した。しかし償いがなかった。物質的な償いではなく、精神的な償いがだ。マッカーサーの命令により、やむをえなかったことは、台湾人はわかっている。しかし「捨ててすまなかった」とちゃんと言ってくれれば、台湾人は慰められたのだ。
―――「捨てられた怨みを並べた」と解釈して欲しい。
―――私は親日でも反日でもない。私にとって日本は養母なのだ。中国から切り離され、日本に養子として拾われたのだから。日本人に差別はされたが、私が今日一人前の医者として活躍できるのは(もう引退はしているが)、日本のおかげだ。
―――NHKには利用された、騙されたという気もしている。日本に対するネガティブな印象のところだけ取り上げられた。
―――台湾と日本との仲を引き裂こうとしているのだろうか。どうしてもそう見える。台湾へ来たことのない人が番組を見たらどう思うか。
―――NHKのバックには中共がいるのだろうか。NHKは中共にブレーンウォッシュされているのだろうか。それとも遠慮しているのか。
―――私は記者に対して「怪しからん」と話した。「北京総局を置いているが、その下に台北支局を置いている。それなら台湾総局とするべきだ。日本が本部なら、北京も支局とするべきだ。台湾は中国に属していない」と。だがそれは消された。
―――私は番組の中で「喋るのも日本語。台湾語でこう言う演説はできない」と怨み言を言ったが、それは中国語が話せないと言うこと。台湾語はもともと文章は書けない言葉。若い人から見ると、私たちは日本語ばかりを話す「かたわ」となってしまう。「かたわ」と言うのは「捨てられた人間」と言うことだ。
―――私は話の最後で「都合の悪いところがあればちょん切って」と頼んだ。それは「日本人が不愉快に思うような悪口の部分を切って」と言う意味だったが、逆にそれらばかりを取り上げられた。 私は以上の話を聞き、「広く日本人に伝えたい」と話したら、「そうして欲しい」と言われた。

 

 

 

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再び、NHKの歴史認識を問う

2009年04月09日 03時56分03秒 | マスメディア

4月5日、NHKが放送したNHKスペシャル「アジアの”一等国”」は、日本の台湾統治を「皇民化」を軸に採り上げたが、視聴者を誤解させるような意図的な編集、作為的な結論が露骨に見られた。
先日のブログでは次のような点を指摘した。

『①映像を巡る疑問
 日本の台湾統治を象徴する写真の1枚として、万国博覧会に展示された台湾原住民の生活展示を「人間動物園」と題して紹介している。これは、台湾原住民を万国博覧会に連れて行き、生活展示したものだが、このような手法は、欧米列強のやり方を模倣したものに過ぎず、特に残虐だとか、非人道的だとか言われるべきものではない。それよりも、この「人間動物園」という衝撃的なタイトルとこの写真が、視聴者に与える誤解の方がよほど問題なのではないかと思われる。
 後藤新平が、台湾の近代化、社会開発に貢献した史実の紹介も、この1枚の写真ですべて帳消しになってしまいかねない。NHKは、そういう視覚的効果を十分知りながら、何故、この映像を流したのか、ぜひ訊いてみたいところだ。


②旧制・台北第一中学同窓会での発言内容
 旧制・台北第一中学OBである台湾人の発言をNHKは恣意的に編集したのではないかという疑いがぬぐいきれない。
 「台湾人の進学率は3%に過ぎなかった」「進学・就職・出世、すべての面で台湾人は差別されていた」「日本語で物事を考える人間にされてしまった」等々、日本統治時代に対するネガティブな発言がクローズアップされていたが、奇妙なことに、彼らが「二・二八事件」について言及する場面は放送されなかった。彼らがこの事件について何も語らなかったなどとは、到底信じられない。何を語ったのかきちんと採り上げるべきではないか。多分彼らは、日本統治時代を批判しているのではなく、国民党による「白色テロ」の時代に日本が何もしてくれなかったことを非難しているのである。その点が故意に歪曲されているのではないかと推測する。
 NHKは、はじめから日本の台湾統治のマイナス面を拾い上げるという編集方針でこのインタビューを使ったのではないかと疑う。
 現にMixiの台湾関連コミュニティでは、この同窓会に参加した人が「私たちの真意が伝わっていない」と発言したと伝えられている。


③何故、中国に遠慮するのか?
 番組では、日本は「皇民化」の過程で、「中国語」を禁止し、日本語を強要したと説明している。何故、「中国語」とわざわざ言うのだろうか?正確には「台湾語」であるはずだ。このように、至るところに、中国からのクレームを避けようとする意図が見え隠れするのだ。その結果として、視聴者には歴史の細部が見えなくなってしまうのである。


