昨日の夕方、しばらく見たことがなかった夕焼けを見た。
暮れなずむ茜の空に神秘のかがやきを見た。
しばらく続いた春のあらし、雨上がりの空に青空が見え、陽の落ちた山際に黄金の輝きが残る。天を焼く茜雲がたなびく美しい空間だった。
東海林太郎の「湖底の故郷」が口をついてでた。
「夕陽は赤し 身は悲し
涙は熱く 頬濡らす
さらば湖底の わが村よ
幼き夢の ゆりかごよ 」
悲しくはないが、なぜか切なくなった。
昨日は母方の法事があった。世話になった伯父逝って13年、伯母は7回忌になる。同時に今は亡き人々が浮かんできた。父もいた、母もいた。
そして今、元気を取り戻した自分がある。
この健康を思った。そしていのちを思った。生きているという意識を新たにした。
救われし我がいのち5年目の春が始まる。暮れなずむ茜空を見つめ充実の余生を誓った。