エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

湯呑の絵付け

2010-07-08 | 文芸
  
 湯のみの絵付けを頼まれた。
眼をつぶっても描けるいつもの絵、猪苗代湖に浮かぶ秀峰磐梯だ。
ふるさと会津を離れた方の会社での、記念品にするという。

下書きもせずに、なれない筆で呉須で描く。
山肌は少し薄く雪をイメージするいつものパターンだ。

 懐かしい伝統工芸に接した若かりし頃が浮かんできた。
 昔、陶芸に没頭した一時期も、陶板に描く絵は磐梯山ばかりだった。
ほとんどが学校祭で販売され、手元に残ったのはわずか数枚だ。
 そのひとつ、大皿一枚が床の間に置いてある。
 他に、いくつか気に入った小さい絵皿は、板につけて飾ってある。

磐梯大皿 

 久々に、食器棚の奥から作品を出してみた。
 大きいお気に入りは、たまの特別な来客のときに刺身皿に使うくらい。
 猪苗代湖のヘリに磐梯が聳えているオリジナルデザインだ。
 ときどき自作の器で、一段とおいしい食卓になっている。