④なぜまっさきに「皇民化」なのか?
 これから何年も続くらしい、このNHKスペシャルの第1回に何故「皇民化」をとりあげるのだろうか?
 ふと考えるのは、誰かがこの放送をDVDに入れて、台湾人に大量に配ったとしたら…ということ。「親日的」とされる台湾人でも、日本を代表する「国営放送」がこういう番組を制作したとなれば、その内容を信じてしまうのではないかという恐れをいだいた。両岸関係委員会の中国側代表・陳雲林が、映画「海角七号」を「皇民化の大毒草」と評したのはよく知られているが、このNHKスペシャルは、そうした中国側の意図をくみ取って(?)作られたとも読みとれるのだ。
 台湾では、200万人が映画館に足を運んだという映画「海角七号」(2008年)。そこには、日本統治時代を非難するどころか、「…棄てたのではない、泣く泣く手放したのだ」という日本語のナレーションが流れ、日本統治時代からの日台の”絆”が謳われている。だが、この映画は、日本での公開予定さえ立っていないのだ。
 現在の台湾は、言論の自由、自由選挙などが保証されている民主主義国家であり、共産党独裁の大陸中国とは全く異なる国だ。台湾人は日本人と同様の政治的、経済的自由を享受している。その台湾人が、日本統治時代の功罪を冷静に理解しようと努めている矢先に、NHKは「日本はこんなにも悪いことをいたしました」と放送したのだ。このことが日台関係に及ぼす悪影響は、計り知れないものがあるだろう。そして、それを喜ぶのは誰かといえば、中国に他ならない。

 結果として、このNHK番組は、台湾人の「親日感情」をことさら傷つけ、大陸中国の対台湾統一工作に加担するものだ、と言われても仕方ないだろう。』

 

上記②については、他のブログの中で次のように記されている。


―――酒を飲むのも日本酒。喋るのも日本語。こういう人間に誰が育てた。日本だ。二十年間の教育は恐ろしい。

日本時代を懐かしがっているとされるあの世代の台湾人のこれらの言葉に、耳を疑う日本人は多かったかもしれないが、実際にあの世代には、相手を不愉快にさせまいと、日本人の前ではあまり語らない感情があるのだ。

それは当時台湾にいた日本人から受けた差別への恨みだ。同じ日本国民でありながら、感情面でも制度面でも加えられた差別への悔しさである。NHKはカメラの前で、彼らにそれを思う存分話させた、あるいは吐き出させた。そしてそれを日本の「漢民族弾圧史」の揺るぎなき傍証に仕立て上げた。

それを一つの歴史検証の方法だとしても、公正さが求められる番組の手法としてはどうだろうか。

上の掲げた発言は、日本統治時代の台北一中の卒業生たちのものだが、彼らをよく知るある日本人が「おかしい」と直感した。たとえ知り合いではなくても、台湾のあの世代と交流があれば、「何かがおかしい」と感じるのが自然だろう。

そこでその人が電話で本人たちに確認したところ、「日本統治より国民党統治の方がひどかったと話したが、その部分は番組で削除された」ことなどがわかって来た。(「台湾は日本の生命線!」より引用)



このように、NHKの露骨なやり方が次第に明らかになってきた。白を黒と言い含めるも同然のこのやり方は、当然、非難されてしかるべきだ。NHKのドキュメンタリーは、民放では作れない優れた作品が多いと思っていたが、今回の番組は、視聴者の信頼を大きく裏切る内容だった。NHKがこれほどまでに「媚中」(中国に媚びる)的態度をとるのは、いったい何のためなのだろうか?

このドキュメンタリーの究極の目的は、中国による台湾併合を側面から支援することだ、という確信が深まった。


与那国島と花蓮市の国際交流

2009年04月08日 11時37分20秒 | 台湾

映画「海角七号」で歌われている「國境之南」。この国境は、与那国島と台湾島の間に引かれているが、当然、1945年以前には存在しなかった。戦前、沖縄と台湾の交流は盛んで、先日のNHKスペシャル「アジアの”一等国”」でも、そのことに触れていた。
花蓮県の開発についても、日本人が大きな役割を果たしたことが知られている※。

※ http://www.amazon.co.jp/%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%96%E3%82%8B%E6%9D%B1%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E2%80%95%E6%B9%BE%E7%94%9F%E3%81%8C%E7%B6%B4%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%86%E4%B8%80%E3%81%A4%E3%81%AE%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E5%8F%B2-%E5%B1%B1%E5%8F%A3-%E6%94%BF%E6%B2%BB/dp/4886563015

