梅雨の晴れ間が広がった午後、ゴイシシジミの棲息するポイントへ産卵の様子を撮りに行った。
我が家から2,3キロの里山で、山際にクマザサが生えている。
ゴイシシジミが何匹もササの周りを飛び、葉の裏に止まって産卵していた。
葉の裏を見ると、アブラムシの集団の中に生みつけられた卵を確認することができた。
また、葉の裏を調べたら、アブラムシの中に幼虫を何匹もみつけた。
幼虫
終齢?
ゴイシシジミは、日本の全種の蝶の中で、唯一、幼虫が完全な肉食性である。
ササに付くササコナフキツノアブラムシなどのアブラムシをのみ捕食するチョウだ。
成虫もまたアブラムシの分泌液に依存している変わったチョウである。
シジミチョウ科の幼虫の多くはアリと共生していることが知られているが、
それは、幼虫が蜜をアリに提供して,アリはその見返りに天敵から守ってやるという説明がされている。
アリとの関わりもいろいろだ。
●クロシジミは、孵化した幼虫はアブラムシの蜜をなめて育ち、暫くするとクロオオアリにくわえられて巣の中に入り、
幼虫期間のほとんどを同アリから口移しで餌をもらい成長する。
●キマダラルリツバメもハリブトシリアゲアリから口移しで餌を貰い成長する。
●ゴマシジミは、幼虫の中期までワレモコウの花やつぼみを食べて育ち、その後はシワクシケアリにくわえられ巣の中に運ばれ、その幼虫を食べて育つ。
●ムモンアカシジミは最初はカシワの葉や、アブラムシの蜜をなめて育ち、後にクロクサアリの巣穴に入り、その幼虫を食べるようになる。
限られたわずかな空間でゴイシシジミが細々と棲息している。
でも、近くで灌漑用水の改修工事が行われ、この環境がいつ壊れてもおかしくない状況にある。とても心配している。
なんとか、いつまでもゴイシシジミが棲息できる自然環境が保全されることを願っている。