切っても切れない関係にある与那国島と花蓮市がチャーター船の運行を開始し、交流が活発化しているのは、うれしいニュースだ。



台湾・花蓮市⇔与那国 国境発台日交流

 

与那国島の観光スポットで記念撮影をする台湾人観光客=沖縄県与那国町で

写真

 台湾東部の花蓮市と、日本最西端の沖縄県与那国町(与那国島)を結ぶ週末直行チャーター便が二月から三月にかけて三週連続で運航した。姉妹都市でもある両市町の間柄を花蓮市の蔡啓塔市長(50)は「隣近所」と呼び、花蓮市をアジア全域と与那国をつなぐ拠点とする将来構想を描いている。 (台北・栗田秀之、写真も)

 両市町間の距離は百十一キロ。与那国島と石垣島は百十七キロ、那覇に至っては五百九キロの距離がある。もともと与那国は戦前から終戦直後までは台湾との交易で繁栄した。

 しかし今では「高校がない。仕事がない。自立がない」(林国源・琉球華僑総会会長)ため、町になった一九四七年には一万二千人だった人口が千六百人余に縮小。そこで町は、台湾との直接交流が可能な「国境交流特区」を申請、花蓮市に連絡事務所を置くなどし、台湾との結び付きを再び深めることによって自立と活性化を目指そうとしている。

 週末直行チャーター便の運航は、こうした施策が実った結果だ。内閣府の昨年度「地方の元気再生事業」に町の提案が選ばれ、国から五千万円の予算も付いた。両市町を三往復したチャーター便で、観光客ら約三百十人が往来。与那国町は町ぐるみで台湾人観光客を出迎えた。花蓮市の側も、蔡市長は「(与那国町の)危機は転機。観光を皮切りに経済、貿易に交流を拡大し、和平文化を育てたい」と将来ビジョンを描く。

 与那国町ではほとんどの物資が那覇、石垣経由で届くため物価が割高。花蓮から果物や野菜を搬入できれば、双方の利益になる。花蓮市は既に泡盛や黒糖など与那国特産品を展示販売する経済貿易館を整備した。

 蔡市長は「二国二制度」の下での「一日共同生活圏」を提案する。空路を定期便にすれば、台湾全土はもとより、これまで那覇や石垣を経由していた日本、中国、東南アジアなどからの与那国訪問が花蓮を拠点として手軽になる。

 構想を進めようと、今月中旬には台東や宜蘭の台湾東部海岸と、沖縄先島諸島の自治体との会議が花蓮で開かれる。蔡市長は「両市町の関係は台日交流の縮小版。点から線、線から面に拡大したい。(与那国は)辺ぴな最西端ではなく、世界とつながる最先端だ」と強調している。

 

 


台湾、日本軍の特攻隊遺構を歴史遺産保存

2009年04月07日 15時45分38秒 | 台湾

また驚かされるニュース。台湾・宜蘭では、日本軍が遺した特攻隊の遺構を記念保存するという。
NHK特集「アジアの”一等国”」(4月5日)は、日本の台湾統治を採り上げ、極めて否定的に描いて見せた。これとは対照的に、台湾では、日本統治時代の歴史を正確に見つめ直そうという気運が強いようだ。
昨年9月、花蓮を訪れたとき、旧・日本人居住地が市の文化財として保存されているのをこの眼で確かめた。
同時期、瀋陽にも行ったが、ここには満鉄「アジア号」の最後の一両が、窓ガラスも割れた倉庫に放置されていた。「日本帝国主義」の「侵略証拠品」として。この違いはいったい何なのだろうか。真剣に考えなければならない問題だ。

 

台湾・宜蘭の歴史 後世へ  特攻隊遺構、施設に

退避壕(左後方)を生かした歴史文化施設(右後方)の建設に携わる郷公所の職員ら=台湾宜蘭県員山郷で(栗田秀之撮影)

写真

 【台北=栗田秀之】太平洋戦争末期の特攻隊関連施設が今も残る台湾東北部の宜蘭県員山郷で、出撃前の戦闘機を格納する退避壕(ごう)を活用して歴史文化施設を造る作業が進んでいる。郷内に点在する旧日本軍の遺構を通じて、郷土の歴史を将来に引き継ぐ計画だ。

 員山郷には退避壕のほか飛行場や地下壕跡などが現存している。飛行場からは一九四五年の戦争末期、特攻隊員たちが沖縄戦に出撃していった。

 郷公所(役所)によると、八年ほど前、退避壕がある土地の所有権が台湾国防部(国防省)から郷に移転される際、国防部は整地のために壕を取り壊そうとしたが地元住民が抗議して解体を免れた。

 その後郷公所は、壕を修復するとともに、隣接する形で歴史文化施設を建てることにした。全体をトーチカ(防御陣地)に見立て、戦闘機の機体や爆撃の跡などを随所に表現した現代的な建物が今年十月以降に完成する。内部には太平洋戦争の史料を展示し、このうち特攻隊関連の史料は退避壕内で見学できるようにする。

 郷内には「神風居」といった特攻隊の名称にちなんだ民宿もある。郷公所の林溪源主任秘書は「特に若い人に日本統治時代のふるさとの歴史を知ってもらいたい。将来的には遺構全体を整備して観光資源としても生かしたい」と話している。

 鹿児島県の知覧特攻平和会館館長だった愛知県犬山市犬山、板津忠正さん(84)は「私も、尊い犠牲の上に今の平和があることを若い人に伝えている。沖縄戦は北(知覧など)と南(台湾)で挟み撃ちした歴史があり、後世に残すことは意義がある」と指摘している 

 

 

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NHKは中国の台湾工作に加担するのか? ~ NHKスペシャル「アジアの”一等国”」

2009年04月07日 14時03分21秒 | 台湾

4月5日、NHK・TVで「JAPANデビュー アジアの”一等国”」が放送された。この番組を再度ビデオで確認したが、さまざまな疑問が思い浮かんだ。

①映像を巡る疑問
 日本の台湾統治を象徴する写真の1枚として、万国博覧会に展示された台湾原住民の生活展示を「人間動物園」と題して紹介している。これは、台湾原住民を万国博覧会に連れて行き、生活展示したものだが、このような手法は、欧米列強のやり方を模倣したものに過ぎず、特に残虐だとか、非人道的だとか言われるべきものではない。それよりも、この「人間動物園」という衝撃的なタイトルとこの写真が、視聴者に与える誤解の方がよほど問題なのではないかと思われる。
 後藤新平が、台湾の近代化、社会開発に貢献した史実の紹介も、この1枚の写真ですべて帳消しになってしまいかねない。NHKは、そういう視覚的効果を十分知りながら、何故、この映像を流したのか、ぜひ訊いてみたいところだ。


②旧制・台北第一中学同窓会での発言内容
 旧制・台北第一中学OBである台湾人の発言をNHKは恣意的に編集したのではないかという疑いがぬぐいきれない。
 「台湾人の進学率は3%に過ぎなかった」「進学・就職・出世、すべての面で台湾人は差別されていた」「日本語で物事を考える人間にされてしまった」等々、日本統治時代に対するネガティブな発言がクローズアップされていたが、奇妙なことに、彼らが「二・二八事件」について言及する場面は放送されなかった。彼らがこの事件について何も語らなかったなどとは、到底信じられない。何を語ったのかきちんと採り上げるべきではないか。多分彼らは、日本統治時代を批判しているのではなく、国民党による「白色テロ」の時代に日本が何もしてくれなかったことを非難しているのである。その点が故意に歪曲されているのではないかと推測する。
 NHKは、はじめから日本の台湾統治のマイナス面を拾い上げるという編集方針でこのインタビューを使ったのではないかと疑う。
 現にMixiの台湾関連コミュニティでは、この同窓会に参加した人が「私たちの真意が伝わっていない」と発言したと伝えられている。


③何故、中国に遠慮するのか?
 番組では、日本は「皇民化」の過程で、「中国語」を禁止し、日本語を強要したと説明している。何故、「中国語」とわざわざ言うのだろうか?正確には「台湾語」であるはずだ。このように、至るところに、中国からのクレームを避けようとする意図が見え隠れするのだ。その結果として、視聴者には歴史の細部が見えなくなってしまうのである。


④なぜまっさきに「皇民化」なのか?
 これから何年も続くらしい、このNHKスペシャルの第1回に何故「皇民化」をとりあげるのだろうか?
 ふと考えるのは、誰かがこの放送をDVDに入れて、台湾人に大量に配ったとしたら…ということ。「親日的」とされる台湾人でも、日本を代表する「国営放送」がこういう番組を制作したとなれば、その内容を信じてしまうのではないかという恐れをいだいた。両岸関係委員会の中国側代表・陳雲林が、映画「海角七号」を「皇民化の大毒草」と評したのはよく知られているが、このNHKスペシャルは、そうした中国側の意図をくみ取って(?)作られたとも読みとれるのだ。
 台湾では、200万人が映画館に足を運んだという映画「海角七号」(2008年)。そこには、日本統治時代を非難するどころか、「…棄てたのではない、泣く泣く手放したのだ」という日本語のナレーションが流れ、日本統治時代からの日台の”絆”が謳われている。だが、この映画は、日本での公開予定さえ立っていないのだ。
 現在の台湾は、言論の自由、自由選挙などが保証されている民主主義国家であり、共産党独裁の大陸中国とは全く異なる国だ。台湾人は日本人と同様の政治的、経済的自由を享受している。その台湾人が、日本統治時代の功罪を冷静に理解しようと努めている矢先に、NHKは「日本はこんなにも悪いことをいたしました」と放送したのだ。このことが日台関係に及ぼす悪影響は、計り知れないものがあるだろう。そして、それを喜ぶのは誰かといえば、中国に他ならない。

 結果として、このNHK番組は、台湾人の「親日感情」をことさら傷つけ、大陸中国の対台湾統一工作に加担するものだ、と言われても仕方ないだろう。


 


 


 



 

 


NHKスペシャル JAPAN「アジアの”一等国”」の反響

2009年04月06日 21時04分15秒 | マスメディア

昨日、放送されたNHKスペシャル JAPANデビュー「アジアの”一等国”」について、インターネット上の反応を確かめてみた。
Mixiの台湾関連のコミュニティでは「番組の内容が偏向している」「NHKに抗議した」など、番組に対する否定的な意見が多く見られた。この番組を制作したNHKディレクターは、台湾の歴史を知らないのではないか、もう頭にきたので、受信料は払わない、とまで書き込んだメンバーもいた。

私見では、NHKの担当ディレクターは、あらゆる方面から情報を集めて、この番組を制作したはずだ。特に中国、南北朝鮮をテーマにするときは、特段の注意を払ったはずで、自らの保身の意味も含めて、万全の準備を行ったはずだ。

「アジアの”一等国”」は、台湾の植民地統治、皇民化政策を採り上げたものだが、中華人民共和国に対する異様なまでの「遠慮」「配慮」が際だった。
旧制・台北第一中学・台湾人卒業生の同窓会でインタビューした映像がかなりの時間流されたが、NHK側の制作意図に沿って編集されたと思われた。日本の台湾統治に対する批判的な発言が多く採り上げられたが、ビデオを見直すと、恨みを持って日本を批判しているようには思われない。一方、台湾人が決して忘れることのない「二・二八事件」について、このインタビューで話が出なかったはずはないのだが、番組上では採り上げられていない。

さらに、番組のナレーションでは、台湾人の「中国語」を使用禁止にして、日本語を強制したと紹介されたが、これも極めて意図的なものを感じさせた。「中国語」と言えば、多くの人が「北京語」のことだと思いがちだが、当時台湾人が使っていたのは「台湾語」(中国語の一方言)である。「北京語」を台湾人に強制したのは、蒋介石政権に他ならないのだが、そのへんの説明はすべて省略されてしまっている。

昨年、台湾総統選挙で民進党・陳水扁候補が敗北して以来、台湾は急速に大陸に接近し、今や併合寸前とも言える状況になっている。これに危機感を抱く本省人たちは、台湾の独自性、つまり民主主義国家としての台湾、多様な多民族国家としての台湾を主張している
台湾映画史上、最大のヒット作になった「海角七号」に対しては、両岸委員会の中国代表・陳雲林が「皇民化の大毒草」であると批評したと伝えられる。現在でも、中国では「皇民化」は死語になっていないのだ。

このように今なお政治カードとして使われる「皇民化」を、NHKは本当に腹をくくって採り上げたのだろうか? 番組を見る限り、とてもそのようには見えない。むしろ、中国の眼を気にしながら、おずおずと制作したような印象を受ける。

これから「朝鮮」や「中国」をNHKがどうとりあげているのかで、おおよそのことは分かってくるだろう。


NHKスペシャル「アジアの”一等国”」の歴史観

2009年04月06日 00時12分57秒 | マスメディア

NHKスペシャル「150年前世界デビューしたJAPANの軌跡」第1回「アジアの”一等国”」を見る。
北朝鮮が日本に向けてミサイルを発射した同じ日、たまたまこの番組がスタートしたわけだが、日本の近代をどうNHKが総括するのか、実に興味津々だ。

今日のテーマには、「日本初の植民地・台湾 発見・幻の皇民化映像」というサブタイトルが付けられている。

まず注意すべきは、日本の台湾統治について、台湾では李登輝氏が総統に就任して以来、従来の「大中華主義」的歴史観が改められ、プラスの側面もきちんと評価しようとする動きが見られることだ。これは、「反日教育」を進める南北朝鮮や大陸中国とは決定的に異なる点である。

NHKスペシャルは、いつも丹念に作られていて、注目度も信頼性も極めて高い。日本人にとって「生涯学習」の役割を果たすことのできる数少ない番組である。それが今回、近代日本150年の歴史を総括するのだから、社会的責任は大きい。

日本の近代は、「西洋の衝撃」(Western Impact)によって始まった。アジア諸国が次々と植民地化されるなか、日本はやむをえず欧米と対抗できる”一等国”を目指したに過ぎない。番組ではきちんとこのことには触れていて、「フランスは日本を植民地化する計画を持っていた」というフランス人研究者のコメントも添えている。

台湾の統治は、欧米に日本の力量を誇示するモデル・ケースだった。そのため後藤新平は、台湾総督府という近代的組織をつくり、樟脳などの産業振興、保健医療・教育の普及を行った。後藤は、台湾人を皇民化することは考えず、台湾を国内法とは異なる特別法で統治した。後に大陸で日中戦争が起きるに及んで、台湾内部での反日運動を押さえるために、「皇民化」政策が推進されたのだった。このあたりの経緯は、わかりやすく整理されている。

番組は、今や80歳代半ばになる旧制・台北一中の同窓会の模様を映し出す。日本統治時代には本省人と日本人との間に、進学や就職、出世などに大きな差別があったことを何人もが証言した。一方、台北の公園では、旧日本軍兵士であった老人たちが集まり、軍歌を歌う光景…。
映像の印象は強烈なので、素朴な平和主義者は、「日本人は悪いことをした」「戦争はイヤだ」という感想を持つのだろうが、ことはそれほど単純ではない。彼らが今なお、日本を懐かしみ、日本を恨むのは、日本人であった彼らをある日突然、日本が見捨てたからなのだ

この番組では、誰に遠慮したのか分からないが、蒋介石が台湾人の指導層を狙って三万人を虐殺した「二・二八事件」(1947年)については、「二・二八」という名称は使わず、軽く触れただけだった。民主化された台湾では、旧総督府前にある「新公園」を「二・二八平和記念公園」と改称したほどで、永らく封印されてきた「二・二八事件」のタブーはもはや存在しない。したがって、NHKが台湾に遠慮しているとは考えられない。
この番組の最後では、「今でも親日的であると言われる台湾」とコメントしながらも、同時に「皇民化」を強要した日本を批判的に結論づけている。これでは、何故台湾人が今なお親日的なのかその理由が分からない。蒋介石政権は、本省人にとって日本とは比較にならないほど野蛮で残虐な支配者だった-この事実に全く触れられていないのだ。NHKは誰に遠慮しているのだろうか?まさか中国に遠慮しているとは思いたくないのだが…。

日本人は「中国語」を奪い、「皇民化」を強要したとする点にも納得がいかない。「中国語」というと、多くの人が中華人民共和国で話されている北京官話(普通話)だと思ってしまうが、これは正確には台湾語(中国語の一方言)である。このあたりも、中国への遠慮なのか?

繰り返しになるが、日本の敗戦時、台湾は日本に次ぐアジア第二の工業国になっていて、教育、医療、鉄道等のインフラは大陸中国より遙かに優れていた。その日本を祖国だと思って戦った台湾人は、日本の敗北により突然はしごを外された状態に陥り、大陸から逃亡してきた蒋介石政権に「敵性人」として弾圧されたのである。この番組では、そうした経緯がさらりとしか触れられていないので、極めて分かりづらい。

個人的には、この番組を見たあと、台湾映画「海角七号」を見ることをぜひお勧めしたい。台湾映画史上、最高のヒット作となったこの映画が、「…棄てたのではない。泣く泣く手放したのだという印象的な日本語で結ばれているのは、決して偶然ではない。これを見れば、日本と台湾の”絆”が伝わってくるはずだ。 

 

海角七号 映画オリジナルサウンドトラック(台湾盤)

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NHK「シリーズJAPAN」と北朝鮮ミサイル

2009年04月05日 06時48分35秒 | Weblog

NHKが「シリーズJAPAN」と題するスペシャル番組をシリーズで放送する。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/090405.html


昨日は、その序論とも言うべき放送があったが、偶然にも北朝鮮のミサイルが発射される日と同じだった。自国の平和と安全が脅かされている、まさにその日にこういう番組が放送されるとは、何と皮肉なことだろうか。
番組では、明治維新以降150年の日本政治外交史が採り上げられた。「戦争と平和」「第9条と対米従属」など、きちんと論点が整理され、さすがNHKだと感心させる内容だった。だが、番組タイトル「シリーズJAPAN」自体が、「サムライJAPAN」を連想させる悪のりであるとともに、対米従属の現状を端的に示しているように思えた。もしかすると、NHK担当者には深慮遠謀があるのかも知れないが…。

番組には、ヨハン・ガルトゥイングという懐かしい名前が出てくる。この人は、1970年代「構造的暴力」(=武力行使を伴わない、社会的、政治的な暴力構造が存在する)の概念を唱えた「平和学者」だったが、何と今は日本人と結婚して、京都に住んでいるという。
ガルトゥイングのインタビューを見ていて思い出したのが、武者小路公秀氏だ。この人も「平和学者」として有名だった人だが、外国人女性と再婚して急速に「左傾化」し、今や北朝鮮の支持者(大阪経済法科大学教授)となってしまった。

ガルトゥイング氏の経歴を見ても、武者小路氏と同様に、創価大学の客員教授を務めるなど、首を傾げる部分がある。本当にいまインタビューする価値のある学者なのか疑問に思われた。個人的な感想では、「平和学」「平和研究」というものが、現実政治あるいはパワー・ポリティクスの概念に対抗できるほど、確固たる内容があるようには思えないのだ。

「平和」という抽象的な概念を、特定勢力の思惑と結びつけてはならないのだが、何となく公明党・創価学会の匂いを感じたのは、考えすぎだろうか…。

 


金美齢氏「海角七号」を語る

2009年04月03日 08時12分59秒 | 音楽・映画
 評論家・金美齢氏が今日の「産経新聞」に「届くか 台湾人の思い」と題して、映画「海角七号」について次のように書いている。

 『「私がこの十数年間で見た中で最高の台湾映画だ」と候孝賢監督が絶賛した「海角七号」の試写会が3月29日、アルカディア市ヶ谷で開催された。日本李登輝友の会が日本語版の翻訳を手伝い、一般公開を待つ運びとなった。超満員の会場には、小林よしのりさんの姿も見え、熱気にあふれていた。
 制作費が少なく、話題にもならない作品だったが、上映されて2ヶ月で、台湾映画の興行成績トップに躍り出た。奇跡的に、すべての国産映画の記録を破ったのである。昨年11月週刊誌「新台湾」(現在休刊中)は「海角七号很台湾 撫慰受傷本土派」(リアルな台湾に回帰した映画に、傷ついた本土派=選挙に大敗した台湾派が癒される)と題するカバーストーリーをはじめ、30ページ近くを割いて紹介している。
 これは2人の友子さんの物語である。日本統治時代、日本人教師と相思相愛だった台湾人友子と六十余年後、台湾で孤軍奮闘し、台湾青年アガに恋する日本人女性友子。2人の運命は、7通の手紙で結ばれる。教師が教え子友子にあてて深い思いを切々と書きつづった手紙は当時は配送されず、その亡きあと、娘によって台湾に郵送されるが、あて先の「海角七号」は過去の住所で、配達できないでいた。
 アガも深い敗北感を抱えて、台北から故郷恒春に舞い戻ってきた。ロック歌手の夢かなわず、ギターを捨てて投げやりの日々。母親の愛人、地元の有力者の口利きで、郵便配達のバイトを始めたが、まるでやる気がない。
 登場人物は、妻に逃げられた原住民、勤勉なハッカ系、いいかげんで陽気なホーロー系の台湾人、台湾でキャリアを確立しようとあがいている日本女性などで、なぜか「外省人」(大陸出身者の子孫)が一人も出てこない。日本人歌手、プロモーションのための外国人モデル、多重文化の多彩なエピソード。リアルな南台湾で中国語は話されるが外省人はいない。
 有力者の肝いりでフェスティバルに出演することになった地元のメンバーは、アガをはじめいずれも「問題児」だが、本番直前に7通の手紙は届けられ、アガは演奏の合間、友子に求愛する。
 「終わりよければすべてよし」。2曲しか持ち歌のない地元寄せ集めバンドは、大歓声の中、アンコールに「のばら」を歌う。これは日本統治時代の小学唱歌として、年配者が歌い続け、若者たちも自然に口ずさむ歌なのだ。エンディングは冒頭の日本人引き揚げシーンに戻る。埠頭に立ちつくす友子の足元にはトランクが。しかし、船上の教師はまともに別れが告げられず、身を隠している。自信と勇気を喪失したその姿は、敗戦のトラウマからついに立ち直れなかった現在の日本を彷彿とさせる。「…(あなたを)棄てたのではない。泣く泣く手放したのだ」との手紙の言葉。敗戦後の日本の姿そのものだが、今でも日本が大きく変わったとは言い難い。海角七号の英語は、Cape No.7。The Cape of Good Hope(喜望峰)。台湾人の思いが込められている。
 台湾では多くの若者が「感動した」と2回も3回も映画館に足を運んだ。挫折、癒やし、そして再生への希求。泣く泣く友子(台湾)を手放した青年(日本)。台湾人の優しさは、日本でも多くの観客を集められるだろうか。』



海角七号 映画オリジナルサウンドトラック(台湾盤)

Forward Music (TW)

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テポドンとパチンコ

2009年04月02日 19時03分51秒 | 社会

北朝鮮ミサイルの発射が秒読み段階となった。
TV報道を見ていると、「ミサイルか人工衛星か」という、どちらでもいい議論から、さすがに「日本に墜ちたらどうなる」といった緊張感も加わってきた。

日本政府は、対北朝鮮経済制裁を1年間延長する方針だという。ここで忘れてはならないのが、在日朝鮮人による送金問題だ。パチンコ業界を中心として、在日朝鮮人から北朝鮮へ送られる多額の送金は、北朝鮮の軍事費として使われていると考えられる。

テポドンが日本に深刻な軍事的脅威をあたえる今こそ、パチンコ業界への法規制強化が必要なのではないか。
周知のとおり、パチンコは「娯楽」として扱われているが、実態としては「賭博」である。99%以上の客が「景品」を換金している現状を考えれば、パチンコ店は「賭博場」のようなものだ。大きな駅前には必ず「賭博場」がある国は、日本ぐらいのものだろう。

「景品」の換金については、現在、法令的には「違法」ではない。しかしながら、「娯楽産業」であるパチンコの本旨を考えれば、景品の換金を規制することが望ましい。警察庁が決断しさえすれば、この法規制は可能なのだ。

パチンコの「特殊景品」を廃止し、換金不能な一般の景品のみにするーこれだけでパチンコ業界は壊滅的な打撃を受け、北朝鮮献金も激減する。
これが最も有効な「テポドン対策」なのだが、利権がらみの政治屋は決して触れようとしない。


「東ドイツ最後の1年」が連想させた台湾の運命

2009年04月01日 02時56分42秒 | 台湾
NHK・BSで放送された「ベルリンの壁崩壊 東ドイツ最後の1年」(Life behind the wall, Looks Film, Germany 2009)を見る。

周知のとおり「ドイツ統一」は、ドイツ民主共和国(DDR 東ドイツ)という国家がドイツ連邦共和国(西ドイツ)に吸収合併される形で成し遂げられた。
「ベルリンの壁崩壊 東ドイツ最後の1年」は、吸収された側のさまざまな関係者にインタビューをおこない、ひとつの国家が消失する有様を記録したものだ。

旧・東ドイツの人口は、1700万人。そこには官僚組織も、軍隊もあったわけだが、ドイツ統一条約の締結という法的な手続き以前に、東ドイツという国家は、事実上消滅していたことが語られている。
国防軍の多くの兵士は、東ドイツ国家が消滅する期限より前に、軍服をノミ市に売り払っていた。外交官は、公邸にあるマイセンの皿の数まで、西ドイツ側に報告しなければならなかったという。

「国家」「国民」の信条体系が壊れてしまえば、規律正しい軍人や外交官さえ、為すすべがなくなる。このことを教えていたように思われる。

翻って、台湾を見ると、人口は2300万人だが、「西ドイツ」に相当する中華人民共和国は13億人もの「超大国」だ。国際外交上でも苦境に立つ台湾だが、馬英九政権になってから、中国への傾斜が進んでいると言われる。馬政権は、中台関係が好転したという理由で、国軍の削減、徴兵制度の廃止を打ち出している。

中台間には、東西ドイツのような壁はないが、中国がこれ以上強大化すると、一気に「台湾併合」の悪夢が現実化しないとも限らない。東ドイツ崩壊の教訓をむだにしてほしくはない。

もちろん、中国と台湾の関係は、ドイツとは全く逆だ。中国は旧・東ドイツよりも無慈悲な共産党独裁国家だが、台湾は民主国家である。台湾人が、二・二八事件を引き起こした蒋介石・国民党政権よりもさらに邪悪な中国共産党政権に支配される悪夢は見たくない。



海角七号 映画オリジナルサウンドトラック(台湾盤)

Forward Music (TW)

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